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電気通信工事施工管理技士試験の難易度は? 合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説
公開日:2023年11月24日 更新日:2024年1月12日
電気通信工事施工管理技士試験の難易度は? 合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説
通信工事の分野では、業務に役立つ資格がいくつかあります。
日々通信工事に携わっている方のなかには、電気通信工事施工管理技士に興味をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
受験を決めるうえで難しい試験なのか、またどのように準備を進めれば合格できるのかということは気になるポイントです。
この記事では電気通信工事施工管理技士について、試験の難易度や合格率、合格基準、合格するための学習方法を紹介します。
一つ上のレベルの技術者になる足掛かりにしてください。
目次
最終更新日:
電気通信工事施工管理技士とは?
電気通信工事施工管理技士は、施工管理に関する資格です。
電気通信工事を実施するにあたり、適切な施工管理を行えるスキルを認定します。
資格は1級と2級に分かれており、1級が上位です。
求められるレベルの概要を、以下に示しました。
- 1級:監理技術者にふさわしいレベルの知識や能力
- 2級:主任技術者にふさわしいレベルの知識や能力
試験は第一次検定と第二次検定の2段階が設けられています。
第一次検定に合格した方は技士補、第二次検定に合格した方は技士の資格を得られます。
電気通信工事施工管理技士の合格率と合格基準
合格率や合格基準は、試験の難易度を知る代表的な指標の一つです。
1級・2級それぞれについて、過去に実施された試験の合格率や現在の合格基準を確認していきましょう。
1級の合格率と合格基準
令和元年以降に実施された1級の合格率は、以下のとおりとなっています。
年度 | 第一次検定(学科試験) | 第二次検定(実地試験) |
---|---|---|
令和元年 | 43.1% | 49.5% |
令和2年 | 49.1% | 49.3% |
令和3年 | 58.6% | 30.1% |
令和4年 | 54.5% | 37.4% |
第一次検定の合格率は40%~60%、第二次検定の合格率は30%~50%です。
1級の合格基準は、第一次検定と第二次検定で多少異なります。
第一次検定では、以下に示す両方の条件をクリアしないと合格できません。
- 60%以上の得点をあげること
- 施工管理法(応用能力)の設問では、40%以上の得点をあげること
一方で第二次検定は、60%の得点で合格できます。
2級の合格率と合格基準
令和元年以降に実施された2級の合格率は、以下のとおりとなっています。
なお令和2年の前期試験は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により実施されませんでした。
試験の実施時期 | 第一次検定(学科試験) | 第二次検定(実地試験) |
---|---|---|
令和元年度前期 | 50.5% | (無し) |
令和元年度後期 | 63.9% | 41.9% |
令和2年度後期 | 66.4% | 33.9% |
令和3年度前期 | 87.4% | (無し) |
令和3年度後期 | 70.4% | 30.1% |
令和4年度前期 | 63.0% | (無し) |
令和4年度後期 | 59.3% | 35.6% |
第一次検定では17歳以上ならば誰でも受験可能でありながら、2人に1人以上が合格しています。
一方で第二次検定は実務経験を積んだ方しか受験できないにも関わらず、合格率は30%~40%にとどまっています。
2級の合格基準は、第一次検定・第二次検定とも6割以上の得点です。
電気通信工事施工管理技士の難易度
試験の合格基準である60%という数字は、資格試験では平均的です。
合格率をみても、それほど低いわけではありません。
しかし実務経験者が多く受験するため、難易度は高くなる傾向にあります。
それでは、実際の難易度はどの程度なのでしょうか。
4つの指標から、難易度をみていきましょう。
受験資格を満たす難易度
電気通信工事施工管理技士になるうえで高いハードルとなる項目に、受験資格が挙げられます。
令和5年度の試験では2級の第一次検定を除き、以下の実務経験がないと出願できません。
必要な年数は学歴などにより変わります。
- 1級:3年~15年
- 2級(第二次検定):1年~8年
実務経験は出願書類の一つ「実務経験証明書」に記入したうえで、所属する会社の証明を受ける必要があります。
経験年数の要件を満たしていても施工管理技士にふさわしくない仕事ぶりであれば、証明を受けられないかもしれません。
日ごろの仕事をしっかり行い他の方に認められることが、受験資格を満たすうえで欠かせないポイントです。
なお令和6年度から実施される第一次検定は、1級は19歳以上、2級は17歳以上の条件を満たしていれば受験可能となります。
また第二次検定の受験に必要な実務経験の年数は、以下のとおり簡素化されます。
級 | 第二次検定の受験に必要な実務経験年数 |
---|---|
1級 | 1級技士補になってから3年~5年(監理技術者補佐の場合は1年) |
2級 | 2級技士補になってから3年、または1級技士補になってから1年 |
受験者層からみた難易度
2級の第一次検定の受験に際し、実務経験はいりません。
実際に高校生も受験しており、2級の技士補になった方もいます。
合格率も50%~70%ですから、しっかり対策を行えば十分合格可能な試験といえるでしょう。
一方で2級の第一次検定や1級は、簡単に合格できる試験ではありません。
実務経験者ばかりが出願する試験で第一次検定は半分程度、第二次検定では半分から3分の2が不合格となる試験は、難易度が高いといえるでしょう。
一方で実務経験者ばかりが出願する試験の特徴として、実務に追われ試験対策を十分に行えない受験者も少なくないことが挙げられます。
早いうちからしっかり試験対策を行えば、合格も十分に期待できるでしょう。
試験内容からみた難易度
第一次検定よりも第二次検定の合格率が低い理由として、試験内容の違いも挙げられます。
第一次検定はマークシート方式ですから、知識があやふやでも正解する可能性はあります。
一方で第二次検定は記述式ですから、確実な知識がないと正解できません。
加えて第二次検定では、ご自身の実務経験に即した出題もあります。
このため、第二次検定のほうが難しいでしょう。
試験は1級・2級ともに、過去問が役立ちます。
過去問の対策も含めて、信頼できる通信教育会社の教材を選ぶことが合格に近づくポイントとなるでしょう。
難易度が高い試験でも、しっかりした教材を使えば心配はいりません。
関連する建設系・通信系資格との比較
電気通信工事施工管理技士に関連する資格には、以下のものが挙げられます。
- 工事担任者
- 電気通信主任技術者
- 電気工事施工管理技士
上記に示した試験とは、どちらが難しいのでしょうか。
それぞれ比較していきましょう。
工事担任者と比較した難易度
電気通信工事施工管理技士は、工事担任者よりも難易度の高い資格です。
工事担任者は通信工事のスキルを認定する資格であり、実務経験がなくても取得できます。
第二級の資格は、通信工事における登竜門としての意味合いも持っています。
一方で電気通信工事施工管理技士は工事の担当者より上のレベルである、施工管理のスキルが求められる資格です。
2級の第一次検定以外は実務経験を要することも、ハードルを上げている要因です。
ご自身の業務で工夫した点も文章で書く必要がありますから、知識だけで合格できる試験ではありません。
この点も、工事担任者より難易度が高い資格といえるでしょう。
電気通信主任技術者と比較した難易度
電気通信主任技術者と電気通信工事施工管理技士は、どちらも通信工事の管理・監督を行える資格です。
出題範囲も広いため、しっかりした対策が必要です。
電気通信主任技術者は年2回実施され、1回の試験で合格が決まります。
合格率は25%~45%です。
電気通信工事施工管理技士は2段階の試験に合格する必要があるため、ストレートで合格できる率は1級で15%~25%、2級で20%~25%前後となっています。
2級の第二次検定や1級は実務経験がないと出願できないことを踏まえると、電気通信工事施工管理技士のほうがやや難しいといえるでしょう。
電気工事施工管理技士と比較した難易度
電気工事と電気通信工事は、異なる種類の工事です。
電気工事は「強電」とも呼ばれ、電力を供給する工事を指します。
電気配線や電気設備に関する工事は代表的です。
一方で電気通信工事は「弱電」とも呼ばれており、通信回線や通信設備に関する工事を指します。
両者は分野が異なるため比較できないように思われますが、試験の出題形式や出願要件はよく似ています。
但し第二次検定の合格率は、電気通信工事のほうが10%~30%低くなっていることに注意してください。
この点で、電気通信工事施工管理技士のほうがやや難しいと考えられます。
電気通信工事施工管理技士の資格を取得するメリット
電気通信工事施工管理技士になることは、資格を取得した本人はもちろん、所属する会社にもメリットをもたらします。
どのようなメリットが得られるか、2つの立場に分けて確認していきましょう。
受験者本人が得られるメリット
資格を取得することで、受験者本人はさまざまなメリットを得られます。
- 第一次検定に合格した方は技士補になれ、施工管理業務に携わりやすくなる
- 第二次検定に合格した方は主任技術者になれ、責任ある立場で工事に携われる
- 1級の技士になった方は監理技術者として、規模の大きな工事の施工管理を行える
- 昇進や昇給、手当のアップが期待できる
- より有利な条件での転職が可能となる
資格の取得により責任ややりがいのある仕事を任され、待遇や条件の向上も期待できます。
より良い条件で働くきっかけとなる資格といえるでしょう。
有資格者を雇用する会社のメリット
従業員が電気通信工事施工管理技士に合格する、または有資格者を採用することは、会社にとっても以下のメリットがあります。
- 主任技術者や監理技術者が増加するため、担当する工事の数を増やせる
- 専任の技術者の資格を持つ方も増えるため、営業所を増やせる
- 公共工事の受注が有利になる
2級の資格を持つ方は主任技術者の、1級の資格を持つ方は監理技術者の資格を得られます。
またどちらも、営業所に配置する専任技術者になれる資格です。
担当する工事や営業所の数を増やせるなど、事業の拡大にも貢献できるでしょう。
また公共工事の経営事項審査において、1級の資格は1人当たり5点、2級の資格は1人当たり2点が加点されます。
有資格者が多いほど受注しやすくなることも、知っておきたいメリットの一つです。
電気通信工事施工管理技士の合格に必要な学習時間は?
電気通信工事施工管理技士の合格には、どの程度の学習時間が必要なのでしょうか。
一般的に必要といわれている時間を、以下にまとめました。
- 1級:300時間~500時間
- 2級:50時間~100時間
もっとも学習に必要な時間は、使用する教材により大きく変わります。
合格できるように工夫が凝らされた教材を使えば、上に示した時間よりも大きく短縮することも可能です。
どのような学習方法が効果的か、次の章で確認してください。
電気通信工事施工管理技士の学習方法
電気通信工事施工管理技士の学習方法は、大きく3つに分かれます。
- 通信講座
- 書籍を使った独学
- 講習会の活用
いずれもメリットとデメリットがあります。
ご自身の置かれた状況を踏まえて、進めやすく合格に近づける方法を選びましょう。
日本建設情報センターでは、3つの方法それぞれについて教材や講座を用意しています。
試験対策を進める際には、活用をぜひご検討ください。
通信講座を使う
通信講座は、電気通信工事施工管理技士の取得に近づく有効な学習方法の一つです。
現在主流となっている通信講座は、Webなどの動画教材もセットされていることが特徴です。
プロの講師が提供するノウハウを都合の良いタイミングで受講でき、スキルアップにつなげられます。
日本建設情報センターが提供する通信講座の強みを、以下にまとめました。
- 合格に必要なポイントに絞り、最新の試験制度に準拠したテキストをご提供
- プロの講師が解説する動画教材で、いつでもどこでも学習可能
- 得点力アップにつながる問題集もセット
- 模擬試験で実力を試せる
- 第二次検定に向けて、答案の添削を受けられる
動画教材は、Web・DVDから選べます。
通信環境に不安があるでも、DVD版を選べますから安心です。
また1級をお申込みの方、2級の一次・二次セットの講座をお申込みの方は、願書一式をお届けいたします。
ご自身で取り寄せる手間はかかりません。
書籍を使って独学する
書籍は、最も安価な学習方法の一つです。
通信講座や講習会と異なり質問ができず、答案の添削を受けられないことはデメリットに挙げられます。
しかし通信講座よりも大幅に少ない費用で学べることに、魅力を感じる方も多いでしょう。
強い意志を持ち計画的な学習ができる方に、おすすめの方法です。
なお、日本建設情報センターでは、過去4年分の過去問題が集録された分野別の過去問題集を発売しています。
講習会などを使い対面で学ぶ
試験対策には、講習会など対面で学ぶ方法もあります。
講習会場で直接講義を受講でき、緊張感を味わいながら学べます。
講習の日数は1日から3日間ですから、短期間で集中して学びたい方におすすめです。
受講料は通信講座と比べて、多少高くなる程度です。
日本建設情報センターでは1級・2級ともに、2日間の日程で講習会を開講いたします。
東京のほか、1級は大阪と名古屋でも開講いたします。
定員がありますから、講習会をご希望の方はお早目にお申込みください。
日々の業務を確実に遂行し、効果的な試験対策を行うことをおすすめ
電気通信工事施工管理技士の合格率は低くないものの、勉強するだけで取得できる資格ではありません。
お勤めの会社で快く実務経験証明書に証明をもらうためにも、日々の業務を確実に遂行し良い評価を受けることが重要です。
そのうえで、短い時間で効果的な試験対策を行うと合格に近づけます。
仕事と並行した学習には、日本建設情報センターの教材や講座がおすすめです。
通信講座に加えて、書籍や対面での講習会も用意しています。
あなたのニーズに合った学習方法を選び、合格と資格の取得につなげましょう。
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