
「電気工事士の筆記試験に導入されるCBT試験って何?」「CBT試験のメリットやデメリットについて詳しく知りたい」とお考えではありませんか?
CBT試験とは、コンピュータ上で受験できる試験のことです。
電気工事士の筆記試験に変わる試験方式として導入されています。
2027年度からCBT方式に一本化することが決まっています。実際に受験する前にどんな方式なのか情報を集めておくことが大切です。
本記事では、CBT試験の詳細について詳しく解説します。メリット・デメリットや勉強方法のポイントもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
電気工事士の筆記試験はどうなる?公表されている内容を解説

電気工事士においてもCBT試験が導入されています。導入後における筆記試験変更点について現在公表されている内容を例に解説します。
変更される部分
CBT試験導入後に変更されるのは、次の3つです。
まず試験日ですが、筆記方式とCBT方式で異なるのが特徴です。従来通り、会場型の試験として実施される筆記方式を受験する場合は、決められた試験日に会場で受験します。
一方でCBT方式では、一定期間設けられた試験日の中で自分に適した日に受験します。従来通りの筆記方式とは別のCBT方式が新たに加わることで、これまでよりも自分のスケジュールにあわせて受験しやすくなっています。
令和8年度(2026年度)に実施予定の電気工事士試験日程については、以下の表をご覧ください
■ 第一種電気工事士 試験日程
| 項目 |
区分 |
上期試験 |
下期試験 |
| 学科試験日 |
CBT方式 |
4月1日(水)~5月8日(金) |
9月11日(金)~10月18日(日) |
| 筆記方式 |
(実施なし) |
10月4日(日) |
| 技能試験日 |
筆記方式 |
7月4日(土) |
11月21日(土) |
参照: 第一種電気工事士試験|一般社団法人電気技術者試験センター
■ 第二種電気工事士 試験日程
| 項目 |
区分 |
上期試験 |
下期試験 |
| 学科試験日 |
CBT方式 |
4月23日(木)~6月7日(日) |
9月24日(木)~11月8日(日) |
| 筆記方式 |
5月24日(日) |
10月25日(日) |
| 技能試験日 |
筆記方式 |
7月18日(土)または7月19日(日) |
12月12日(土)または12月13日(日) |
また、試験方法については問題・解答用紙を用いての試験からパソコンを用いての試験に変更されるため、これまでとは異なるのも特徴です。
また、CBT方式では持ち物が変更されます。これまでの試験方式とは違い、試験会場内に持ち込めるものはありません。支給されるメモ用紙と筆記用具を使用して出題された問題を解き進める方式です。
変更されない部分
CBT試験が導入された後も変更されない点は、以下の3つです。
まず、試験時間はこれまで通り第二種120分、第一種140分です。合格点も総得点の60%以上と変更点はありません。
また、出題範囲にも違いがなく、具体的な学科試験の内容は以下の通りです。
| 種別 |
科目 |
| 第一種電気工事士 |
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気応用
- 電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
- 電気工事の施工方法
- 自家用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
- 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令
|
| 第二種電気工事士 |
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物等の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物等の保安に関する法令
|
引用:電気技術者試験センター
CBT方式とは?試験の実施方法を解説

CBT方式は「Computer Based Testing」のことで、簡単にいえば「オンラインで受けられるテスト方式」の試験です。
電気工事士においては、筆記試験に変わる方法として導入されています。
CBT方式において受験者は、パソコン・タブレット上に表示される問題を解きます。
解答はキーボードやマウスを操作して選択肢を選ぶといった流れです。
また、CBT方式で電気工事士を受験するまでの流れについて、先日公表された電気技術者試験センターの情報を令和4年度に実施された第二種電気工事士を参考にご確認ください。
| 手順 |
項目 |
詳細 |
| 1 |
試験方法の選択 |
CBT方式と筆記方式のどちらかを選択する |
| 2 |
受験の申し込み |
インターネット申し込みまたは郵便申し込みが可能。インターネット申し込みの場合は、電気技術者試験センターのホームページから行う |
| 3 |
CBT試験申し込み手続きを行う |
受験申し込み後、指定された会場の申し込み期間内にCBT会場申し込み手続きを行う。手続きをしていない場合は筆記方式での受験となる |
| 4 |
CBT試験の受験 |
申込時に予約した試験日・試験会場で受験する。
試験終了後すぐに点数を確認できる。 |
CBT方式の会場申し込みは、マイページから試験日時と会場を選択する手続きです。
郵便申し込みの場合でもマイページから申請が必要なのでご注意ください。
また、CBT方式の場合、試験会場・試験日時は試験日の3日前まで変更できます。
取消の場合は、会場申し込み期間内に行うと筆記方式での受験に切り替えが可能です。
CBT方式における3つのメリット

CBT試験導入によるメリットは、以下の3つです。
- 自分に適した試験日で受験できる
- 得点をすぐに確認できる
- 非常事態時にも強く利便性が高い
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
メリット①自分に適した試験日で受験できる
CBT試験は、申込期間中に自分が希望する試験日・試験会場を予約して受験します。
試験日は3週間ほど設けられているため、自分のスケジュールにあわせて受験が可能です。
例えば令和7年度の第二種電気工事士上期試験の場合、試験日は4月21日(月)〜5月8日(木)に設定されています。
また、予約申し込み後の試験日変更にも対応しているため、都合が悪くなったとしても問題なく受験できます。
従来であれば各試験会場で設定されている曜日のみの実施ですが、CBT試験では広い試験日の中から都合にあわせて選択できるのがメリットといえるでしょう。
メリット②得点をすぐに確認できる
CBT試験は、試験終了後の画面で得点が表示されるので、すぐに点数を確認できるのもメリットです。これまでの試験と違って自己採点をしたり結果発表日まで待ったりする必要がありません。
というのも、CBT試験の場合は試験終了後に解答データが採点・集計処理されるため、実施側の効率も非常にアップします。これにより、今までよりも素早い合否の発表を実現しているというわけです。
ただし、CBT試験では試験結果通知書の発行がない点だけご注意ください。試験終了後の点数は、電気技術者試験センターのマイページから確認できます。
メリット③非常事態時にも強く利便性が高い
従来の試験会場で行う場合、問題となったのが「新型コロナウイルスの影響」です。コロナウイルスの影響で1ヶ所に集まって試験を実施する方法が難しくなりました。
ただし、CBT試験であればデータも管理しやすく、試験日も幅広く設けているため、コロナ禍においても問題なく試験を実施できます。
また、予約していた試験日の天候が悪い場合においても試験日や会場の変更が可能であるため、利便性が高いのもメリットです。
不測の事態に強く利便性の高いCBT試験は、今後も需要が高まることが予想されるため、これから電気工事士を受験される方はCBT試験での受験をご検討ください。
CBT方式における3つのデメリットと注意点

一方でCBT方式のデメリットや注意点はあるのでしょうか?
考えられるのは以下の3つです。
- 不具合によるエラーの可能性がある
- 受験者はコンピュータの操作に慣れる必要がある
- 普段の試験よりも感覚が狂いやすい
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
デメリット①不具合によるエラーの可能性がある
CBT方式はパソコンで行う試験なので、コンピュータに不具合が生じるとエラーなどによって試験が正常に実施できない可能性があります。
- パソコンのシステムエラー
- 通信エラー
- エラーによるタイムラグ
上記のようなエラーが起きるとスムーズに試験を進められません。
受験者は解き進めるペースを乱されることにもなるので、問題用紙と異なるパソコンならではのトラブルといえます。
ただしセキュリティー面に関しては徹底した対策を実施しています。
個人情報の暗号化や漏えい防止の措置を取っているため、安心して受験できるでしょう。
デメリット②受験者はコンピュータの操作に慣れる必要がある
これまで解説した通り、CBT試験はパソコンで行われるため、受験者には最低限のコンピュータ操作が求められます。
その際、操作に慣れていない方は普段よりも実力を発揮しづらくなるでしょう。
そこで大切なのが「CBT試験での操作方法を事前に知っておくこと」です。
現在、YouTubeなどの動画メディアでさまざまな試験のCBT試験の解説が投稿されています。
電気工事士とは別の資格では、実際に解き進める流れも公開されているため、一度視聴して本番の試験のイメージをしておくと効果的です。
デメリット③普段の試験と感覚が違う
CBT試験ではこれまでと異なり、筆記用具や腕時計、携帯などを試験会場に持ち込むことはできません。全て指定されたロッカーに片付けて、支給されたメモ用紙や筆記用具を使って受験します。
そのため、問題用紙を確認してマークシートに記入する試験に慣れていると少し感覚が違う方法です。試験の時間管理もパソコン上で行われます。
ただし、実施される内容自体が大きく変わるわけではありません。メモ用紙も支給されるので慣れるとスムーズに進められますし、試験日も選べる点から利便性はCBT試験の方が高いです。
これから受験する方は、CBT試験での受験を積極的にご検討ください。
CBT方式と筆記方式のどちらを選択すべき?

CBT方式と筆記方式は試験内容や難易度に差はありませんが、学習環境やライフスタイルによって適した方式が異なります。
仕事の予定に合わせて柔軟に受験したい方や、早期に自己採点結果を確認して技能試験の対策へ移行したい方には、試験日時と会場の選択肢が広いCBT方式が適しています。
一方、パソコン画面での閲覧や操作に不慣れな方、あるいは使い慣れた筆記用具で問題用紙に直接複線図などを書き込みながら解答したい方は、従来の筆記方式を選択するのが妥当です。
それぞれの特徴を比較し、自身のスキルや準備状況に合わせて、より確実に実力を発揮できる方式を検討しましょう。
CBT方式へ変更後におすすめの学習方法

CBT方式に変更された後の勉強方法は、これまでよりも少し異なります。そのため、以下の4つのポイントをおさえて勉強することが大切です。
- ネットを活用して過去問題を解く
- 過去問題を中心に知識の幅を広げる
- 見直しがしやすいようにメモを残す
- オンライン講座でIT操作に慣れておく
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ポイント①ネットを活用して過去問題を解く
CBT方式は、パソコン上で出題された問題を解く方式です。そのため、問題用紙を確認して解答するこれまでの方法とは感覚が違います。
CBT方式に慣れるため、試験の1週間~2週間前くらいから電気技術者試験センターにて公開されている過去問をネット上で確認して解いてみましょう。
過去10年以上の問題が公開されているので、一通り解き終わる頃にはPCやスマホなど画面で問題を確認して解答する方法に慣れてきます。
過去問対策と並行しながら普段の間隔で本番の試験に臨めるよう対策してください。
ポイント②過去問題を中心に知識の幅を広げる
電気工事士の試験は、過去問題と類似した問題がいくつか出題されます。そのため、勉強は過去問題を中心に行いましょう。
まずは参考書で基礎をつけ、後は過去問題を解き進めながら知識を定着させるのがおすすめです。
特に、間違えた問題を参考書で見直して対策することで効率よく知識の幅を広げられます。
おすすめなのが過去5〜10年分を2〜3周以上することです。1周目で問題の傾向を掴み、2周目以降で得意分野・苦手分野を把握して、得意は伸ばして苦手は克服するといった意識で勉強しましょう。
第二種・第一種電気工事士両方の筆記試験で有効な方法なので、これから受験する方はぜひ実践してください。
ポイント③見直しがしやすいようにメモを残す
CBT方式では、会場から支給されるメモ用紙に途中式などを残すことが想定されます。これまでと違って問題用紙に直接メモを残せないため、見直しがしやすいようにメモを残しましょう。
第二種電気工事士であれば120分、第一種電気工事士は140分時間が設けられていますが、その中で大切なのが解答の見直しです。計算問題では計算ミスがないかを途中式と照らし合わせて確認します。
その際、残したメモがどの問題の途中式なのかわからなければ無駄に時間を消費してしまいます。そのため、自分がわかるようにメモ用紙に「問〇」といった形でメモを残すのがおすすめです。
普段と違った環境での受験で緊張や不安も生じやすいので、できる限りミスを減らすことを心がけましょう。
ポイント④オンライン講座でIT操作に慣れておく
現場作業を主とする受験者は、普段の業務でPCやネットに触れる機会が少なく、操作に不安を感じるケースが想定されます。そのため、オンライン講座を活用した学習がおすすめです。
オンライン講座なら、日々の講義動画の視聴やWeb上での問題演習を通じて、デジタル端末の操作に自然と慣れることができます。
IT機器への抵抗感をなくしておくことで、CBT方式の試験本番で操作に戸惑わず、本来の実力を発揮できるでしょう。
まとめ

本記事は、電気工事士に導入されているCBT試験について詳細やメリット・デメリットとあわせて解説しました。
CBT方式は、コンピュータ上で実施されるため、これまでの方式と違って問題用紙や解答用紙が必要ありません。データで解答が管理されているので、解答後すぐに得点が計算されるのも特徴です。
また、試験日の範囲が広く設けられているのもメリットです。
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