建設現場で使われる専門用語を理解していない場合、現場での意思疎通トラブルが生じるリスクがあります。日常では使われない特殊な言葉も多いため、作業をスムーズに進めるうえで事前に専門用語を理解しておく方が良いでしょう。
この記事では、建設業界の専門用語をシーン別にわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
更新日:2026年8月21日

建設現場で使われる専門用語を理解していない場合、現場での意思疎通トラブルが生じるリスクがあります。日常では使われない特殊な言葉も多いため、作業をスムーズに進めるうえで事前に専門用語を理解しておく方が良いでしょう。
この記事では、建設業界の専門用語をシーン別にわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

建設現場では特有の専門用語が多用され、用語を理解していなければ現場で間違った判断や行動につながる恐れがあります。
現場でのコミュニケーションや作業をスムーズに進め、安全に作業を行うためにも専門用語の理解は大切だといえるでしょう。

建設業界の専門用語集として、以下6つのシーンに分けて専門用語をご紹介します。
こちらでは、上記6つのシーンで使われる用語をそれぞれ解説していきます。
業界の仕組み・取引・契約に関する用語は、顧客との信頼関係を構築する場で使われることが多く、用語の理解はトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
業界の仕組み・取引・契約に関する用語は、以下のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 委託事業者(いたくじぎょうしゃ) | 発注者(施主)から直接工事を請け負い、工事全体の管理や統括を行う企業や個人のこと。ゼネコンなどがこれに当たる。2026年の下請法改正前は「元請け」という表現も使われていた。 |
| 中小受託事業者(ちゅうしょうじゅたくじぎょうしゃ) | 委託事業者元請けから工事の一部や特定の専門工事を請け負う協力会社のこと。さらにその下で仕事を請ける業者は「孫請け」と呼ばれる。2026年の下請法改正前は「下請け」という表現も使われていた。 |
| サブコン | 「Sub Contractor(サブ・コントラクター)」の略で、中小受託事業者下請け業者のうち、特に電気・空調・衛生・消火設備などの専門分野に特化した設備工事を請け負う、大手の専門工事業者のこと。 |
| JV(じょいんとべんちゃー) | 複数の建設会社が資金や技術を出し合い、共同で大規模な工事を行うために結成する「共同企業体」のこと。 |
| 工事請負契約書(こうじうけおいけいやくしょ) | 建設工事の発注の際、発注者と受注者の間で取り交わす請負契約の書類。「工事の金額」「工期」「支払い条件」などが厳密に記載される。 |
| 注文請書(ちゅうもんうけしょ) | 受注者から発注者へ「この内容で注文を引き受けました」と承諾を証明する書類。金額により印紙税(収入印紙)がかかる。 |
| 施工体制台帳(せこうたいせいだいちょう) | 工事に関わるすべての中小受託事業者や職人の体制を記録した書類のこと。雇用関係の把握などのために、一定規模以上の現場において委託事業者に作成が義務付けられている。 |
| 引き合い(ひきあい) | 顧客からの工事の相談や見積依頼といった、取引前の工事の問い合わせのこと。 |
設計・図面に関する用語は、顧客とプロジェクトの認識をすり合わせるシーンで使われることが多く、工事の品質や安全性を確保するために覚えておく必要があります。
設計・図面に関する用語は、以下のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 基本設計(きほんせっけい) | 建築主の要望をヒアリングし、建物の配置、間取り、外観などの方針やデザインを決めること。建築主とイメージを共有するために行われる初期の設計段階。 |
| 実施設計(じっしせっけい) | 工事担当者が工事を進めるため、基本設計をもとに、詳細な寸法や使用する材料、設備の仕様などを図面に細かく書き込む段階のこと。 |
| 意匠図(いしょうず) | 平面図・立面図・断面図・仕上表などで構成され、建物のデザインや間取り、高さ、見た目などを表現する意匠設計の図面。 |
| 構造図(こうぞうず) | 柱・梁・基礎・壁などの「建物を支える骨組み(構造)」を詳細に表した図面。構造図を基に、材料発注や構造計算などを行う。 |
| 施工図(せこうず) | 作業現場の各職人が作業を行えるように、細かな寸法や納まりなどの詳細な施工内容が記載された現場用の図面。 |
| BIM(びむ) | Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略で、PC上に3次元の建物のデジタルモデルを作成し、意匠・構造・設備などの情報やコスト、管理データを管理する最新の建築IT技術。 |
施工管理・マネジメント・DXに関する用語は、工事全体の品質や安全などについて話し合う際に多く用いられます。建設現場の業務プロセスを理解するためにも、これらの用語を覚えておくと良いでしょう。
施工管理・マネジメント・DXに関する用語は、以下のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 施工管理(せこうかんり) | 建設工事を設計図通りに、かつ安全、スムーズに進められるように工事全体を管理する業務のこと。 |
| 4大管理(よんだいかんり) | 施工管理に欠かせない「品質管理」「工程管理」「安全管理」「原価管理」という4つの管理のこと。 |
| QCDSE(きゅーしーでぃーえすいー) | 施工管理において重要な5つの概念「Quality:品質」「Cost:原価」「Delivery:工程」「Safety:安全」「Environment:環境」の頭文字。 |
| 品質管理(ひんしつかんり) | 材料や構造物が設計図やJIS規格などの要求品質を満たすために、作業ごとに品質試験の実施などによって品質を管理すること。 |
| 工程管理 / 工程表(こうていかんり) | 工期内に建物を完成させるため、作業の順序や工事全体のスケジュールを管理すること。 |
| 安全管理(あんぜんかんり) | 建設現場で事故や怪我を発生させないように、足場の点検や安全設備の設置、危険予知活動などを行うこと。 |
| 工事監理(こうじかんり) | 設計図や契約通りに工事が進んでいるかを、主に建築士が発注者の代理として第三者の目でチェックすること。 |
| 実行予算管理(じっこうよさんかんり) | 着工前にプロジェクトの各段階で実際にかかると見込まれる算定予算(実行予算)と、実際の費用発生状況をリアルタイムで比較して利益を確保する管理手法。 |
| VE(ばりゅーえんじにありんぐ) | Value Engineeringの略で、発注者の要求レベルや予算に合わせて、建物の品質や機能を落とさずに、材料や工法を工夫して「コストを下げる」改善提案の手法。 |
| CM(こんすとらくしょんまねじめんと) | Construction Managementの略で、専門のマネージャー(CMR)が発注者の立場に立ってコスト、工期、品質の管理などのマネジメント業務を行うこと。 |
| リスクアセスメント | 労働災害や事故が起こる危険性を事前に洗い出し、その危険度によってリスクの大きいものから順番に対策を立てる安全管理。 |
| 電子小黒板(でんししょうこくばん) | 工事で使用する手持ちの黒板を、スマホやタブレットの画面上にデジタルで表示させたもの。工事写真の撮影や工事詳細の記載が可能。現場DXの基本ツール。 |
| 4週8閉所(よんしゅうはっぺいしょ) | 4週間の間に、土日を含めて合計8日間、現場を完全に閉める(休工にする)こと。働き方改革により業界全体で推進されている。 |
見積・積算・経理に関する用語は、費用に関しての業務の際によく使用されます。正確な金額の算出、必要な作業員の数を把握するためにも用語を知っておくことが大切です。
見積・積算・経理に関する用語は、以下のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 積算(せきさん) | 工事全体にかかる費用を、図面や仕様書から、材料の数量や必要な職人の数を割り出して算出すること。 |
| 歩掛(ぶがかり) | 工事において、特定の作業を行うために必要な作業員数や時間を示す指標であり、積算をするために必要になる。 |
| 人工代(にんくだい) | 作業員1人が1日(基本8時間)に働くときの労務費のこと。人工(にんく)は1日の作業量のことで、人工代は作業にかかる費用のこと。 |
| 諸経費(しょけいひ) | 案件とは直接関係のない「現場管理費」や「一般管理費」などの、事業運営に必要な費用。 |
| 粗利率(あらりりつ) | 売上高から工事にかかる原価を引いた「粗利益」が占める割合のこと。 |
| 出精値引き(しゅっせいねびき) | 見積金額から、企業努力によって最終調整時に行う値引きのこと。見積書の最下部に記載されることが多い。 |
| 端数処理(はすうしょり) | 見積金額の細かい端数(100円未満など)を、切り捨て・切り上げ・四捨五入で調整すること。 |
| 但し書き(ただしがき) | 領収書や見積書に「〇〇工事代として」など、取引内容や条件の補足説明として記載すること。 |
| 赤伝(あかでん) | 返品、取り消し、伝票の間違いを修正するために作成する伝票。 |
| 立替金精算書(たてかえきんせいさんしょ) | 従業員が現場で急遽必要になった資材などを自腹で立て替えた際、会社に精算してもらうための書類。 |
現場の実務・作業・状態に関する用語は、現場の従業員とのコミュニケーションの中で多く使用されます。現場でのスムーズな作業進行、意思疎通トラブル防止のためにも用語を理解しておきましょう。
現場の実務・作業・状態に関する用語は、以下のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 躯体(くたい) | 柱、梁、壁、床など、建物の構造を支える骨組み部分(構造体)のこと。 |
| 納まり(おさまり) | 取り付けた部材の接合具合や、仕上がりが美しく成立しているかということ。「納まりが悪い」「この納まりでいける?」といった使われ方をする。 |
| ダンドリ(段取り) | 作業をスムーズに進めるために、作業順序や作業方法を決めるなど、事前の準備を行うこと。「段取り八分」と言われるほど現場では最重要視される。 |
| 打設(だせつ) | 建設物の基礎となる部分を作るため、型枠の中に生コンクリートを流し込む作業。 |
| 工区(こうく) | 長距離で広範囲に及ぶ工事の際、作業や工程を管理しやすくするために分割した「作業区画」のこと。 |
| 墨出し(すみだし) | 工事現場の床や壁に、図面の寸法通りに実寸大の基準線や位置の印(墨)をつける作業。 |
| バラシ | コンクリート型枠や足場を解体する作業のこと。コンクリートが固まった後、型枠を取り外す作業は「脱型」とも呼ばれる |
| はつり工事(はつりこうじ) | コンクリートを削ったり、壊したりして形を整える部分的な工事のこと。解体や補修で行われる。 |
| 内装工事(ないそうこうじ) | 建物内部の壁・床・天井の仕上げを行い、内部空間を整える工事。 |
| 解体工事(かいたいこうじ) | 建物や構造物を取り壊して更地にする工事。規模により建設業許可が必要となる。 |
| 出面(でめん・でづら) | その日の現場に入る作業員の人数や出勤状況のこと。毎日の労務管理に使用される。 |
| 人工計算(にんくけいさん) | 工事全体の工数を計算する際、特定の作業に「何人で何日かかるか」を算出すること。工数管理の基本となる。 |
| 天端(てんば)/ 下端(したば) | 基礎・梁・構造物の一番上の面を「天端」、一番下の面を「下端」という。 |
| いってこい | 結果的に元の位置に戻ることを指す。「結果的にプラスマイナスゼロになる状況」や「調整のために一度逃がして元の位置に戻すとき」などに使われる。 |
| 不陸(ふりく) | 床や壁などの面が水平ではなく、凹凸(ガタつき)がある状態のこと。 |
| 通り(とおり) | 縦横の基盤目の基準線や、柱や壁などが直線上にまっすぐ並んでいる状態を指す。 |
| クラック | 建物の外壁、内壁、基礎にできる「ひび割れ」や「亀裂」のこと。 |
道具・安全・資格・法規に関する用語は、建設業界で重要な安全や法についての指示を受ける際に理解しておくべき用語となります。
道具・安全・資格・法規に関する用語は、以下のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 仮設工事・工事看板 |
|
| 養生(ようじょう) | 作業中に材料の飛散や工具の接触による床、壁、資材の傷つきを防止するため、ブルーシートや専用の保護材でカバーして保護すること。 |
| ネコ / ウマ | 砂利やコンクリートを運ぶための一輪車をネコまたはネコ車といい、4本脚の作業台や簡易足場のことをウマという。 |
| 親綱(おやづな) | 高所作業の際、作業員が安全帯(墜落制止用器具)を取り付けるために設置されるロープやワイヤーのこと。 |
| KY活動(危険予知活動) | 現場での事故を未然に防ぐため、作業を始める前に「どんな危険が潜んでいるか」「どう対策すべきか」を作業員同士で話し合う労災防止活動。 |
| グリーンサイト | 建設現場で必要な労務安全書類(グリーンファイル)をインターネット上で効率よく作成・管理・提出できるクラウドサービス。 |
| 絶縁抵抗測定・ISO9001 |
|
| 建設業許可(けんせつぎょうきょか) | 一定規模以上の建設工事を請け負うために必要な、国や都道府県からの営業許可。契約金額により「一般建設業」「特定建設業」に区分され、29の業種ごとに取得する必要がある。 |
| 経審(経営事項審査) | 公共工事を直接請け負おうとする建設会社が必ず受けなければいけない審査のこと。 |
| 監理技術者 / 施工管理技士 |
|
| 36協定・建築基準法 |
|
| CCUS(建設キャリアアップシステム) | 技能者の経験や技能を公正に評価するため、現場経験や資格をデータ化して管理する業界共通のシステム。 |

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新人・未経験者の現場定着のためにも、建設現場入門講座によって事前に必要な知識を備えて不安を解消してもらうことが大切です。

この記事では、建設業界の専門用語をシーン別に詳しく解説しました。現場での意思疎通トラブル防止のためにも、現場に入る前に専門用語を理解することが重要です。
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