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第一種電気工事士の技能試験でどんな問題が出る?第二種との違いについても解説!

公開日:2022年7月27日 更新日:2023年3月29日

第一種電気工事士の技能試験でどんな問題が出る?第二種との違いについても解説!

第一種電気工事士の技能試験でどんな問題が出る?
第二種との違いについても解説!

第二種電気工事士コラム17


「第一種電気工事士の技能試験ではどんな問題が出る?」
「第二種電気工事士の技能試験との違いについて知りたい」

とお考えではありませんか?

第一種電気工事士の技能試験は候補問題全10問の中から1問が出題されます。

第二種電気工事士の実技試験と比較して試験時間が60分と長く設けられているものの、施工内容は複雑化しているため、ポイントを押さえて対策することが大切です。

本記事では、第一種電気工事士の出題内容と対策のポイントについて解説します。

第二種電気工事士との違いを踏まえて解説していますので、ぜひご覧ください。


最終更新日:

第一種電気工事士の実技試験とは?

挿絵

第一種電気工事士の実技試験は、候補問題全10問の中から出題される1問の配線図を欠陥なく施工することで合格できる試験です。

第二種電気工事士と同様、筆記試験の合格者のみ実技試験を受験できます。

第一種電気工事士の取得には筆記試験と実技試験の両方の合格が必要です。

第一種電気工事士の試験スケジュールや試験内容について詳しくみていきましょう。

試験スケジュール

第一種電気工事士は、第二種電気工事士と異なり年に1回しか実施されません

そのため受験申込を忘れると次の受験は来年度になるためご注意ください。

実技試験における例年の試験スケジュールは、以下の通りです。

項目 詳細
申込受付期間 中旬~上旬
筆記試験日 上旬
合格発表日(筆記) 中旬
実技試験日 上旬
合格発表日(技能) 下旬

参照:電気技術者試験センター

表を見ると筆記試験の合格発表日から実技試験日までは1ヶ月程度しかないことが分かります。

そのため筆記試験終了後に自己採点を行い、合格の可能性が高いと感じた場合は、直ぐに実技試験の対策に移るのがおすすめです。

具体的な実技試験の対策方法については後述します。

出題内容

第一種電気工事士の実技試験における出題内容は、次の通りです。

項目 内容
試験概要 配線図を時間内に施工する試験
問題内容 事前に公表される候補問題全10問のうち1問の配線図が出題
試験時間 60分
合否の判定
  • 結線の正誤
  • 欠陥の有無

第二種電気工事士の実技試験では試験時間は40分でしたが、第一種の場合は試験時間が60分と長く設けられています。

ただし配線図は複雑になっているため、第二種の時と同様、欠陥を避けて素早く丁寧に施工することが大切です。

焦らずに施工できるよう、普段の練習から実践的な内容で取り組むように意識してください。

難易度・合格率

第一種電気工事士の実技試験の難易度について、過去5年間の合格率を参考にみていきましょう。

実施年度 合格率
令和3年度 63.5%
令和2年度 62.8%
令和元年度 64.7%
平成30年度 64.1%
平成29年度 67.0%

参照:電気技術者試験センター「試験実施状況の推移」

実技試験の合格率は、毎年60%代で推移していることが分かります。

決して低いというわけではないので、試験日までに候補問題を繰り返し施工して実力をつけることで十分に合格を狙うことが可能です。

実技試験対策に必要な勉強方法は?

第一種電気工事士の実技試験では、以下のような配線図が出題されます。

候補問題

引用:電気技術者試験センター 2022年度候補問題No.4

上記のような配線図を施工するためには、まず複線図に記入して電線の色や接続する器具と電線の組み合わせなどを把握する必要があります。

そして電線を必要な長さに切断して被覆を剥き、必要な加工をした後に器具と電線を接続、その後に電線同士を圧着して結線を終わらせるといった流れが効率的です。

また、予想問題や本番の試験では施工条件を読みながら進めましょう。

施工条件では、リングスリーブを使用する箇所や電線の色の組み合わせなどが記載されています。

これらを踏まえて、第一種電気工事士の実技試験に必要な勉強方法のポイントを挙げると、以下の3つが該当します。

  • 候補問題の複線図を覚え
  • 1つ1つの施工を素早く丁寧にする
  • 候補問題の施工を2~3周行う

第一種電気工事士の実技試験では、第二種電気工事士の実技試験の対策に加えて欠陥を減らすための行動が必要です。

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

ポイント①候補問題の複線図を覚える

第一種電気工事士の実技試験も第二種電気工事士の時と同様、まずは複線図を覚えることから始めるのがおすすめです。

特に第一種電気工事士の場合、候補問題1問の複線図が第二種よりも複雑になります。

そのため施工条件を見ながらより正確に配線図を記載する力が必要です。

いきなり施工を始めるのではなく、候補問題の複線図を何周かして素早く書けるように対策しましょう。

試験開始後3分を目安に複線図を記載できるよう目指してください

ポイント②1つ1つの施工を素早く丁寧にする

第一種電気工事士の実技試験は、第二種電気工事士の時よりも取り扱う電線の種類が増えます。

特にCVVケーブルやKIPケーブルなどは被覆が堅く、剝くまでに時間がかかりやすいです。

そのため電線の被覆剥きに時間がかかると精神的な余裕がなくなります。

結果、他の施工でもミスしやすくなり、欠陥のしやすさにつながるでしょう。

そこで実技試験対策として大切なのが、1つ1つの施工を素早く丁寧に行うことです。

細かなミスを減らすことで精神的な余裕につながります。

後述する候補問題の施工の繰り返しの中で、ケーブルを剥く・器具と電線を接続する・電線同士を圧着するなど単位ごとの施工の正確さをアップさせましょう。

ポイント③候補問題の施工を2~3周行う

第一種電気工事士の実技試験では、全10問の候補問題のうち1問が出題されます。

第二種よりも候補問題数は少ないですが、合格するためには候補問題を繰り返し施工することが大切です。

施工回数は、候補問題2〜3周を目安に行いましょう。

最初の1周で複線図の記載から1問ごとの施工内容、完成するまでの流れを確認し、2〜3周で施工速度と正確さをアップさせてください。

また本番では施工条件が予想問題と異なる可能性があります。

そのため本番では複線図の記載を怠らず、練習通りに施工するよう意識することが大切です。

どんな工具が必要か?

第一種電気工事士の技能試験では、指定工具が以下のように決められています。

  • プラスドライバー
  • マイナスドライバー
  • ペンチ
  • ウォーターポンププライヤー
  • 圧着工具
  • 電工ナイフ
  • 布尺

このほか、あると便利な工具が「VVFストリッパー」「ワイヤーストリッパー」「ケーブルカッター」の3つです。

それぞれの工具について詳しく解説します。

プラスドライバー

挿絵

プラスドライバーは、ねじ締めに使用する工具です。

端子台・アウトレットボックス・接続用コネクタのねじを締めて、電線と器具を固定したり接続したりします。

プラスドライバーには絶縁性能に優れた電気工事用のものがありますが、実技試験においては特に指定はありません。

そのため、プラスドライバーの持ちやすさや使いやすさなどを基準に自分に適したものを選んで使用しましょう。

マイナスドライバー

挿絵

マイナスドライバーはプラスドライバーと同様、ねじ締めなどに使用される工具です。

電気工事においては、ねじ締め以外にも器具の取り付けや取り外し、電線と配線器具の引き抜きなどに用いられます。

また電気工事用のマイナスドライバーがあるのもプラスドライバーと共通ですが、特に指定がないため、自分に適したものを選んで使用してください。

ペンチ

挿絵

ペンチは電線の切断と加工、器具を固定する際に使用します。

切断と加工の両方を1つの工具で行えるため、現場でも頻繁に活用される汎用性の高い工具です。

ペンチを選ぶ際は、持ちやすさや握りやすさを基準に選択しましょう。

扱いやすいペンチを使うことでストレスを感じずに施工を行えます。

ウォーターポンププライヤー

挿絵

ウォーターポンププライヤーはアウトレットボックスと金属管を接続する際、金属管にあるロックナットを締め付けるために使用する工具です。

第一種電気工事士で扱う際も第二種と同様、開閉範囲を調節して固定したい部品を挟んだ後、廻して固定するといった流れで使用します。

ウォーターポンププライヤーを選ぶ際は、全長の長さを確認して自分に適した大きさのものを選択しましょう。使いやすさや握りやすさを基準に選ぶことが大切です。

圧着工具

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圧着工具は、リングスリーブを圧着する際に用いる工具です。

リングスリーブを電線に通し、本数や太さにあわせた刻印場所で工具を閉じると圧着が完了します。

刻印の種類は、特小・小・中・大の4種類あります。

第一種の実技試験で登場するのは、特小・小・中の3種類です。

本数と太さの関係性は受験者自身で覚える必要があるため、施工を通して刻印と電線の関係について把握しておきましょう。

また圧着工具を購入する際は、柄の色が異なる圧着端子用の圧着工具を選択しないようご注意ください。

リングスリーブ用の圧着工具は、柄の色が黄色です。

VVFストリッパー

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VVFストリッパーは、指定工具ではありませんが電線の被覆剥きや切断、心線の加工において効率を大幅にアップできる工具です

ストリッパーに印されている電線の本数や太さにあわせてケーブルを通し、ストリッパーを閉じて引き抜くだけで被覆を剥けるので試験では非常に役立ちます。

また力の入れすぎで心線を傷つけるリスクを減らせるのもメリットです。

指定工具とあわせて購入することにはなりますが、不安要素を減らす点においておすすめの工具と言えます。

ワイヤーストリッパー

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ワイヤーストリッパーは、電線の被覆を剥く際に素早く剥ける便利工具です。

先ほど解説したVVFストリッパーもワイヤーストリッパーの1種類に該当します。

VVFストリッパー以外にも、より線用のワイヤーストリッパーや機械式のストリッパーなどさまざまな種類があるのが特徴です。

第一種電気工事士では施工速度と正確性が合格に重要なポイントとなります。

そのため軽い行動で被覆が簡単に剥けるワイヤーストリッパーは、被覆剥きでの欠陥が不安な方におすすめです。

VVFストリッパーを含め、ワンタッチで自動的にスライドして被覆が向ける機械式のストリッパーなど、自分に適した工具を選択して使用しましょう。

ケーブルカッター

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ケーブルカッターは、ケーブルの切断に特化した工具です。

第一種電気工事士で登場する太く堅い電線を切断する際に役立ちます。

一般的に電線の切断はペンチで行いますが、第一種電気工事士で登場するKIPやCVV、より太くなったVVRなどは握力が弱い方には切断しにくい可能性が高いです。

そういった際にケーブルカッターを用いると簡単に切断できるため、全体の作業時間が短縮できます。

結果、他の作業に割く時間を増やせるため、より時間に余裕を持って施工できるでしょう。

電工ナイフ

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電工ナイフは、電線の被覆を剥く際に使用する電気工事士用のナイフです。

切れ味が鋭いため怪我には注意が必要ですが、器具と電線の接続を行うために欠かせません。

また電工ナイフを扱う際に力を入れすぎると電線の心線を傷つけて欠陥になる可能性があるため、本番に向けて被覆を剥く際の力加減にも注意しながら対策してください。

電工ナイフを選ぶ際は、怪我のリスクなどを考慮して折りたたんで使用できるものを選択しましょう。

布尺

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布尺(スケール)は、電線の長さや幅を測定する際に使用します。

布尺以外にもメジャーなどがありますが、測定できれば問題ないため実技試験では種類を問いません。

ただし実技試験の会場は場所によって作業スペースが狭い可能性があるため、コンパクトに扱いやすいと感じたスケールを使用することが大切です。

メジャーや定規、布尺の中から自分にあっていると感じたものを使用してください。

工具の選び方

実技試験用の工具を選ぶ際は、以下の3つのポイントを踏まえて購入してください。

  • 工具を安さで選ばない
  • 中古品を購入しない
  • 自分の実力にあわせて購入する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

選び方①工具を安さで選ばない

第二種電気工事士の時に揃えた工具とあわせて追加で工具を購入する際、安さで選ばないようにしましょう

価格も工具を選択する際に大切な要素ではありますが、それ以上に重要なのが実際の使用感や工具の機能性です。

実技試験では施工速度と正確性が大切なので、自分に適したものを使用して合格を目指す必要があります。

安さで選んだ結果、工具を買い直してしまうのは勿体ありません。

特にストリッパーなどは単体で3,000円~5,000円程度かかるため、価格に対して機能性や使用感が見合っているか確認した上で購入しましょう。

選び方②中古品を購入しない

近年、フリマアプリの普及で中古品を手軽に購入できるようになりました。

ただし、試験用の電気工具を揃える際は、中古品の購入を避けてください。

  • 工具の切れ味が悪い
  • 工具の開閉が堅い
  • 機能性が劣化している

中古品は、上記のようなデメリットが考えられます。

試験本番で工具のトラブルが起きると不安や焦りから不合格につながりやすいです。

施工内容以外でのリスクを減らすため、工具を新たに購入する際は中古品を避けて揃えましょう。

選び方③自分の実力にあわせて購入する

第一種電気工事士の実技試験は、第二種電気工事士と比べて取り扱う電線の種類が増加します。

そのため効率を考えてストリッパーなどの工具を購入するのがおすすめです。

ただ「電工ナイフだけで合格は目指せないの?ストリッパーは必須?」と気になる方もいるかと思います。

結論、電工ナイフだけでも合格を目指すことは可能です。

ただし、練習で被覆を深く剥きすぎて心線を傷つけるなどの失敗を多くしている場合、本番の緊張から力を入れすぎる可能性があります。

そのため、本番に弱い方や少しでも効率を上げて合格の可能性をアップさせたい方はストリッパーなどの購入をご検討ください。

指定工具以外の便利工具は、自分の実力にあわせて購入しましょう。

まとめ

本記事では、第一種電気工事士の出題内容と対策のポイントについて、第二種電気工事士との違いを踏まえて解説しました。

第一種電気工事士は第二種電気工事士よりも試験時間が60分と長い反面、施工内容が複雑化するため、1つ1つの作業内容に第二種よりも高い正確性が求められます。

まずは複線図を素早く書けるように対策した後、施工を通して1つ1つの作業内容の速度と正確性をアップさせましょう。

候補問題の施工回数は第二種電気工事士と同様、2~3周を目安に実践するのがおすすめです。

また、本番の試験に向けて施工の効率をよりアップさせたい、電工ナイフを扱うことによるリスクを少しでも減らしたい方などはストリッパーなど指定工具以外の便利工具の購入をご検討ください。

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