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第一種電気工事士とは?仕事内容や資格を取得するメリット、気になる難易度と合格率まで解説

公開日:2022年7月27日 更新日:2023年3月29日

第一種電気工事士とは?仕事内容や資格を取得するメリット、気になる難易度と合格率まで解説


第一種電気工事士とは?
仕事内容や資格を取得するメリット、気になる難易度と合格率まで解説

電気工事士コラム8

電気工事士として活躍する方のなかには第一種電気工事士を取得し、さらなるステップアップを図りたいと考える方も多いでしょう。

資格をスムーズに取得し仕事に活かすためには、試験の難易度や合格率、資格を取得するメリットの理解が欠かせません。

この記事では第一種電気工事士について、さまざまな観点から解説します。

第一種電気工事士を目指す方は、ぜひお読みください。

第一種電気工事士とは?仕事内容や収入も解説

資格を仕事につなげる上で、仕事内容や収入を知っておくことは重要です。

3つのポイントについて、順に確認していきましょう。

担当できる業務

第一種電気工事士は、以下の業務を担当できます。

電気工作物の種類 概要
一般用電気工作物 600ボルト以下で受電する建物が該当する。第二種電気工事士の資格でも工事できる
自家用電気工作物 最大電力500キロワット未満の建物で工事できる

第二種電気工事士よりも、工事を担当できる範囲の広さが特徴です。

活躍できる仕事

第一種電気工事士は以下のとおり、さまざまな電気工事の現場で活躍できます。

  • 戸建て住宅
  • 小規模な店舗や事業所
  • 工場
  • ビル
  • マンション
  • 商業施設
  • 公共施設

第二種電気工事士は一般用電気工作物の工事しか担当できないため、工事できる建物は戸建て住宅や小規模な店舗、事業所に限られます。

第一種電気工事士には、このような制限はありません。

活躍できる現場が飛躍的に広がることは、大きなメリットといえるでしょう。

年収について

求人ボックスによると、第一種電気工事士の平均月収は37万4,000円となっています。

ボーナスが夏・冬とも2カ月分と考えると、年収はおよそ600万円です。

同じ方法で第二種電気工事士(平均月収は32万4,000円)の年収を算出すると、およそ520万円となります。

また国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は433万円。

第一種電気工事士は、比較的高い年収が期待できる仕事といえるでしょう。


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第一種電気工事士の資格を取得するメリット

第一種電気工事士の資格を持つことには、さまざまなメリットがあります。

主な4つのメリットについて、内容を確認していきましょう。

多くの電気工事に携わることが可能

第一種電気工事士は一般用電気工作物に加えて、最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物も工事できます。

多くの電気工事に携われるため、戸建て住宅の販売が不振という場合でも影響は少なくて済むことが特徴。

さまざまな電気工事に関わることが可能な点は、メリットのひとつに挙げられます。

社内での評価が上がり、収入もアップしやすい

第一種電気工事士を取ると、電気工事のスペシャリストとして認められるでしょう。

職場のリーダーを任されることも、十分に考えられます。

また、電気主任技術者になれる道も広がります。

技術の高さが認められ、収入がアップしやすくなることもメリットといえるでしょう。

転職先の選択肢が広がる

転職先の選択肢が広がることも、主なメリットに挙げられます。

第二種電気工事士では戸建て住宅など、小規模の建物を扱う会社しか応募できません。

一方で第一種電気工事士ならば、住宅を扱わない会社にも応募できます。

より多くの工事会社から、あなたに合った会社を選べることも特徴のひとつです。

将来性がある

第一種電気工事士は、将来性のある資格です。

これは生活に欠かせない「電気のスペシャリスト」という点はもちろんですが、「人材不足」という観点も見逃せません。

経済産業省は2022年にかけて、第一種電気工事士が急激に減少すると見込んでいます。

原因は、高齢の有資格者が次々と引退するため。

また2045年の時点では、約2万1,000人の有資格者が不足すると見込まれています。

もちろん人口減少などにより工事件数も減少するものの、それ以上に第一種電気工事士が減るわけですから、ますます価値の高い資格となるでしょう。

社会から求められる資格という点でも、将来性はあるといえます。

第一種電気工事士の合格率

第一種電気工事士の合格率は、筆記試験が50%前後、技能試験が60%台で推移しています。

過去5年間の推移を、以下の表で確認しておきましょう。

年度 筆記試験受験者に対する合格率 技能試験受験者に対する合格率
平成29年度 47.0% 63.5%
平成30年度 40.5% 62.8%
令和元年度 54.1% 64.7%
令和2年度 52.0% 64.1%
令和3年度 53.5% 67.0%

参考:電気技術者試験センター「試験実施状況の推移 第一種電気工事士試験」

合格にはまず筆記試験に合格し、技能試験にも合格する必要があります。

このため一発合格できる確率は、受験者の25%~35%程度。

ストレートで資格を取るには、それなりにハードルが高い試験といえるでしょう。

第一種電気工事士の難易度

電気工事士の合格率は、以下のとおり第一種のほうが第二種よりも低くなっています。

  • 筆記試験は10%程度低い
  • 技能試験は5%~10%程度低い

主な受験者は、第二種電気工事士の合格者レベルという点に注意してください。

このことを考えると、難易度の高い試験であるといえるでしょう。

第一種電気工事士の試験概要

ここからは第一種電気工事士試験について、6つの観点から解説します。

最新の試験情報は、電気技術者試験センターのWebサイトをご参照ください。

受験資格

試験は、誰でも受験できます。

第二種電気工事士の免状を持たない方でも受験可能です。

試験科目

試験は大きく、筆記試験と技能試験に分かれます。

筆記試験は50問出題され、2時間20分で解答。

四肢択一のマークシート方式で行われます。試験科目は以下のとおりです。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気応用
  4. 電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
  5. 電気工事の施工方法
  6. 自家用電気工作物の検査方法
  7. 配線図
  8. 発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
  9. 一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令

引用:電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験「筆記試験のポイント」」

一方で技能試験は、1題のみの出題。

与えられた材料をもとに持参の工具を使い、配線図に従って60分以内に作品を作る課題です。

以下に挙げる事項の全部または一部が試されます。

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器、蓄電池及び配線器具の設置
  4. 電気機器、蓄電池、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  8. 自家用電気工作物の検査
  9. 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

引用:電気技術者試験センター「令和3年度 第一種電気工事士試験(国家試験)受験案内」

申込方法や受験料

申込手段は、以下の2通りが用意されています。

選んだ方法により、受験料が異なることに注意してください。

横にスワイプで左右にスライドできます。

申込手段 受験料(非課税) 申込方法の概要
インターネット 10,900円 試験申込ページから必要事項を入力し、支払方法を選ぶ
書面 11,300円 受験申込書に必要事項を記入し送付。また指定の払込取扱票を使って郵便局から送金する

インターネットで申込みをする場合、支払方法は以下の4種類から選べます。

事務手数料や振込手数料は別途加算されることに注意してください。

  • クレジットカード(VISA、MasterCard、Dinersのいずれか)
  • コンビニでの支払い
  • ペイジー決済
  • 銀行振込(振込先は申込者ごとに指定される)

なお前年度の第一種電気工事士試験で筆記試験のみ合格した方は、技能試験のみの受験が可能です。

ただし申込時に申請しないと、筆記試験の免除は受けられません。

事前に過去の受験番号を確認しておきましょう。

申込の受付期間は6月から7月初旬です。

試験実施日よりもかなり早めとなることに注意してください。

試験の実施頻度と会場

試験の実施回数は、年1回です。

令和4年度は、以下のスケジュールで実施されます。

  • 筆記試験:10月2日(午前と午後に分けて実施)
  • 技能試験:12月11日

試験地は北海道を除く46都府県に1箇所ずつ、北海道には6箇所設けられており、希望する試験地を選べます。

試験地内に複数の試験会場が設けられる場合もありますが、会場は選べません。

また自宅から最も近い会場とならない場合もあります。

毎年試験会場が変わる試験地もありますので、受験票を必ずお確かめください。

また筆記試験の時間が午前と午後のどちらになるかは、受験票で指定されます。

都合が悪いからといって、変更はできません。

また事前に希望を出すこともできません。

受験者層

電気技術者試験センターでは、毎年「電気技術者試験受験者実態調査」を公表しています。令和2年度の調査結果によると、以下の傾向がみられます。

  • 10代から40代までで、全体の90%程度を占める。50代以上は少ない
  • 10代から40代までの年代別割合は、ほぼ均等(各年代とも20%~30%程度)

受験者が若年層に偏ることは、特徴のひとつといえるでしょう。

有資格者になるためには実務経験と免状の申請が必要

第一種電気工事士試験に合格しただけでは、資格取得者とはなりません。

免状の交付を受けて初めて、第一種電気工事士を名乗れます。

免状の交付を申請するためには試験の合格に加えて、3年以上の実務経験も必要です。

電気工事のなかには、実務経験とみなされない項目もあります。

詳しくは電気技術者試験センターのWebサイトでご確認ください。

第一種電気工事士の傾向と対策

第一種電気工事士の試験に合格するためには、傾向と対策を把握し準備を進めることが重要です。

筆記・技能それぞれの試験について、傾向と対策を確認していきましょう。

筆記試験の傾向と対策

第一種電気工事士の筆記試験は、50問出題されます。内訳は以下の通りです。

  • 一般問題:40問(うち計算問題が10~15問程度出題)
  • 配線図:10問

筆記試験には、以下の傾向があります。

  • 第二種電気工事士と異なり、写真はモノクロ
  • 過去問と類似した問題が出されるケースも多い
  • 「適切な選択肢を選ぶ」「不適切な選択肢を選ぶ」の両パターンとも頻度高く出題される

このため過去問を解き、問題形式に慣れておくことが必要です。


日本建設情報センター「第一種電気工事士」講座では、筆記試験用のテキストと問題集に加えて、動画の教材を提供しています。

専門家が合格に必要な内容を精選しているため、無駄がありません。

またいつでもどこでも、わかりやすく学べることもおすすめするポイントです。

技能試験の傾向と対策

技能試験は候補問題が10問あり、試験当日はそのなかから1題が出題されます。

どの問題が出題されても、60分以内で作品を作らなければなりません。

また「欠陥の判断基準」に1つでも該当すると、不合格になってしまいます。

このため材料を大切に使い、要求された品質で時間内に作業を終えることが求められます。

合格には良質の教材を活用したうえで、十分な練習を積み重ねることが必要です。


日本建設情報センター「第一種電気工事士」講座では、技能試験用のテキストと動画の教材を提供しています。

作業のポイントを、わかりやすく説明していることは特徴のひとつ。

忙しい方でも、必要なときにいつでもどこでも学べることが魅力です。

まずは筆記試験対策から始めよう

第一種電気工事士試験は、筆記試験の合格者に対して技能試験を課す仕組みとなっています。

技能試験なら自信がある方でも、筆記試験に合格しなければ受験するチャンスすら与えてもらえません。

すべての受験者は、筆記試験が最初の関門となります。

第一種電気工事士試験をはじめて受験する方は、筆記試験対策から始めることが合格の近道です。

過去問で安定して7割~8割程度の得点を取れるよう、準備を進めましょう。

受験申込みや受験における注意点

第一種電気工事士に合格するためには知識やスキルを身につけるだけでなく、受験申込みや受験時のルールを知ることも重要です。

3つの場面それぞれについて、注意点を確認していきましょう。

受験申込み時の注意点

受験申込み時の注意点は、以下の4点にまとめられます。

  • 申込内容は正しく記入する
  • 期限内に受験料の支払いを済ませる
  • 受験申込みまでに写真を準備しておく
  • 郵送で申請する場合は、期限までに受験申込書を発送する

1つでもクリアしていないと、受験できなくなります。

たとえば受験申込み時に本人と異なる写真を使って申し込んだ場合は、受験できません。

また申込内容の記入間違いにも、十分注意しましょう。

インターネットならばペンと異なり、記入した内容を修正できるため便利です。

筆記試験の注意点

筆記試験を受験する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 早めに試験日・試験開始時刻・試験会場を確認する
  • 試験会場までは早めに移動する
  • 受験票や本人確認書類、HBの鉛筆やシャープペンシル、消しゴムなどを用意する

筆記試験の試験日や試験会場は、受験者ごとに指定されます。

また令和3年度からは、試験時間が午前と午後に分かれています。

間違えると受験できないため、早めに確認しておきましょう。

試験当日は公共交通機関の乱れが発生する、会場が広くて迷うといった状況となる場合があります。

試験開始後30分を過ぎると試験を受けられなくなるため、早めに出発しましょう。

試験当日は、本人確認をする場合があります。

運転免許証やマイナンバーカード、パスポート、写真付き学生証などの本人確認書類を持参してください。

また受験票は会場で回収されます。

技能試験の注意点

技能試験を受験する際は筆記試験の注意点に加えて、工具の持参が必要です。

以下の工具は最低限必要であり、持参しないと合格できません。

  • ペンチ
  • プラスドライバ、マイナスドライバ
  • 電工ナイフ(ワイヤストリッパでは対応できない電線も数多くあります)
  • スケール
  • ウォーターポンププライヤ
  • リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997適合品)

ワイヤストリッパなど、上記以外の工具も持ち込み可能です。

但し電動工具や改造した工具、自作した工具は使用できません。

またカッターナイフはけがをしやすいため、電工ナイフを使いましょう。

また技能試験は、着席時刻を5分過ぎると受験できません。

着席時刻に間に合うよう、早めに会場へ向かいましょう。

まとめ

第一種電気工事士は担当できる工事が増えるぶん、より高度なスキルが求められます。

筆記試験・技能試験ともに難度はアップしますので、万全の準備が欠かせません。

せっかく忙しい時間を割いて勉強するなら、効率的に学習を進めたいもの。

このような方にこそ、CIC日本建設情報センターの「第一種電気工事士」はおすすめです。

合格に絞って作られた教材といつでもどこでも学べるコンテンツを十二分に活用し、合格を勝ち取りましょう。


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