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第二種電気工事士の仕事内容や現場の実情は?向いている人や業界で活躍するために大切なことは?

公開日:2022年9月7日 更新日:2023年3月29日

第二種電気工事士の仕事内容や現場の実情は?向いている人や業界で活躍するために大切なことは?


第二種電気工事士の仕事内容や現場の実情は?
向いている人や業界で活躍するために大切なことは?

第二種電気工事士コラム15

第二種電気工事士は、さまざまな業種や現場で求められています。

肉体労働で職人気質の方も多く、暑さ・寒さに耐えながらの職場も多いことは事実。

その一方で、話下手な方や高齢者でも活躍できる職種です。

苦労して取得した第二種電気工事士の資格。

せっかく取得しても仕事で活かせなければ、がっかりしてしまうことでしょう。

資格取得を目指す際には合格をゴールにするのではなく、その先にある「仕事」や「職場」に目を向けることも必要です。

では、第二種電気工事士の資格を活かせる仕事の実情はどのようなものでしょうか。

この記事では仕事内容や現場の実情に加えて、仕事に向く人や活躍するためのポイントを考えていきます。


最終更新日:

第二種電気工事士の資格とは

挿絵

第二種電気工事士は小規模の事業所や一般家庭といった、電力会社から600V以下で受電する設備の電気工事に従事できる資格です。

キュービクルのある施設や自家発電装置など、自家用電気工作物の工事に携わることはできません。

一方で最大電力500KW以上の設備では、電気主任技術者が置かれます。

電気主任技術者の監督・指示のもと、電気工事に従事することが可能です。

第二種電気工事士の仕事内容

第二種電気工事士の仕事内容は、大きく3つに分かれます。

各業務でなにを行うのか、順に解説していきましょう。

電気の配線工事

電気の配線工事は、多くの第二種電気工事士が携わる仕事です。

これはさらに、家屋と事業者向け施設に分かれます。

それぞれの仕事内容を確認していきましょう。

家屋の配線工事

家屋や小規模の事業所で施工する配線工事は、第二種電気工事士の資格を直接活かせる仕事です。

代表的な仕事のひとつといえるでしょう。

物件数が多いため、活躍の場が広いことも特徴に挙げられます。

事業者向け施設の配線工事

第二種電気工事士のなかには、事業者向け施設の工事に携わる方も少なくありません。

資格があることで、電気に関する知識と電気工事の基礎的な技術を証明できることは主な理由に挙げられます。

対象となる施設は商業施設や公共施設、工場など多種多様です。

なかには信号機や道路照明など、屋外の工事に携わる場合もあります。

電気設備のメンテナンス

第二種電気工事士のなかには電気のスキルを活かし、電気設備のメンテナンスに携わる方も多くいます。

建物に設置された電気設備や配線は、いつでも安心して利用できる状態を保つことが不可欠。

日々の点検や修繕、トラブルへの対応などは、主な業務に挙げられます。

リフォームや改修工事

リフォームや改修工事では、しばしば配線の引き直しやコンセントの増設・移設などが発生します。

この作業を行うためには、電気工事士の資格が必要。適切な配線・配置を行い、安全で快適な住まいや施設づくりに貢献します。

第二種電気工事士の主な就職先や業種

第二種電気工事士は、さまざまな企業で求められています。

ここでは主な4つの業種を取り上げ、どのような仕事に携わるのか確認していきましょう。

電気工事の専門会社

電気工事を専門とする会社は、代表的な就職先です。

戸建て住宅や小規模事業所等に強い会社なら、第二種電気工事士の資格を直接活かせます。

しかしこのことにこだわる必要はありません。

大規模施設などでも、第二種電気工事士のスキルが求められています。

特に若手の方は将来のキャリアを積むためにも、さまざまな案件に携わることが重要です。

可能であれば、住宅から大規模施設まで扱う電気工事会社を選ぶとよいでしょう。

工務店や建設会社

工務店や建設会社のなかには、自前で電気工事士を雇用する場合もあります。

自社で電気工事まで施工してしまえば、別途電気工事会社に外注せずに済むメリットがあるためです。

「電気工事は電気工事専門の会社」と決めつけず、工務店や建設会社まで範囲を広げると選択肢が増えます。

設備管理会社

設備管理会社も、第二種電気工事士を求める主な業種に挙げられます。

施設に設置されているほとんどの設備は、電気がなければ動作しないことがその理由です。

設備管理技術者が電気のスキルを持つことは、適切な維持・管理に欠かせません。

このため、第二種電気工事士は「ビルメン4点セット」に含まれるほど、重要な資格。

設備管理会社への就職に重要視されています。


警備会社

セキュリティの関心は高まっており、最近は機械警備を導入する企業も増加しています。

機械警備の導入には電気工事が必須であり、その後のメンテナンスも欠かせません。

このため警備・設備管理両方の業務を扱う企業はもちろん、警備業務だけを扱う会社のなかにも電気工事士を採用する企業が現れています。

第二種電気工事士の現場の実情

挿絵

第二種電気工事士の資格を活かして活躍するためには、現場の実情を知ることが欠かせません。

7つのポイントを取り上げ、第二種電気工事士が働く現場について解説します。

入社した企業や職種により、任される仕事内容は大きく変わる

第二種電気工事士が活躍できる職場は、数多くあります。

「家庭向け」「法人向け」など、企業ごとに得意とする分野は異なることに注意が必要です。

加えてどの職場でも、電気工事に携われるわけではありません。

たとえば設備管理会社に入社した場合、主な業務は設備管理となります。

このため電気工事に携わりたいと思う方は、なかなか希望をかなえられません。

同じ第二種電気工事士を求める企業でも、任される仕事は大きく異なります。

職場を探す際には「どの企業も仕事内容は同じ」と考えず、募集要項や企業のWebサイトをよく読み、あなたに合った企業に応募しましょう。

肉体労働である

電気工事士は、朝から夕方まで体を使って仕事をする肉体労働です。

資材の運搬があること、ずっと立ち仕事であることは避けられません。

加えて夏は暑さに、冬は寒さに耐えて作業をしなければなりません。

現場によっては炎天下の作業が続き、真っ黒に日焼けする場合もあるでしょう。

オフィス業務のように空調完備、いつでも快適な環境で仕事ができるような状況は期待できません。

危険を伴う作業もある

電気工事士は、危険を伴う作業もいくつかあります。

脚立など、高所での作業は代表的。

落ちないよう、正しく乗らなければなりません。バランスを崩すと転落するおそれがあります。

場合によっては、天井裏に入り込んで作業を行うケースもあります。

天井裏で歩けるルートは限られることに注意が必要です。

特に天井板は石膏ボードなどでできているため、うっかり踏むとそのまま転落し、救急搬送となりかねません。

すでに電気を使っている施設で新たに電線を引く場合は、線を間違えないことも重要です。

電流が流れている線を切った場合は感電し、命にかかわる事態となり得る可能性があります。

職人の世界であり、仕事に厳しい方も多い

電気工事士は、職人の世界です。

懇切丁寧に教えてくれる現場はまだまだ少なく、「見て覚えろ」という現場も多いです。

もっとも近年では働きやすさや離職率の低下、企業のイメージアップなどを目的に、教育に力を入れる企業も増えています。

また電気工事士はミスをすることにより、命の危機や施設に重大な影響を与えかねません。

このため、仕事に厳しい方も多いです。

「ちょっとくらい間違えただけ」で叱るのは、結果の重大さを知っているため。

とはいえ慣れないうちは、以下の理由で叱られることもよくあることは、覚悟しなければなりません。

  • 指示と異なるものを持ってきてしまう
  • 作業のやり方が間違っている
  • 作業が遅い

忙しい時期は休日出勤や残業がある

電気工事は、一年中均等に仕事があるとは限りません。

企業にもよりますが、以下の時期は仕事が集中しやすく、忙しくなりやすいです

  • 夏(エアコンの取り付け需要が高まる)
  • 年明けから年度末(予算を消化するため、3月31日までに間に合わせる必要がある)

「依頼が多ければ、断れば良い」というわけにもいきません。

困っている方に1人でも多く対応したいというケースはあるでしょう。

また今後の取引継続のため、無理してでも受注したいケースもあります。

このような場合は、休日出勤や残業をしてでも対応することになります。

プライベートをある程度犠牲にしなければならないケースも、出てくるかもしれません。

技術さえあれば話下手でもやっていける

ここまでの内容を見た方のなかには、「第二種電気工事士は大変だ」と思った方も多いのではないでしょうか。

もちろん第二種電気工事士の現場には、良い点もあります。

それは会話が苦手な方、話下手な方でも、技術さえ持っていれば職場で活躍できる点です。

電気工事士の場合、自分自身の技術でスキルの高さを示せます。

誰が見ても成果物の良し悪しがわかるため、仕事ができる方は評価されやすいことが特徴の職種です。

依頼者や上司の要件・指示を理解し報告できるコミュニケーションスキルは必要ですが、営業職に求められがちな高度な駆け引きのスキルは必要ありません。

職種や会社によっては高齢者でも就業可能

第二種電気工事士には、「技術さえあれば何歳でも働ける」というメリットがあることも見逃せません。

定年の年齢に達した後も会社が必要な人材と考えれば、引き続き再雇用などで処遇してもらえるでしょう。

また独立した場合は、顧客の期待にこたえられる仕事ができる限り現役を続けられます。

特に設備管理の仕事は、体力が衰えても続けられる仕事です。

実際に「67歳まで応募可」など、高齢者でも就業可能な求人があります。

第二種電気工事士は技術さえ磨けば、一生食べていける仕事といえるでしょう。

電気工事士に向いている人と向いていない人

電気工事士の仕事にも、向いている人と向いていない人があります。

どのような方に向く仕事なのか、またあまりおすすめできないタイプについて確認していきましょう。

向いている人

以下に当てはまる方は、電気工事士に向いているといえるでしょう。

  • 無駄な動きをせず、危なげなく作業できる方
  • スピーディーに作業できる方
  • 体力がある方
  • 暑さ・寒さに強い方

電気工事は、あまり余裕がない日程で作業を行うケースも少なくありません。

正確かつ迅速な作業ができる方は、評価が高くなります。

そのためには、無駄な動きをしないことが重要。

加えて危なげなくスムーズな動作は、他の方に安心感を与えます。

「自分の思った通りに手や体を動かせる」方は、電気工事士に向いているといえるでしょう。

また電気工事の現場では、重い資材の運搬がしばしばあります。

加えて暖房や冷房も期待できません。

なかには、屋外での作業もあります。

体力や暑さ・寒さへの強さがある方も、電気工事士に向いています。

向いていない人

一方で以下のどれかに該当する方は、電気工事士にあまり向いているとはいえません。

  • ルールを守れない方
  • 体力がない方
  • 手先が器用でない方
  • 向上心がなく、勉強を続けない方

第二種電気工事士が扱う「電気」は、取り扱いを誤ると命に関わる事故につながります。

このため法令や職場で、さまざまなルールが定められています。

ルールをおろそかにして自己流で作業を進める方はいずれ事故に遭い、職場にも悪影響を与えかねません。

このためルールを守れない方は、電気工事士に不向きです。

体力や手先の器用さも重要です。

電気工事は一日中体を動かす仕事。

ずっと立ち仕事で、手先を使った細かい作業に従事する場合も少なくありません。

体力がないと職場で倒れてしまい、手先が器用でないと進捗が遅れる原因となるため不向きです。

また電気工事士の仕事は、法令改正や技術の進歩による影響を受けます。

向上心がなく勉強を続けない方も、向いている仕事とはいえません。

新しい情報をいち早く手に入れられるよう、日ごろからアンテナを張ることも重要なスキルです。

電気工事士がきついと思った場合の対処法

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もし電気工事士がきついと思った場合は無理に仕事を続けず、他の会社や職種に転職することもよい方法です。

転職先の職種は電気工事士の資格を活かすか、活かさなくてもよいかにより大きく分かれます。

それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

電気工事士の資格を活かせる他の職種を選ぶ

もし「電気工事の仕事が体力的にきつい」と思う方の場合は、電気工事士の資格を活かせる他の職種を選べます。

なかでも、ビルメンはおすすめです。

ビルメンにおいて、電気工事士は重要な資格のひとつ。

設備管理の現場において、資格を活かせます。

ビルメンは電気工事のように、重い資材の運搬がほとんどないことが魅力。

また交替制勤務の職場も多く、残業が少ないことも魅力に挙げられます。

他の資格を取得して転職する

「この際、電気工事士の資格を活かせなくてもよい」という方は、他の資格を取得して転職する方法もあります。

代表的な選択肢と資格は、以下のとおりです。

将来の希望 取得する資格の例
通信工事に携わりたい
  • 工事担任者
ボイラーの運転業務に携わりたい
  • ボイラー技士
  • 危険物取扱者
不動産取引や管理に携わりたい
  • 宅地建物取引士
  • マンション管理士

日本建設情報センターでは、上記に挙げた各資格に対応する受験対策講座を開講しています。

効率よく短期間での資格取得を実現するためにも、活用をご検討ください。

まとめ

第二種電気工事士が携わる仕事は、決して楽なものではありません。

しかし実力アップの成果が誰にでもわかる形で示せることは、良いところです。

資格を活かせる職場の多さも魅力。

体力がもつ限り現役を続けられる点も、資格を持つメリットに挙げられます。

とはいえ、なかにはどうしても職場になじめない方もいるでしょう。

早めに仕事の現実を知っておくことは、納得ゆく就職とその後の活躍につながります。

あなたに合う職業かどうかをチェックしたうえで、資格の取得を目指しましょう。


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