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施工管理技士とは?資格7種類と難易度、受験資格まで解説!

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年3月21日

施工管理技士とは?資格7種類と難易度、受験資格まで解説!


建築施工管理技士コラム08

「施工管理技士の種類ってどんなものがあるの?」
「施工管理技士の資格取得のメリットや難易度を知りたい」

とお考えではないですか?

施工管理技士には7種類の資格があり、それぞれ2級と1級があるのが特徴です。
試験に合格することで資格を取得できます。

資格の受験に必要な実務経験などは、資格によって異なるため事前に情報を確認しておきましょう。

本記事では、施工管理技士の資格取得について解説します。
施工管理で必要とされる能力や資格を取得することで得られるメリット、施工管理技士の資格7種類と難易度もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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施工管理技術検定の受検資格改定

施工管理技士とは国家資格の一つ

「施工管理技士」とは、建設業法で定められた国家試験の一つです。
また、「施工管理技士」は2級と1級があり、2級は一般建設業の営業所の専任の技術者や各現場に配置される主任技術者になれます。
一方で、1級は2級の対象範囲に加え、特定建設業の営業所の専任の技術者や各現場に配置される監理技術者になれるという違いがあります。

施工管理で必要な5つの能力とは

施工管理で必要とされる能力は、以下の5つです。

  1. 工程管理
  2. 原価管理
  3. 安全管理
  4. 品質管理
  5. 環境管理

それぞれの能力を詳しく押さえていきましょう。

1.工程管理

必要とされる1つ目の能力は、「工程管理能力」です。
建設工事の着工から竣工までの期間である「工期」の期間内に、工事を完了させるためにスケジュール調整を行う必要があります。

建築物の工事を行う際には発注者側と受注者側で建築の契約が交わされ、その中で「工期」が設けられます。
工期の期間内に建築物を完成させるために、工事に携わるさまざまな作業員のことを踏まえたうえで、効率良くすることを念頭に、工事の作業工程の日程調整を行わなければいけません。

2.原価管理

必要とされる2つ目の能力は、「原価管理能力」です。
計画に基づいて作成された「実行予算」と実際の工事にかかる「原価」の金額を計算し、利益が出せるように管理を行う必要があります。
材料費や人件費などの原価が高額になる場合、施工計画の見直しや下請の事業者の調整を行い、利益が出せるよう実行予算と原価を計算しなければいけません。

3.安全管理

必要とされる3つ目の能力は、「安全管理能力」です。
安全な状況で工事作業を行えるように環境を整備し、事故が生じないよう管理する必要があります。
また、安全対策の一環として、下請の事業者や作業員に対し、点検や確認、準備を毎日行うよう指示したほうがいいでしょう。
なお、安全な作業環境を実現する代表的な取り組みは以下の3つです。

  • 「ヒヤリハット運動」:作業中に遭遇した事故が起きそうな状況にヒヤリとしたり、ハットしたりしたことを記録し、作業員全員で原因を考え、事故を防止する
  • 「危険予知活動」:潜んでいる危険を作業員全員で話し合い、危険のポイントについて情報を共有する
  • 5S運動」:整理・整頓・清掃・清潔・躾を整える

4.品質管理

必要とされる4つ目の能力は、「品質管理能力」です。
発注者側が求める品質の建設対象物が完成するよう、品質を管理する必要があります。
建築物が設計図書の寸法と同じサイズで造られているか、仕様書の材質や強度・機能が備えられているかなどを点検・確認しなければいけません。
また、評価対象ごとに定められた基準で確認を行うことで品質を確保し、施工中に建築物の写真を撮影し記録を作成することで品質保持を証明できます。

5.環境管理

必要とされる5つ目の能力は、「環境管理能力」です。
建築物の工事によって周辺環境に与える影響を踏まえて対策を講じ、工事で排出される産業廃棄物を管理する必要があります。
工事の計画段階から、工事によって生じる資材の飛散や河川や地下水への水質汚染の防止策を考え、工事現場の騒音や振動に対し何らかの措置をとらなければいけません。

資格を取得する5つのメリットとは

さまざまな能力が必要とされる施行管理ですが、施工管理技士の資格を取得することでメリットも生じます。
代表的なメリットは以下の5つです。

  1. 給与がアップする
  2. 「監理技術者」や「主任技術者」になれる
  3. 「専任の技術者」になれる
  4. 経営事項審査で加算される
  5. キャリアアップしやすくなる

ここからは、各メリットについて詳しく解説します。

1.給与がアップする

取得した資格の種類や就職した企業によっては、資格手当として毎月の基本給が上昇したり、一時的な奨励金が支払われたりなど、全体的な給与アップが見込めます。
また、一つの資格取得に対する給与アップの具体的な金額例としては、毎月の基本給であれば「5,000円~1万円程度」上昇し、一時的な奨励金であれば「10万円程度」支払われる場合もあります。
企業によっては給与アップの対象となる資格の種類や金額が異なるため、インターネットや知人からの口コミなどであらかじめ調べておくのがおすすめです。

2.「監理技術者」や「主任技術者」になれる

「監理技術者」や「主任技術者」の配置は建設現場によっては必要とされることが多くなっています。
「監理技術者」は1級施工管理技士、「主任技術者」は2級施工管理技士の資格保有者が該当します。
「監理技術者」は、直接発注された工事を行うために、4,500万円(建築一式は7,000万円)以上で他の建設業と締結する下請契約を交わす場合は、特定建設業の許可とあわせて配置が必要とされています。
また、「主任技術者」は、建設業の許可を受けて工事を行う場合に現場での配置が必要とされています。
監理技術者のケースのように、直接工事の発注を請けているか否かや、請負金額などの基準はありません。
施工管理技士の資格を保有していると、幅広い現場で活躍することができるでしょう。

3.「専任の技術者」になれる

一般建設業や特定建設業の営業許可を受ける場合、「専任の技術者」の配置が必要とされています。
一般建設業は1級または2級施工管理技士、特定建設業は1級施工管理技士の資格保有者が該当します。

また、一般建設業とは、直接発注を受けた工事が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)未満で他の建設業と締結する下請契約を交わす場合や自社で工事から施工まですべて行う場合、下請けとして工事を請ける場合のことを指します。
一方、特定建設業は、直接発注を受けた工事が4,500万円(建築一式は7,000万円)以上で他の建設業と締結する下請契約を交わす場合が該当します。

4.経営事項審査で加算される

公共工事を受注するために、公共工事の入札時の企業審査である経営事項審査を通過する必要があります。
審査対象は企業規模や経営状況だけでなく、国家資格を保有する技術者の人数も該当し、1級施工管理技士保有者がいると5点、2級施工管理技士保有者がいると2点が加算されます。
施工管理技士の資格取得は、労働者を雇用する企業側にとってもメリットが大きいと言えるでしょう。

5.キャリアアップしやすくなる

施工管理技士の資格保有者は、直接・間接発注された工事や幅広い請負金額の工事で必要なため、企業側から求められる存在です。
また、現在、所属している企業で工事の請負金額に関係なく工事を担当し実績を積み、工事現場で監理技術者などの重要な役割を経験できるため、施工管理技士の資格取得は転職にも有利な経歴につながるでしょう。

7種類の施工管理技士の資格と難易度

さまざまなメリットがある施工管理技士の資格は全部で7種類で、それぞれ1級と2級のレベルが存在し、以下、14段階に分かれています。
2級よりも1級保有者のほうが担当できるポジションの範囲が幅広く、取得難易度も高いとされています。
※難易度は近年の合格率から算出したものです。

資格名 難易度順位
1級建築施工管理技士 3位
2級建築施工管理技士 2位
1級土木施工管理技士 5位
2級土木施工管理技士 11位
1級電気工事施工管理技士 13位
2級電気工事施工管理技士 12位
1級管工事施工管理技 9位
2級管工事施工管理技士 8位
1級造園施工管理技士 1位
2級造園施工管理技士 7位
1級建設機械施工技士 6位
2級建設機械施工技士 14位
1級電気通信工事施工管理技士 4位
2級電気通信工事施工管理技士 10位

また、一つの資格試験につき第一次検定と第二次検定があり、受ける資格の種類や級、自身の学歴によって受験資格が異なります。
マークシート形式や記述形式などの受験形式と一緒に受験前に必ず確認しておきましょう。

どの資格も基本的には、2級の第一次検定は満17歳、第二次検定は必要な実務経験年数を積んでいれば受験可能です。
なお、厚生労働省が認定している技能検定合格者は、要件となっている資格を保有し必要な実務経験年数を積んでいれば試験が受けられます
そして、1級は必要な実務経験年数を満たしていれば受験できますが、学歴によって必要な年数が異なる場合が多いため注意しましょう。
保有している資格によって免除となる検定もあるため、あらかじめ調べておくのがいいでしょう。

ここからは、それぞれの資格の概要を解説します。

1.建築施工管理技士とは

建築施工管理技士とは、マンションや住宅、商業施設やオフィスビルなどの建物の建築工事に関連する資格で、試験は一般財団法人建設業振興基金が行っています。
仕事内容は、いくつもの専門的な工事が組み合わされている建設工事を総合的に管理し、現場を監督することです。

2.土木施工管理技士とは

土木施工管理技士とは、道路や橋、水道や河川、トンネルなどの私たちの生活や産業活動の基盤となるインフラ関連の土木工事に必要な資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
仕事内容は、土木工事の施工計画の策定や現場管理で、保有する級によって特定分野の責任者として業務を担当することが可能です。

3.電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士とは、照明設備や送電設備などの幅広い種類の電気工事の資格で、一般財団法人建設業振興基金が試験を行っています。
仕事内容は、発電設備工事や変電設備工事、非常用の電源設備工事など電気に関する工事で、保有している級が高いほど大きい工事の責任者として業務を担えます。

4.管工事施工管理技士とは

管工事施工管理技士とは、ガス配管設備やポンプ、空調設備などの配管工事に必要な資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
仕事内容は、建築設備である給排水配管や空調機器、浄化槽などの工事で、資格の保有によって一般建設業や特定建設業の「専任技術者」や「主任技術者」を務めることが可能です。

5.造園施工管理技士とは

造園施工管理技士とは、学校や公園、道路などの造園工事の資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
仕事内容は、実際に庭・公園・遊園地などを造る作業者を総合的に管理することで、資格の保有によって一般建設業や特定建設業の「専任技術者」や「主任技術者」を務めることが可能です。

6.建設機械施工技士とは

建設機械施工技士とは、さまざまな建設機械を使う工事に必要な資格で、一般社団法人日本建設機械施工協会が試験を行っています。
具体的な仕事内容は、建設機械を使う工事の計画作成や現場の工程管理や安全管理などで、資格を保有することにより「専任技術者」や「主任技術者」を務められます。

7.電気通信工事施工管理技士とは

電気通信工事施工管理技士とは、インターネットや携帯電話回線などの通信関連の工事の資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
具体的な仕事内容は、基地局設置やLANの新設、電波障害の調査などの工事で、保有する級によって「専任技術者」や「主任技術者」を務められます。

まとめ:メリットが多い施工管理技士の資格を取得しよう

本記事では、施工管理技士の資格取得について、施工管理で必要とされる能力や資格を取得することで得られるメリット、施工管理技士の資格7種類と難易度をご紹介しました。

ポイントをおさらいしておきましょう。

  • 施工管理には5つの管理能力が必要とされる
  • 施工管理には5つのメリットがある
  • 施工管理技士の資格取得によってキャリアアップしやすくなる
  • 施工管理技士の資格は7種類ある
  • 施工管理技士の受験資格には実務経験が必要な場合がある
  • 受験に必要な実務経験年数は学歴によって異なる
  • 指定された試験に過去に通過したことがある場合は一部免除されることがある

施工管理技士の資格試験は、2級・1級ともに簡単に合格できる試験ではありません。
試験日まで効率のよい勉強を継続する必要があります。

ただし、社会人の方であれば勉強のモチベーションが保てないことがあるかもしれません。
その際は、一日少しずつ勉強を進めたり、日常の習慣を見直し勉強の時間を確保したりして、徐々に生活に勉強を溶け込ませてください。

CICでは、施工管理技士の勉強効率を高められる講座も用意しておりますので、より質の良い勉強を実現したい方は、ぜひご検討ください。


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