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管工事施工管理技士の年収は高い?仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年1月12日

管工事施工管理技士の年収は高い?仕事でできることや将来性、年収アップの方法まで徹底解説!


管工事施工管理技士コラム05

「管工事施工管理技士になりたいが、年収はどうなるのか気になる」
このような悩みをお持ちの方も、多いのではないでしょうか。
働く上で、年収は重要な項目です。
また資格を持つとどのような仕事ができるのか、資格の将来性はどうなのかも気になるポイントといえるでしょう。

この記事では管工事施工管理技士の年収を中心に、資格を取得したら何ができるか、将来性や年収をアップする方法も含めて解説します。
管工事施工管理技士の取得を検討している方は、ぜひお読みください。


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施工管理技術検定の受検資格改定

管工事施工管理技士の年収は平均501万円

「求人ボックス 給料ナビ」が2023年5月8日に公表したデータによると、正社員で働く管工事施工管理技士の年収は以下のとおりとなっています。

項目 金額
平均年収 501万円
ボリュームゾーン 436万円~516万円
全体の給与幅 356万円~997万円

分布を見ると、平均年収の501万円を下回る方も多い一方で、500万円台から600万円台の年収を得ている方も多数います。
努力と成果しだいで、高い年収を得られる資格です。

年収は、経験の有無によって変わります。新卒の方の平均年収は418万円であり、管工事施工管理技士全体の年収と比べて17%少なくなっています。
一方でシニアの方の年収は663万円と高く、高齢の方でも高い年収が期待できる資格です。

派遣社員の平均時給は1,401円です。またアルバイトやパートで働く方の平均時給は1,103円であり、東京都の最低賃金に近い水準にとどまります。
正社員と派遣社員、アルバイトやパートには給与の差があるため、努力して経験を積めば収入アップが期待できる職種といえるでしょう。

管工事施工 管理技士の仕事でできること

管工事施工管理技士は、配管に関する工事の管理者になれる資格です。
工事現場に置くことが定められている主任技術者は、代表的です。
加えて下請け企業に発注する仕事の合計額が4,500万円以上となる場合は、1級の資格を持つ方なら監理技術者になれます。

配管の種類は、以下のとおり数多くあります。

  • 空調のダクト
  • ガスの配管
  • 給水、温水、排水の配管
  • 冷蔵庫や冷凍庫、空調機器に通す配管(冷媒など)

これらの配管工事を円滑に行うためには、さまざまな項目を管理しなければなりません。
管工事施工管理技士は工程や品質、安全、コストを管理し、必要な指示を出す役割を担います。
工事現場全体を動かす役割ですから責任が重く、仕事もハードになりがちですが、やりがいも大きいでしょう。

なお管工事施工管理技士ができる仕事の詳細は、以下の記事をご参照ください。

管工事施工管理技士の年収は高い?低い?

管工事施工管理技士の年収は、高いのでしょうか。
ここでは社会人全般および関連する業種や資格と比較し、年収が高いか低いかを考えていきます。
なお職種どうしの比較には、「求人ボックス 給料ナビ」2023年5月8日現在のデータを使用しました。

社会人全般との比較

501万円という正社員の平均年収額は、社会人全体で見るとやや高めです。
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均給与は443万円でした。平均と比べて年間で58万円、13%ほど高い収入を得ていることになります。

そもそも施工管理職は一般的な作業員を指揮・監督し、現場を管理する職種です
このような点が、年収を上げている主な要因と考えられます

施工管理職全体との比較

「求人ボックス 給料ナビ」では、施工管理職の年収や給与データも公表しています。
正社員について、管工事施工管理技士の金額と比較してみました。

項目 施工管理職の年収 管工事施工管理技士の年収
平均年収 456万円 501万円
ボリュームゾーン 350万円~440万円 436万円~516万円
全体の給与幅 350万円~1,074万円 356万円~997万円

同じ施工管理職でも、資格を持つ方はそうでない方と比べて10%ほど高い年収が期待できます。
ボリュームゾーンが75万円~85万円前後も高いほうにスライドしていることは、注目しておきたいポイントです。

派遣社員やアルバイト・パートの時給も比較してみました。

雇用形態 施工管理職の時給 管工事施工管理技士の時給
派遣社員 1,767円 1,401円
アルバイト・パート 1.022円 1,103円

派遣社員の場合、管工事施工管理技士の資格があるからといって時給が高くなるとは限りません。
一方でアルバイトやパートの場合は、多少なりとも資格を持つ方のほうが高い時給となっています。

建設作業員との比較

工事には、建設作業員の存在が欠かせません。
ここでは正社員で働く建設作業員の年収と、管工事施工管理技士を比較していきましょう。

項目 建設作業員の年収 管工事施工管理技士の年収
平均年収 410万円 501万円
ボリュームゾーン 385万円~429万円 436万円~516万円
全体の給与幅 295万円~653万円 356万円~997万円

管工事施工管理技士は建設作業員と比べて、平均年収は22%ほど高くなっています。
また管工事施工管理技士のボリュームゾーンは、建設作業員よりも高額です。
「現場を管理する」という責任が加わることは、管工事施工管理技士の年収が大幅にアップする一つの理由です。
全体の給与幅の上限額が大きくアップしていることにも注目してください。

一方で派遣社員やアルバイト・パートの場合は、時給に大きな違いはみられません。

雇用形態 建設作業員の時給 管工事施工管理技士の時給
派遣社員 1,350円 1,401円
アルバイト・パート 1.099円 1,103円


建設コンサルタントとの比較

建設業界には現場で働く方のほかにも、さまざまな職種があります。
一つの例として、建設コンサルタントの収入と比較してみましょう。
まずは正社員の年収をみていきます。

項目 建設コンサルタントの年収 管工事施工管理技士の年収
平均年収 498万円 501万円
ボリュームゾーン 494万円~553万円 436万円~516万円
全体の給与幅 317万円~789万円 356万円~997万円

ボリュームゾーンは建設コンサルタントのほうがやや高めですが、全体の給与幅は管工事施工管理技士のほうが10%以上高いです。
管工事施工管理技士は、建設コンサルタントより高い年収を得られる可能性もおおいにあります。

続いて、派遣社員やアルバイト・パートの時給を比較していきましょう。

雇用形態 建設コンサルタントの時給 管工事施工管理技士の時給
派遣社員 1,570円 1,401円
アルバイト・パート 1.045円 1,103円

派遣社員で雇用される方の時給は、建設コンサルタントのほうが12%ほど高くなっています。
一方でアルバイトやパートの場合は、管工事施工管理技士のほうが高いです。

ビルメンテナンス職との比較

配管に関する職業には、竣工し使用開始した後の維持管理を担うビルメンテナンス職も挙げられます。
管工事施工管理技士はビルメンテナンス職と比べて、平均年収は4割ほど高くなっています。
毎年150万円近い差は、大きな違いといえるでしょう。

項目 ビルメンテナンス職の年収 管工事施工管理技士の年収
平均年収 354万円 501万円

派遣社員やアルバイト・パートの時給も、管工事施工管理技士のほうが100円以上高くなっています。

雇用形態 ビルメンテナンス職の時給 管工事施工管理技士の時
派遣社員 1,298円 1,401円
アルバイト・パート 982円 1,103円


管工事施工管理技士の資格を取得するメリット

管工事施工管理技士の資格を取得することで、資格を取得した本人はもちろん、企業にもさまざまなメリットが得られます。
取得するメリットが確実に得られる資格ですから、ぜひ合格したいと思う方や、合格者を増やしたいと思う企業も多いでしょう。
どのようなメリットが得られるのか、立場ごとに解説します。

資格取得者が得られるメリット

管工事施工管理技士の資格を持つ方は、以下のメリットが得られます。

  • より責任の重い仕事を任され、高いレベルの業務経験を積むチャンスを得られる
  • 資格手当や昇給など、収入のアップが期待できる
  • 応募できる企業の数が増え、より良い転職先を見つけやすくなる
  • 他の資格を取得しやすくなる

社内でキャリアを積む場合も転職してキャリアアップを目指す場合でも、より高いレベルの仕事に就けるチャンスが得られることは大きなメリットといえるでしょう。
社内でステップアップすることは、良い選択肢の一つです。
もし社内で資格を活かせない場合でも転職してスキルを活かせることは、管工事施工管理技士のメリットに挙げられます。

資格を取得した方は資格手当の支給や評価のアップなど、会社から何らかの形でプラスの処遇がなされることでしょう。
収入のアップにつながることも、見逃せないメリットです。

他の資格を取得しやすくなることも、メリットに挙げられます。
例えば給水装置工事主任技術者試験を受験する場合は、8つの科目のうち2つが免除されます。
学習すべき範囲を絞れるため、合格に近づくことでしょう。

企業が得られるメリット

管工事施工管理技士の資格を持つ方が増えることは、企業にとってもメリットがあります。
なぜなら管工事の事業運営には、以下の制約があるためです。

  • 工事現場には、主任技術者または監理技術者を置く必要がある
  • 営業所には、専任の技術者を置く必要がある

資格を持つ方が1人増えれば、営業所を1箇所増やすことが可能です。
自社で担当できる工事現場も増やせるでしょう。
売上やカバーするエリアが増えるわけですから、会社にとっては大きなメリットがあります。

加えて、公共工事の受注に有利となることも見逃せません。
公共工事の受注には経営事項審査があり、管工事施工管理技士の人数はこのなかの「技術職員数」に関係します。
1級の方は1人当たり5点、2級の方は1人当たり2点と大きくはありませんが、まとまった人数を社内に抱えている場合は大きなアドバンテージとなるでしょう。

管工事施工管理技士の今後の需要と将来性

管工事施工管理技士は、今後ますます需要が増大することが見込まれます。
将来性の高い資格といえるでしょう。
主な理由を、以下に挙げました。

  • 配管工事の受注額は、2010年度以降増加基調にある
  • ベテランの技術者も多く、退職による減少分を埋める必要がある

工事は増える一方で、技術者は減っていくという状況に対処する必要があります。
施工管理技士は経験を積まないと受験すらできない資格ですから、高齢の技術者が退職する影響は作業員よりも大きくなるでしょう。

現在は都市部を中心に、大小さまざまな建築工事が行われています。
どの建物にも、管工事は必須です。
建築に欠かせない人材として、管工事施工管理技士は求められ続けることでしょう。

管工事施工管理技士で年収を上げる方法

管工事施工管理技士を取得し年収を上げる方法は、大きく3つに分かれます。
どのように活用すれば効果的か、ケース別に確認していきましょう。

今の会社で資格を活かす

会社に在籍したまま管工事施工管理技士の資格を活かす方法は、年収を上げる最もオーソドックスな選択肢です。
資格の取得と実務能力の向上を行うことで社内評価が上がり、年収のアップも期待できます。

まずは施工管理を担当できる部署に配属されることから始まります。
実務経験を積んだうえで、2級を取得することが第一の目標となるでしょう。
その後はさらに実務経験を重ね、経験や社内評価を上げながら1級の取得も目指すことになります。

資格を活かして給与の高い企業に転職する

あなたが高いスキルを持っているからといって、常にスキルに見合った給与を受け取れるとは限りません。
会社が持つお金には限りがありますから、財務基盤の弱い企業で働く方はどうしても給与が抑えられがちになってしまいます。

このような状況を打開するため、より高い給与を支払う企業に転職することは主な選択肢の一つです。
管工事施工管理技士は不足しているため、実力さえあればより良い条件で転職できる可能性もおおいにあります。

他の資格と組み合わせて年収アップを狙う

管工事に関する資格は、それぞれカバーする範囲や業務内容が異なります。
他の資格と組み合わせることで高いスキルを証明でき、年収のアップにつなげることが可能です。
代表的な資格を、以下に挙げました。

資格名 資格の概要
給水装置工事主任技術者 給水装置工事の管理・監督や、給水装置の適合性を確認する
配管技能士 配管工事の技能を認定する
消防設備士 消防設備の工事や点検、整備を行える
建築設備士 建築設備について、建築士に助言を行える
一級建築士、二級建築士 建築物の設計や工事監理を行える

仕事に活かせる資格は、職場により異なります。
目指すキャリアプランも含めて検討し、資格を選ぶとよいでしょう。


資格の取得で年収が上昇。実力によりさらなるアップも期待できる

管工事施工管理技士の資格を取得することで、ある程度の年収アップが見込めます。
実力をあげれば、さらなる昇給も期待できるでしょう。
有資格者の不足が懸念されており、建築する物件がある限りなくならない仕事ですから、資格の価値が下がるリスクも低いことはメリットに挙げられます。

資格を取った後の仕事は、大変になる場合もあるかもしれません。
しかしそのぶん、やりがいと高い給与、ご自身の市場価値の向上という、さまざまなメリットを得られることでしょう。
より多くの人に求められる人材になるためにも、取得を目指してみてはいかがでしょうか。


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