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【2023年版】1級管工事施工管理技士試験の受験資格は?必要な実務経験の年数や免除の条件も徹底解説

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年4月8日

【2023年版】1級管工事施工管理技士試験の受験資格は?必要な実務経験の年数や免除の条件も徹底解説

管工事は、私たちのインフラを支える重要な工事です。その施工管理を担う管工事施工管理技士には、1級と2級があり、それぞれ可能な業務の範囲が異なります。
1級の受験には、どのような条件をクリアする必要があるのでしょうか。
この記事では、1級管工事施工管理技士試験(1級管工事施工管理技術検定)について、実務経験年数などの受験資格を中心に解説します。
免除条件も含めて細かい規定があるため、よく確認して少しでも有利な条件で出願できるように努めましょう。


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施工管理技術検定の受検資格改定

1級管工事施工管理技士とは?

管工事は、建物を建てる際に必須となる工事です。

以下のように、私たちの生活や事業に欠かせない設備に関わっています。

  • 冷暖房に代表される空調設備
  • 換気設備や排煙設備
  • 消火栓やスプリンクラーなどの消火設備
  • 給水や給湯、下水に関する設備
  • 冷凍庫や冷蔵庫
  • 厨房設備
  • ガス管の配管

多くの工事では主任技術者がいれば可能ですが、金額が大きく下請企業への発注額が大きい工事では監理技術者が必要です。

1級管工事施工管理技士を持つ方は監理技術者になれるため、規模や契約金額を問わず施工管理の責任者として活躍できます。

1級管工事施工管理技士の受験資格

1級管工事施工管理技士の試験は、受験資格が設けられています。

ここでは5つのケースに分けて、どのような要件を満たせばよいか確認していきましょう。

必要な実務経験年数は学歴により異なる

出願の際に求められる実務経験の年数は、学歴によって大きく変わります。

以下の表で確認していきましょう。

学歴 指定学科卒業者 指定学科以外の卒業者
大学卒業
専門学校を卒業した高度専門士
3年以上 4年6カ月以上
短大または高専を卒業
専門学校を卒業した専門士
5年以上 7年6カ月以上
高校または中等教育学校を卒業
専修学校の専門課程を卒業
10年以上 11年6カ月以上

代表的な指定学科には、以下のものが挙げられます。

  • 土木工学科
  • 都市工学科
  • 衛生工学科
  • 電気工学科
  • 電気通信工学科
  • 機械工学科
  • 建築学科

詳しい学科名については、全国建設研修センターの公式サイトでお確かめください。

なお実務経験が15年以上の方は、学歴を問わず出願できます。

どの学歴の方も、出願する際には指導監督的実務経験が1年以上含まれていなければなりません。

2級管工事施工管理技士をお持ちの場合

2級管工事施工管理技術検定に合格した方は、第一次検定に出願できます。

また合格後5年以上の実務経験があれば、第二次検定にも出願できます。

学歴は問われません。

合格後の実務経験が5年に満たない場合でも、実務経験年数が1年短くなる場合があります。

例えば高校の電気工学科を卒業した方で2級をお持ちの場合は、実務経験年数が9年となるわけです。

いずれの場合も、指導監督的実務経験が1年以上必要です。

大学卒業の方、高度専門士の方は、学歴の要件で出願するほうが有利となるでしょう。

専任の主任技術者の経験が1年以上ある場合

専任の主任技術者の経験を1年以上お持ちの方は、2級管工事施工管理技士に合格しているかどうかにより実務経験年数が分かれます。

2級管工事施工管理技士をお持ちの方

すでに2級管工事施工管理技術検定に合格している方は、合格後3年以上の実務経験があれば第一次検定・第二次検定ともに出願できます。

学歴は問われません。

合格後の実務経験が3年に満たない場合でも、必要な実務経験年数が短縮されます。

以下の表でご確認ください。

なお大学卒業の方、高度専門士の方、短大や高専の指定学科を卒業した方には優遇がありません。

学歴 指定学科卒業者 指定学科以外の卒業者
短大または高専を卒業
専門学校を卒業した専門士
5年以上 7年以上
高校または中等教育学校を卒業
専修学校の専門課程を卒業
7年以上 8年6カ月以上

中卒や高校中退など「その他」に該当する方は、必要な実務経験年数が12年以上と短くなります。

2級管工事施工管理技士を持っていない方

高卒や中卒など、実務経験年数が8年以上の方には優遇があります。

以下の表で、高卒や中等教育学校、専修学校の専門課程を卒業した方に求められる実務経験年数をご確認ください。

資格 指定学科卒業 指定学科以外を卒業
2級配管技能検定 8年以上 9年6カ月以上
給水装置工事主任技術者 8年以上 9年6カ月以上
上記以外、または資格なし 8年以上 11年以上

中学校や高校中退などの場合は、実務経験が13年以上あれば出願できます。

専任の監理技術者の指導のもとにおける2年以上の実務経験がある場合

この要件は、ご自身が2級管工事施工管理技術検定に合格しているかどうかにより変わります。

それぞれの要件を確認していきましょう。

2級管工事施工管理技士をお持ちの方

2級管工事施工管理技術検定に合格した方は、合格後3年以上の実務経験で出願できます。

学歴は問われません。

また指導監督的実務経験を1年以上含んでいなければなりません。

2級管工事施工管理技士を持っていない方

学歴が高校、中等教育学校、専修学校の専門課程のいずれかである場合は、実務経験年数の優遇が受けられます。

対象は、以下の要件をすべて満たした方です。

  • 指定学科を卒業した後、8年以上の実務経験を積んでいること
  • 5年以上の実務経験を積んだ後、監理技術者の指導を2年以上受けていること
  • 指導監督的実務経験を1年以上積んでいること

1つでも満たさない場合は、他の要件で受験資格を得なければなりません。

1級の配管の技能検定に合格した方

技能検定の1級の配管(建築配管作業)に合格した方は、以下の要件を満たすことで出願できます。

  • 10年以上の実務経験
  • 実務経験には、1年以上の指導監督的実務経験を含む

中卒や高校中退の方は15年以上の実務経験が必要ですが、技能検定の1級の配管(建築配管作業)に合格することで実務経験の年数を5年短くできます。

実務経験を証明する方法

初めて1級管工事施工管理技士に出願する方は、申込書類の一つ「実務経験証明書」に実務経験を記入してください。

専任の主任技術者の経験をお持ちの方は「専任の主任技術者実務経験証明書」、専任の監理技術者による指導を受けたという要件で出願したい方は「専任の監理技術者の指導のもとにおける2年以上の実務経験証明書」への記入も必要です。

いずれの書類も記入を済ませた後、お勤めの会社による証明を受けなければなりません。

申込締切日に間に合うよう、余裕をもって証明を依頼しましょう。

ここでは5つのケースに分けて、どのように記入すべきか、また誰に証明を依頼すればよいか解説します。

受験資格として有効な実務経験はなにか?

管工事の施工管理として認められる実務経験には、以下のとおりさまざまなものが指定されています。

  • 冷暖房設備工事
  • 冷凍冷蔵設備工事
  • 空気調和設備工事
  • 換気設備工事
  • 給排水・給湯設備工事
  • 厨房設備工事
  • 衛生器具設備工事
  • 浄化槽設備工事
  • ガス管配管設備工事
  • 管内更生工事(給水管や排水管のライニング更生工事)
  • 消火設備工事(消火栓やスプリンクラー、不活性ガス消火設備工事など)
  • 上水道配管工事
  • 下水道配管工事

上記の工事において、施工管理や施工監督、設計監理業務に携わった期間を実務経験年数に含めることが可能です。

一方で単なる作業員や事務、営業、設計、保守点検、メンテナンス業務は、実務経験に含まれません。

配管工の業務は実務経験に含まれますが、指導監督的実務経験に含めることはできません。

失業中の方は前職で証明を受ける

現在失業している方は、前職で証明を受ける必要があります。

もし前職での仕事が管工事と関係ない場合は、実務経験証明書に記載した直近の勤務先に証明を依頼してください。

離職の経緯によってはおっくうに感じるかもしれませんが、勇気を持って依頼してみましょう。

場合によっては倒産などの理由で、会社の証明を受けられない場合もあります。

この場合は、早めに全国建設研修センターに相談してください。

派遣会社に所属する方は誰に証明を受ければよい?

あなたが派遣会社に所属している場合、証明を受けるべき会社は1つと限らないことに注意が必要です。

以下の表でご確認ください。

派遣会社 証明を受ける会社
建設業許可を取得済み 派遣会社のみ
建設業許可がない 派遣会社と派遣先の会社の両方

また出願には、以下の事項を確認できる書類も必要です。

  • 派遣者氏名
  • 派遣期間
  • 派遣元
  • 派遣先

職業訓練の受講履歴がある場合の書き方

管工事に関係する職業訓練を修了した方は、実務経験年数に訓練期間を算入できます。

以下の要件があることに注意してください。

  • 指定学科一覧に掲載されている訓練校、訓練課程、訓練科を修了していること
  • 職業訓練は1つのみ、期間は実務経験年数の3分の2まで
  • 修了証明書または修了証書の写しを添付できること

実務経験証明書には、以下の要領で記入してください。

項目 記入すべき内容
勤務先名・勤務先所在地 職業訓練を受けた施設名および所在地
所属 訓練科や課程の名称
工事種別 「職業訓練」と記入
工事内容 「職業訓練」と記入
従事した立場 「訓練生」と記入
在職期間 訓練開始月から訓練終了月
実務経験年数 訓練を受けた期間

第一次検定のみ出願する方は実務経験の証明が不要

第一次検定のみ出願できる方は、2級管工事施工管理技術検定の合格者です。

2級の実地試験または第二次検定の合格日や合格番号を、忘れずにチェックしておくとよいでしょう。

試験の免除を受けられる条件

あなたが技術士の資格をお持ちの場合、以下に挙げるいずれかの技術部門に合格していれば第一次検定が免除されます。

対象となる部門 対象となる選択科目
水道部門、上下水道部門、衛生工学部門 選択科目に関わらずすべて対象となる
機械部門 以下のいずれかに該当すること

  • 流体機械
  • 暖冷房及び冷凍機械
  • 流体工学
  • 流体機器
  • 熱工学
  • 熱・動力エネルギー機器
総合技術監理部門 機械部門で対象となる選択科目と同じ。または以下の要件を満たすこと

  • 水道部門及び上下水道部門若しくは衛生工学部門に係わるもの

一方で技術士であっても、実務経験年数の優遇はありません。

学歴や卒業した学科により、定められた年数の経験を積む必要があることに注意してください。

もっとも技術士は7年を超える実務経験を積んだ後にチャレンジすることが一般的ですから、実務経験の要件はクリアできている方も多いのではないでしょうか。

1級管工事施工管理技士の試験スケジュール

2023年度の1級管工事施工管理技士試験は、以下の日程で実施されます。

項目 日程
願書発売開始 2023年4月10日
願書受付期間 2023年5月8日~5月22日(当日消印有効)
第一次検定試験日 2023年9月3日
第一次検定合格発表 2023年10月5日
第二次検定試験日 2023年12月3日
第二次検定合格発表 2024年3月6日

出願は、試験の実施日よりもかなり早い段階で済ませなければなりません。

受付は5月22日で締め切られますから、早めの行動をおすすめします。

受験資格をよくチェックし、有利な条件を見つけよう

1級管工事施工管理技士試験では、学歴に加えて職歴や経験、お持ちの資格により、必要な実務経験年数が大きく変わります。

まずはご自身の経歴を棚卸しして、少しでも有利な条件で受験できないかよく検討しましょう。

出願には証明書類の提出が求められますから、早めの入手がおすすめです。

また実務経験の証明は、お勤めの会社に依頼する必要があります。

社内ルールにより、証明されるまで日数を要する場合もありますから、早めに依頼し余裕をもって出願しましょう。


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