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1級管工事施工管理技術検定試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年4月30日

1級管工事施工管理技術検定試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説

管工事の現場監督や施工管理に携わる方のなかには、管工事施工管理技士をぜひ取得したいという方も多いでしょう。なかでも1級の資格は、どの現場でも施工管理に携われることが強みです。
1級管工事施工管理技士になるためには、1級管工事施工管理技術検定の合格が必要ですが、難しさはどの程度なのでしょうか。
難易度や合格率、合格基準に加えて、どのように学べば合格できるのか確認していきましょう。



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施工管理技術検定の受検資格改定

1級管工事施工管理技士とは?

管工事施工管理技士は、管工事の施工管理を行う資格です。
管工事はインフラに関する重要な仕事であり、以下のように多種多様な工事が挙げられます。

  • 給水、給湯、排水の配管工事
  • 敷地内の上水道・下水道の配管工事
  • 浄化槽の設置工事
  • 冷媒の配管工事
  • 厨房設備工事
  • 空調や冷暖房、換気設備のダクト工事
  • 都市ガスやプロパンガス、LNGなどの配管工事
  • 消火栓やスプリンクラーの設置工事

水道や下水道、ガスや空調など、生活や仕事に欠かせない項目が並んでいます。
管工事は私たちにとって、なくてはならない仕事といえるでしょう。

2級管工事施工管理技士は主任技術者に、1級管工事施工管理技士は主任技術者に加えて監理技術者になれます。
1級管工事施工管理技士をお持ちの方はすべての工事において、責任者として手腕を発揮できることが強みの資格です。

1級管工事施工管理技士資格を取るメリット

1級管工事施工管理技士の資格を取ることで、さまざまなメリットが得られます。
資格を取得した本人と雇用する会社のそれぞれについて、どのようなメリットが得られるか確認していきましょう。

資格を取った本人のメリット

資格を取得した方は、以下のようにさまざまなメリットが得られます。

  • 従事できる仕事の幅が広がる
  • 監理技術者や主任技術者など、責任ある職責を任されやすくなる
  • 社内評価がアップし、収入も上がりやすくなる
  • より良い条件で働ける転職先を選べる

ご自身の市場価値が高まることは、大きなメリットといえるでしょう。
収入のアップは代表的ですが、転職先の選択肢が広がることでより良い労働条件で働ける職場を探せるメリットも見逃せません。

有資格者を雇用する会社のメリット

社内に1級管工事施工管理技士がいることは、会社にとってもメリットがあります。
代表的な項目を、以下に挙げました。

  • 監理技術者が増えるため、大規模な工事も受注できる
  • 営業所専任技術者が増えるため、営業所を増やせる
  • 経営事項審査の「技術力」に1人当たり5点加えられ、公共工事を受注しやすくなる

いずれも、事業運営を左右する重要な項目です。
有資格者を雇用することは、事業を拡大し利益を増やすきっかけとなります。

1級管工事施工管理技術検定の合格率と合格基準

試験の合格率や合格基準は、難易度を知る重要な情報です。
1級管工事施工管理技術検定はどうなのか、確認していきましょう。

第一次検定と第二次検定それぞれの合格率は?

1級管工事施工管理技術検定の合格率は、第一次検定(旧・学科試験)と第二次検定(旧:実地試験)に分けて公表されています。
過去5年間の合格率を、以下の表にまとめました。

年度 第一次検定(旧・学科試験) 第二次検定(旧・実地試験)
令和5年度(2023年度) 37.5% 62.1%
令和4年度(2022年度) 42.9% 57.0%
令和3年度(2021年度) 24.0% 73.3%
令和2年度(2020年度) 35.0% 61.1%
令和元年度(2019年度) 52.1% 52.7%

マークシート方式である第一次検定のほうが、記述式の第二次検定より合格率が低くなっていることに注目してください。
第一次検定は4人に1人程度しか合格しない年もあるため、「マークシート方式だから合格しやすい」と油断してはいけません。
試験日まで計画的に対策して、準備を万全に進めることが重要です。

一方で第二次検定の合格率は、50%~75%で推移しています。
もちろん簡単に合格できる試験ではありませんが、準備をしっかり行えば、合格を十分に狙える試験といえるでしょう。
記述式の試験ですが、難しく考えすぎる必要はありません。

1級の合格基準

1級管工事施工管理技術検定の合格基準は、以下のように定められています。

検定の段階 合格基準
第一次検定 60%(60問中36問以上正解)以上
かつ施工管理法(応用能力)は50%(7問中4問以上正解)以上
第二次検定 60%以上

応用能力に関する合格基準は、令和3年度から追加されました。
全体で60%以上正答していても、応用能力の正答数が3問以下の場合は不合格です。
第一次検定に合格するハードルがアップしたといえるでしょう。

1級管工事施工管理技術検定の難易度

1級管工事施工管理技士になることは、難しいのでしょうか。
ここからは4つの視点から、難易度を確認していきます。

出願資格を満たす難易度

出願資格を満たす難易度の高さが気になる方も、多いのではないでしょうか。
令和6年度から試験制度の変更がありました。これまでとは違った形で、1級管工事施工管理技術検定の受験が可能です。
令和6年度からの受験資格に関して、以下の表をご覧ください。

第一次検定

受験年度における年齢が19歳以上であれば誰でも受験可能

第二次検定

項目 要件 実務経験年数
要件1 令和3年度以降の1級 第一次検定合格者 ・合格後 5年以上の実務経験年数合格後
特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数
・合格後 監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数
要件2 2級第二次検定(旧実地試験含む)に合格した後、1級 第一次検定に合格した者(1級 第一次検定受検予定者を含む) ・2級合格後 5年以上の実務経験年数
2級合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数
要件3 技術士第二次試験合格者(土木施工管理技術検定のみ) ・合格後 5年以上の実務経験年数
・合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数

第二次検定の受験時に実務経験が求められます。
受験自体に実務経験が必要なことからも難易度が高いといえるでしょう。

受験者層から見た難易度

受験者層から見た難易度は、高いといえます。
特に第二次検定の場合、実務経験を積んだ管工事のプロばかりが試験会場に集まります。
合格率が高いからと油断せず、十分に対策することが大切です。
第一次検定に関しても、受験資格がないからと油断してはなりません。
これまでの受験資格では、スキルが高く経験豊富な方しか受験できませんでしたが、50%~75%の不合格者を出しています。

決して難易度が低いわけではないため、試験日まで十分に対策してください。

試験内容からみた難易度

試験内容は、第一次検定はマークシート方式、第二次検定は記述式です。
一見して難しそうに見える第二次検定よりも、マークシート方式である第一次検定の合格率が低いことに注目してください。
第一次検定は全体で6割、施工管理法(応用能力)で5割以上の要件を満たす必要があります。
「選択式だからなんとかなる」と思わず、正しい知識を身につけることが重要です。

一方で、第二次検定は記述式です。一見すると難しそうにみえますが、実務経験を積み試験対策をしっかり行えば、合格は十分に期待できます。
実務経験に基づき記述する設問もあるため、事前の準備をしっかり行うことが合格への近道です。

関連する資格との比較

関連する資格とどちらが難しいかという点を気にした方も、多いのではないでしょうか。
ここでは管工事に関する3つの資格について、管工事施工管理技術検定とどちらが難しいか確認していきましょう。

給水装置工事主任技術者

上水道に続く給水装置に関する資格です。
蛇口や給水栓、湯沸器、ボールタップ、洗浄装置付きの便座などは代表的な給水装置です。

資格は、試験1回の合格により認定されます。
合格率も30%~45%程度と、低くはありません。
むしろ「給水装置工事に関して3年以上の実務の経験を有する者」という、実務経験の要件を満たすほうが難しいでしょう。
この要件さえクリアできれば、管工事施工管理技術検定よりも難易度は低いと考えられます。

配管技能士

配管技能士は、配管工事の実務能力を認定する国家資格です。
1級・2級・3級に分かれており、実技試験が課されることが特徴の資格です。
1級から3級のうち、配管技能士の3級は、管工事施工管理技術検定よりも簡単と考えられます。

1級や2級の配管技能士と管工事施工管理技術検定を比較した場合、どちらが難しいかは人によって変わりますが、実技試験が無いぶん管工事施工管理技士のほうが取り組みやすいという方もいるでしょう。
一方で現場作業が好きな方や器用な方は、配管技能士のほうが簡単という方も多いのではないでしょうか。

建築設備士

建築設備士と管工事施工管理技士は、どちらも設備に関する資格です。
一方で関連する業務内容は、大きく異なります。
建築設備士は設計業務に関連する一方で、管工事施工管理技士は施工業務に関連する資格です。

どちらの資格も実務経験を要し、2段階の試験合格で認定されます。
建築設備士の合格率は、第一次・第二次を合計すると20%を下回ります。
管工事施工管理技士よりも難しい試験といえるでしょう。
但し製図や設計業務が得意な方は、建築設備士のほうが取り組みやすく感じる方もいるかもしれません。

1級管工事施工管理技技術検定の学習時間と学習方法

ここまで解説したとおり、1級管工事施工管理技士は正しい準備を行えば十分に合格できる資格です。
では、1級管工事施工管理技術検定の合格に必要な勉強時間や勉強方法はどのようなものなのでしょうか。
詳しく確認していきましょう。

合格に必要な学習時間は?

試験の合格に必要な学習時間は、以下のとおりとされています。

  • 第一次検定:50時間~90時間
  • 第二次検定:80時間~120時間

1級管工事施工管理技術検定の合格に必要な勉強時間は、お持ちのスキルなどによって異なります。
初めて試験にチャレンジする方は、学習時間を長めに確保しておくとよいでしょう。
直前にまとめて学習時間を確保せず、早い段階から少しずつ、コツコツと学ぶことをおすすめします。

ニーズに応じた学習方法を選べる

1級管工事施工管理技術検定の合格を目指す学習方法は、大きく以下の3つに分かれます。

  • 参考書を使った独学
  • 通信講座の受講
  • 対面で講義を受ける

ニーズに応じて最適な学習方法を選べることに、メリットを感じる方も多いでしょう。
日本建設情報センターでは3つの方法すべてに対応し、教材や講座をご用意しています。
それぞれの特徴を、順に確認していきましょう。

参考書を使った独学

管工事の第一線で活躍されている技術者は忙しい方も多く、参考書を使った独学がポピュラーな学習方法の一つとなっています。
数千円程度の費用を払えば、専門家が監修した教材を手にでき効率的に学べます。
一方でペースメーカーがないため、計画性と強い意志が求められることに注意が必要です。

日本建設情報センターでは、第一次検定のテキストを発売しています。
第二次検定のテキスト&問題集は、2024年9月の発売予定です。

通信講座の受講

管工事施工管理技術検定の学習には、通信講座もおすすめです。
参考書だけを使った学習では得られない、以下のメリットがあります。

  • わかりやすく解説した動画教材を、都合の良いタイミングで何度でも視聴できる
  • 第一次検定の模擬試験で力試しができる
  • 第二次検定で問われる、施工経験の添削を受けられる

日本建設情報センターの通信講座であれば、上記の項目がすべて含まれます。
動画教材はWebとDVDの2種類を用意していますので、インターネット環境が不安定でも安心して受講可能です。
講座は第一次検定と第二次検定に分かれていますので、「添削を受けたいので第二次検定だけ」など、ご希望にあわせた活用も可能です。

対面で講義を受ける

皆さまのなかには、「対面での講義が一番身につく」という方もいるのではないでしょうか。
現地に出向き講義を受けることには、以下のメリットがあります。

  • 短期間で必要な知識を得られる
  • 資格を目指す方ばかりが会場に集まるため、良い緊張感をもって学べる
  • 不明な点は講師に質問できる

勉強をせざるを得ない環境で学べること、疑問点を速やかに解決できることは、大きなメリットといえるでしょう。

日本建設情報センターでは第一次検定・第二次検定それぞれについて、2~3日間の通学コースを用意しています。
合格に特化した講義と関連する過去問題の解説に加えて、3日間コースでは問題演習も多く行います。
会場には定員がありますので、受講をご希望の方は早めにお申し込みください。

適切な教材でしっかり学び、資格を手にして活躍しよう

1級管工事施工管理技術検定試験は、難関ではありません。
しっかり対策を行い十分な学習を進めることで、合格し資格を手にでき職場で活躍できます。
勉強時間の確保は重要ですが、限られた時間で効率的に学ぶ教材の選択も欠かせません。

日本建設情報センターでは、試験の合格に的を絞った教材を提供しています。
合格に向けて、最短距離で突き進めることでしょう。独学、通信講座、通学のなかからご自身に合った方法を選び、活用してみてはいかがでしょうか。


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