電気工事士とは?できることや仕事内容、資格の種類、第一種と第二種の違いを解説

電気工事士とは?
できることや仕事内容、資格の種類、第一種と第二種の違いを解説

電気工事士

「電気工事士って何?」
「主な仕事内容は?資格を取得したら何ができるの?」
「第一種と第二種の違いは?」

本記事では、電気工事士に興味を持ち始めた方を対象に上記のような疑問にお答えします。なお電気工事士を取得するメリットは、以下の通りです。

  • 対応できる作業範囲が広がる
  • 就職や転職で有利になる
  • 会社により資格手当がつく場合もある
資格を取得することでさまざまなメリットを得られるので「電気工事士に興味のある方」は、ぜひ本記事を参考に電気工事士の知識を深めてください。

電気工事士とは?

「電気工事士」とは、電気設備の工事や取扱いの際に必要な国家資格のことです。電気工事の欠陥による災害を防止するために電気工事士法により定められている資格で、電気工事に携わる方にとっての代表的な資格となります。

ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないことが法令で決められています。その資格のある人を電気工事士といいます。

引用:ECEE 一般財団法人 電気技術者試験センター

電気工事士の資格は第一種と第二種に分類されていて、それぞれ行えることは異なります。第一種は第二種の上位資格です。それぞれの行える作業範囲については後述します。

電気工事士の主な仕事内容について

電気工事士の主な仕事内容は、以下の2つです。

  • 建築電気工事
  • 鉄道電気工事

電気工事士の主な仕事内容を知ると、実際に作業する様子がイメージできます。それでは電気工事士の主な仕事内容について詳しく見ていきましょう。

建築電気工事

建築電気工事とは、一般住宅や事務所などさまざまな建設物の屋内外電気設備の設計や施行を行う工事のことです。
具体的な仕事内容を表にまとめました。

建築電気工事の仕事 主な作業内容
外線配線工事 時折、電気工事士が電柱の上で作業しますが、これが外線配線工事です。この工事は各地域に配電するための屋外作業です。電柱づたいに電線をビルや工場、各家庭などへつなぎ、各場所に電気が流れるようにする大切な工事です。基本は電柱と電線関連の作業ですが、場所により地中で電線をつなぐ場合もあります。
屋内配線工事 施設内での配線工事です。ビルや工場、一般住宅内で電源やケーブルを配線し、電気製品が通電するように整理します。スイッチやコンセントなど、私たちにとって身近な設備の工事も請負います。施設により設計やメンテナンス業務も手がけます。
冷暖房設備工事 エアコンの取付けや取外し、クリーニングなど冷暖房設備に関連した電気工事を行います。家電量販店から下請けで工事を行うのが一般的です。
ビル管理 ビルのメンテナンスを手がけます。電気設備の保守はもちろん、水道や空調などの設備の管理にも携わります。さらに自動ドアやエレベーター・ボイラーの設置など、作業範囲は多岐にわたります。
ビル管理の仕事に従事する方の中には60代以上の方もいて、長く働ける職種です。


鉄道電気工事

鉄道電気工事とは、電車の安全な運行のために電気設備の点検やメンテナンス、架線の張り替えなどを行う工事です。
具体的な仕事内容を表にまとめました

鉄道電気工事の仕事 内容
変電設備工事 電車に供給する電気は電力会社から送られてきますが、途中の変電設備にて電圧を変える必要があります。変電設備工事では変電所のメンテナンスや建築などに携わります。
線路工事 変電所から供給される電気は電車線路(トロリ線)を通して電車に伝わります。トロリ線は電車の線路の上に長く張られた、電線が伸びている線です。
トロリ線と車両の上にあるパンタグラフと呼ばれる集電装置とが接触すると、電車にエネルギーが供給されます。線路工事では線路上の設備に関連した工事を行います。
駅の電気設備の点検・工事 駅にあるさまざまな電気設備の点検や設置などを担う工事です。照明やモニター・改札口・空調などを扱います。

電気工事士の資格は2種類ある

電気工事士の資格は以下の2種類あります。

  • 第二種電気工事士
  • 第一種電気工事士

電気工事士資格について知ることで、資格ごとに対応できる工事内容がわかります。それぞれの資格にできることを見ていきましょう。

第二種電気工事士ができること

第二種電気工事士ができることには、一般住宅や小規模施設の電気工事があります。具体的には、600V以下で受電する一般用電気工作物の取り扱いが可能です。
第二種電気工事にできることは、次の通りです。

  • 一般住宅や小規模施設の電気工事
  • 現場代理人になれる
  • 自宅のリフォームなどDIYができる

上記の通り、現場代理人になることが可能です。現場代理人は建物の電気工事に関連した管理に携わる係で、それ自体には特別に必要な資格はありません。ただし、多くの場合は電気工事士の資格を有しています。
また、自宅のリフォームなどDIYの幅が広がるのも資格取得のメリットです。
無資格者は原則的には電気設備を勝手に扱うことはできません。一方、有資格者は電気に関連したノウハウやスキルを持ちあわせているため、自由に設置を行えます。
具体的な作業を挙げると、スイッチやコンセントの設置を行ったり、工事現場で電気工事が設計通りに施工されているかをチェックしたりできます。
第一種ほどではないにしろ、小規模であればさまざまな場面で電気関連の作業ができるため、スキルアップしたい方は取得したい資格といえるでしょう。

第一種電気工事士ができること

第一種電気工事士ができることは、以下の通りです。

  • 第二種電気工事士ができること
  • ビルや工場など大規模施設の電気工事
  • 高圧の送配電線路における電気工事

第一種電気工事士ができることには、第二種電気工事士ができることすべてが含まれます。
さらにビルや工場・病院など大規模施設の電気工事にも携われるほか、高圧の送配電線路における電気工事にも関与できます。後述するように、最大500kW未満の自家用電気工作物を扱える点が第二種電気工事士との相違点です。
できる作業内容の具体例としては、電線を接続する作業や配電盤を造営材(壁や柱などの建築物の構造材)に取り付ける作業などが挙げられます。
第一種電気工事士の資格を持っていると作業範囲が広がる分、給与もアップする可能性が高いです。

第一種電気工事士と第二種電気工事士の主な違いとは?

第一種電気工事士と第二種電気工事士の主な違いは以下の4つです。

  • 工事できる作業範囲
  • 資格試験の難易度
  • 資格の有効期限
  • 待遇や将来性

各項目を知ることで、どちらの資格取得を目指すかの判断基準にできます。それでは、第一種電気工事士と第二種電気工事士の主な違いを見ていきましょう。

工事できる作業範囲

第一種電気工事士と第二種電気工事士では、工事できる作業範囲が異なります。具体的な相違点を下表でまとめました。

工事できる作業範囲 第一種電気工事士 第二種電気工事士
一般用電気工作物(600V以下)
自家用電気工作物(600V以上かつ最大電力500kW未満) ×

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模施設の電気工事しか行えません。一方、第一種電気工事士は第二種工事士が行える作業範囲に加えてビルや工場など大規模の電気工事が行えます。
病院やモールなど大規模商業施設での作業にも対応可能です。

資格試験の難易度

第一種電気工事士と第二種電気工事士では、資格取得の難易度が異なります。
資格試験の難易度に関して、合格率を基準にして下表で比較しました。以下は平成28年~令和2年の合格率の平均値を算出したものです。

試験の種類 筆記試験の合格率 技能試験の合格率
第一種電気工事士 48.8% 63.4%
第二種電気工事士 60.2% 69.4%

第一種電気工事士試験では筆記試験で受験者の半数以上が不合格となります。
一方、第二種電気工事士試験では10人中6人合格と、そこまでハードルは高くありません。また技能試験については、大きな差がないことがわかります。
全体的には、第一種電気工事士試験の方が第二種よりも難易度が高いです。

資格の有効期限

資格の有効期限についても、第一種電気工事士と第二種電気工事士では異なります。
第二種電気工事士の資格には有効期限がありません。一方、第一種電気工事士の資格には有効期限があります。5年おきに講習の受講と更新手続きが必要です。
更新手続きといっても難しいものではなく、経済産業大臣の指定を受けた機関の定期講習を受講するのみです。
仮に更新手続きを忘れてしまうと、免状返納通告を受ける場合があります。手軽さという点では第二種の資格の方が楽です。

待遇や将来性

第一種電気工事士の方が第二種電気工事士よりも待遇が良くなります。第二種よりも作業範囲が広くなることで、資格手当がより多く支給される場合が多いです。
また第一種電気工事士は実務経験が重視されるため、それが評価されるともいえます。
多くの実務経験を積みやすい第一種電気工事士は、待遇や将来性の面で有利になると考えられます。
電気工事士において年収アップやスキルアップを目指したい場合は、第一種電気工事士の取得をおすすめします。

電気工事士の資格試験の概要

第二種電気工事士の場合

第二種電気工事士の資格試験の概要を下表にまとめました。

項目 詳細
試験内容 筆記試験
  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論及び配線設計
  • 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 一般用電気工作物の保安に関する法令

技能試験
  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器及び配線器具の設置
  • 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  • コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  • 接地工事
  • 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  • 一般用電気工作物の検査
  • 一般用電気工作物の故障箇所の修理
試験形式 筆記・実技
試験配点 1問あたり1点(50点満点)
合格ライン 30点以上の正答で合格
試験時間 2時間
試験日程
  • 5月30日(上期筆記試験)
  • 10月24日(下期筆記試験)
  • 7月17日または7月18日(上期技能試験)
  • 8月18日または12月19日(下期技能試験)
試験費用
  • 9,300円(インターネットでの申込み)
  • 9,600円(郵便での申込み)
受験者数
  • 104,883人(筆記試験)
  • 66,113人(技能試験)
合格者数
  • 65,114人(筆記試験)
  • 48,202人(技能試験)

※受験者数・合格者数は令和2年度下期のもの、試験日は令和3年度を参照
第二種電気工事士の試験を受ける流れを知りたい方は「電気工事士2種 申し込み」をご覧ください。

第一種電気工事士の場合

第一種電気工事士の資格試験の概要を下表にまとめました。

項目 詳細
試験内容 筆記試験
  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論及び配線設計
  • 電気応用(一種のみ)
  • 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料・工具・受電設備(蓄電池に関しては一種のみ)
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性(一種のみ)
  • 一般用電気工作物・自家用電気工作物の保安に関する法令(自家用電気工作物に関しては一種のみ)

技能試験
  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置(蓄電池に関しては一種のみ)
  • 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法(蓄電池に関しては一種のみ)
  • コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  • 接地工事
  • 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  • 自家用電気工作物の検査(一種のみ)
  • 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理(一種のみ)
試験形式 筆記・実技
試験配点 1問あたり1点(50点満点)
合格ライン 30点以上の正答で合格
試験時間 2時間20分
試験日程
  • 10月3日(筆記試験)
  • 12月12日(技能試験)
試験費用
  • 10,900円(インターネットでの申込み)
  • 11,300円(郵便での申込み)
受験者数
  • 30,520人(筆記試験)
  • 21,162人(技能試験)
合格者数
  • 15,876人(筆記試験)
  • 13,558人(技能試験)

※受験者数・合格者数は令和2年度のもの、試験日は令和3年度を参照

電気工事士に関連する主な電気系資格

電気工事士に関連する主な電気系資格について下表にまとめました。

資格名 詳細
認定電気工事従事者 最大電力500kW未満の需要設備において、電圧600V以下の簡易電気工事に従事可能
特殊電気工事資格者 最大電力500kW未満の電気工事でネオン工事と非常用予備発電装置工事に従事可能
1級電気工事施工管理技士
  • 一般建設業の営業所で専任技術者および主任技術者として従事可能
  • 特定建設業の営業所で専任技術者・主任技術者・監理技術者として従事可能
2級電気工事施工管理技士 一般建設業の営業所で専任技術者および主任技術者として従事可能
第三種電気主任技術者(電験三種) 発電所や変電所および工場・ビルなどの電気設備の保安・監督に従事可能(対象は電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物、ただし出力5,000kW以上の発電所を除く)
消防設備士甲種4類 火災報知・警報設備の工事や点検・整備に従事可能
エネルギー管理士 エネルギー(電気・ガス・油など)を使用する設備のメンテナンスや監視・エネルギー使用の効率化に携わる仕事に従事可能
電気通信主任技術者
  • 事業用電気通信設備の運用管理(伝送交換主任技術者)
  • 通信ケーブルの管理や現場監督業務(線路主任技術者)
電気通信の工事担当者 公衆回線やケーブルテレビの通信回線と端末設備の接続・保守・工事監督業務などに従事可能

上記の資格を取得することで従事できる電気工事や通信工事の幅が広がります。資格を有していることで年収アップも期待できます。

電気工事士に関するよくある質問

給料はどのくらい?

電気工事士の平均年収は厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると418万円です。
電気工事士の給料は以下の条件によって異なります。

  • 会社の規模
  • 経験年数
  • 資格

例えば「賃金構造基本統計調査」によると(30~34歳のデータを参照)、未経験の平均月収が21.8万円なのに対して、経験年数が10~14年の場合は28.6万円でした。
資格に関しては、第一種電気工事士の方が第二種よりも平均月収が高い傾向です。
電気工事士の年収をアップさせる方法について知りたい方は「電気工事士 年収」を参考にしてください。

電気工事士に向いている人は?

電気工事士に向いているのは以下のような方です。

  • 電気や電気工事に興味を持っている人
  • 丁寧かつ慎重に作業できる人
  • 周囲とコミュニケーションが取れる人
  • 体力に自信のある人

電気のノウハウがあることはもちろん、電気の危険性を考えると慎重に作業できることが何よりも重要です。
また電気工事現場ではほかの作業員とチームで動く場合があります。工事内容について正確な報告や連絡・相談をするには、コミュニケーション能力が必須です。
立ち作業や重量のある機材を使用する場面もあるため、体力も一定以上必要です。

電気工事士になるには資格が必要?

電気工事士の資格なしで電気工事には従事できないため、電気工事士になるには資格が必要です。
無資格の場合は、最初に第二種電気工事士の資格取得を目指しましょう。その後に第一種電気工事士の取得がおすすめです。
電気工事士試験の勉強をするには、独学で試験を受ける方法のほかに、通信講座で学習する方法、職業訓練学校に通う方法などがあります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、自身の好みや状況に合う勉強方法を選ぶようにしましょう。

電気工事士の資格を取得するメリットは?

電気工事士の資格を取得するメリットは数多くあります。例えば、電気工事に携わる会社への就職や転職が有利です。
日本では少子高齢化が進んでいて、それに比例して労働人口も減っています。電気工事士は人手不足になることが予測されているため、有資格者は有利です。
加えて、資格手当などの収入アップも見込まれます。資格手当は企業により異なりますが、年収を底上げする要素の1つです。また資格は自宅のリフォームなどDIYにも活かせます。
電気工事士試験に受験資格は特にありません。年齢や職歴・学歴に関係なくどなたでも受験できるため、チャレンジする価値はあります。

独学でも資格を取得できる?

電気工事士の試験は独学でも合格可能です。
一般財団法人電気技術者試験センターが主催する「電気工事士試験」に合格すると有資格者となれます。独学を選ぶ場合は、過去の試験の問題集などを活用して計画的に勉強しましょう。
なお独学だとモチベーション維持が難しいという方効率良く学習を進めたい方は、スクールや通信教育の受講がおすすめです。
例えばCICでは、以下の講座があります。

資格 講座
第一種電気工事士
  • 映像通信講座(Web/DVD)
  • 通学【筆記・技能】2日間コース
第二種電気工事士
  • 映像通信講座(Web/DVD)
  • 通学【筆記・技能 上期試験用】 2日間コース
  • 通学【筆記・技能 下期試験用】 2日間コース

通信講座では、自宅や外出先などで自由に学習を進められます。また、通学コースでは、試験に出題される可能性の高い最重要項目を中心に、効率的にポイントを押さえられます。 少しでも合格率を高めたい方や学習時間を短くしたい方は「CIC 電気工事士 資格試験ガイド」をご覧ください。

まとめ

本記事では、電気工事士の仕事内容と資格の種類、第一種と第二種の違いについて解説しました。重要ポイントは以下の通りです。

  • 電気工事士の仕事は「建築電気工事」と「鉄道電気工事」に大別される
  • 電気工事士には第一種と第二種の2種類がある
  • 電気に関連した資格は多岐にわたる
  • 電気工事士は年収アップを期待でき転職にも有利
  • 会社により資格手当がつく場合もある
  • 電気工事士(資格)は独学でも取得できるが、時間的な制約があり効率良く取得したい場合は「CIC日本建設情報センター」のような資格スクールの利用がおすすめ

電気工事士資格は電気関連に関係した国家資格です。電気が好きな方や長く働ける仕事に携わりたい方、手に職をつけたい方は電気工事士の資格取得をおすすめします。

CIC日本建設情報センターの第一種電気工事士受験対策講座はこちら
CIC日本建設情報センターの第二種電気工事士受験対策講座はこちら