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土木施工管理技士試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説

公開日:2023年11月24日 更新日:2024年3月13日

土木施工管理技士試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説


土木施工管理技士コラム02

「土木施工管理技士の難易度ってどのくらい?」
「土木施工管理技士の合格率や合格基準も詳しく知りたい」
とお考えではありませんか?

土木施工管理技士は、土木工事の施工管理業務に従事できる施工管理技士の国家資格です。
受験資格はありますが、難易度が凄く高いというわけではないため、スケジュールを立てて計画的に対策することで合格する力は十分に身につきます。

本記事では、土木施工管理技士の試験難易度について解説します。
合格するための学習方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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土木施工管理技士とは?

土木施工管理技士は、1級と2級に分類されている施工管理技士の国家資格の1つです。
取得することで土木工事に関する施工計画の作成・工程管理・安全管理・品質管理といったさまざまな業務に従事できます。

ちなみに、土木工事には以下のようなものが該当します。

  • 河川工事
  • 道路工事
  • 橋梁工事
  • 海岸工事
  • トンネル工事
  • 上下水道工事
  • 土地区画整理工事
  • ダム工事
  • 空港建設工事
  • 災害時の復旧工事

上記のような現場では、土木施工管理技士が主任技術者や監理技術者として従事して施工管理業務を行います。
資格を有していることで現場責任者として従事できるため、土木施工管理技士は非常に貴重な存在といえるでしょう。

土木施工管理技士の合格率と合格基準

土木施工管理技士の資格を取得する場合、試験に合格しなければなりません。
ただ、土木施工管理技士の合格率がどのくらいなのか分かりませんよね。

ここでは、土木施工管理技士の合格率と合格基準について1級・2級にわけてご紹介します。

2級土木施工管理技士の過去5年間の合格率と合格基準

2級土木施工管理技士の合格基準は、第一次・第二次検定ともに「総得点が60%以上」です。
全体の6割以上正答すれば合格となります。

2級土木施工管理技士の過去5年間における合格率は、以下の通りです。

実施年度 区分 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度 第一次検定 27,975人 14,675人 52.5%
第二次検定 26,507人 16,583人 62.6%
令和4年度 第一次検定 27,915人 17,814人 63.8%
第二次検定 32,916人 12,409人 37.7%
令和3年度 第一次検定 30,160人 21,876人 72.5%
第二次検定 29,112人 11,838人 40.7%
令和2年度 第一次検定 33,625人 23,562人 70.1%
第二次検定 29,640人 13,014人 43.9%
令和元年度 第一次検定 27,374人 17,506人 64.0%
第二次検定 32,303人 12,768人 39.5%

参照:日本建設情報センター「土木施工管理技士 合格率の推移」

合格率をみると、第一次検定が60%〜70%の合格率なのに対して、第二次検定の合格率が30%〜40%と低いことがわかります。
そのため、合格するためには第二次検定の対策が大切です。

また、第一次検定に関しても受験者の3〜4割は不合格となっています。
合格率が高いからと油断せず、合格者側になるための対策を怠らずに行いましょう。

1級土木施工管理技士の過去5年間の合格率と合格基準

1級土木施工管理技士の合格基準は、2級と同様、第一次・第二次検定ともに「総得点が60%以上」です。
第一次検定に関しては、全体の6割以上正答するだけでなく施工管理法(応用能力)に関しても6割以上正答している必要があります。

1級土木施工管理技士の過去5年間の合格率は、以下の通りです。

実施年度 区分 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度 第一次検定 32,931人 16,311人 49.5%
第二次検定 27,304人 9,060人 33.2%
令和4年度 第一次検定 38,672人 21,097人 54.6%
第二次検定 24,462人 7,032人 28.7%
令和3年度 第一次検定 37,726人 22,851人 60.6%
第二次検定 26,558人 9,732人 36.6%
令和2年度 第一次検定 29,745人 17,885人 60.1%
第二次検定 24,204人 7,499人 31.0%
令和元年度 第一次検定 33,036人 18,076人 54.7%
第二次検定 24,688人 11,190人 45.3%

参照:日本建設情報センター「土木施工管理技士 合格率の推移」

1級土木施工管理技士の合格率をみると、全体的に2級よりも低いことがわかります。
第一次検定が50%〜60%なのに対して、第二次検定が28%〜41%で推移しています。

そのため、試験対策は2級よりもしっかり行うことが大切です。決して合格が難しいというわけではないため、試験に向けて計画的かつ効率的に対策しましょう。

土木施工管理技士の難易度

先ほど土木施工管理技士の合格率について解説しましたが、正直なところ、資格の難易度は合格率だけでは分かりません。
さまざまな要素を踏まえたうえで資格の総合的な難易度を判断することが大切です。

  • 受験する年齢層からみた難易度
  • 試験内容からみた難易度
  • 他資格との合格率の違いからみた難易度

ここでは、上記3つの要素から土木施工管理技士の難易度を解説します。

受験する年齢層からみた難易度

土木施工管理技士を受験する年齢層はどのくらいなのでしょうか?
結論からお話しすると、受験する年齢層は、20代〜30代をはじめ、30代を超える社会人の方が多い傾向です。

というのも、2級の第二次検定、1級の第一次・第二次検定には受験資格があるため誰でも受験できるわけではありません。
2級の第一次検定に関しては受験資格がないため、17歳以上の方であれば、誰でも受験できます。

土木施工管理技士を取得するまでには数年間の実務経験を必要とするため、学生ではなく社会人になってから取得を目指す方が多いというわけです。

そのため、受験資格を満たすことも考慮すれば、土木施工管理技士は合格率以上に取得が難しいといえます。
ただし、試験対策は実際の現場経験をもとに新規で知識をつけながら効率よく行うことで合格する力が身につきます。

試験日までの勉強スケジュールを立てて、継続して勉強しましょう。

試験内容からみた難易度

次に、土木施工管理技士の試験内容から難易度を確認しましょう。
参考として、令和5年度の試験内容は以下の通りです。
なお、令和6年度試験については、試験内容の見直しが行われるため以下の内容は変更の可能性があります。

項目 区分 第一次検定 第二次検定
試験時間 2級土木施工管理技士 2時間10分 2時間
1級土木施工管理技士 午前:2時間30分
午後:2時間
2時間45分
解答形式 2級土木施工管理技士 四肢択一式のマークシート方式 記述式
1級土木施工管理技士 四肢択一式のマークシート方式 記述式
出題数 2級土木施工管理技士 全61問中40問選んで解答
(合格ラインは24問以上の正答)
全9問出題されて7問選んで解答
1級土木施工管理技士 全96問中65問選んで解答
(合格ラインは39問以上の正答)
全11問出題されて7問選んで解答
出題範囲 2級土木施工管理技士 土木工学等・施工管理法・法規 施工管理法
1級土木施工管理技士 土木工学等・施工管理法・法規 施工管理法

参照:一般財団法人 全国建設研修センター

1級と2級の試験内容をみると、まず出題数が違うことがわかります。
1級の出題数の方が第一次・第二次検定ともに多いため、範囲も広くなっています。
難易度として比較した際、1級の方が難しい傾向です。

また、第二次検定の解答形式は、マークシートではなく記述式です
加えて、実際に自分が携わった工事内容に関して記述する問題も出題されます。
そのため、記述式に慣れていない方や苦手な方にとっては、第二次検定の難易度は高いといえるでしょう。

試験の合格率だけで見た際は、あまり難しく感じないかもしれませんが、細かな内容を見た際に対策が必要なポイントがいくつかあるのが、土木施工管理技士の特徴です。
なお、令和6年度試験から試験内容の見直しが行われることが発表されています。
試験内容が大幅に変更されることも予測され、例年通りの対策では厳しい可能性が高いです。


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他資格との合格率の違いからみた難易度

土木施工管理技士は、他の建築系の資格と比較しても難易度は高いのでしょうか?
ここでは、土木施工管理技士と類似した資格との合格率の違いを確認しましょう。

実施年度 2級土木工事施工管理技士 1級土木工事施工管理技士 1級建築工事施工管理技士 1級管工事施工管理技士
令和5年度 52.5% 49.5% 41.6% 37.5%
令和4年度 63.8% 54.6% 46.8% 42.9%
令和3年度 72.5% 60.6% 36.0% 24.0%

他の資格と比較すると、土木施工管理技士は施工管理技士系の資格の中でも合格率が比較的高いことがわかります。
ただし、受験資格があるため、誰でも簡単に取得できるというわけではありません。
取得したい資格を絞って受験資格を満たしながら挑戦するのがよいといえるでしょう。

土木施工管理技士資格をとるメリット

ここからは、試験に申土木施工管理技士の資格を取得するメリットは、以下の通りです。

  • 大規模工事などにも従事できる
  • 昇進などのキャリアアップが期待できる
  • 企業側であれば土木工事に関する技術評価が高まる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

メリット①大規模工事などに従事できる

土木施工管理技士の中でも1級を取得した場合、大規模な工事に従事できるのがメリットです。
1級を取得した場合、管理技術者として認められるため、今現在よりも仕事の幅を広げられます。

さまざまな現場で経験を積むと、知識や技術力、現場での判断能力が高まるのが特徴です。
結果、企業側からより重宝される人材となれるでしょう。

また、高い技術力や判断力を有した人材は転職や独学でも有利に働きます。
将来的な働き方も含めて、さまざまな工事で現場経験を積みたいといった方は1級土木施工管理技士の資格取得を目指しましょう。

メリット②昇進などのキャリアアップが期待できる

土木施工管理技士を取得していると、昇進などのキャリアアップが期待できます。
資格を有していることで、技術者としての付加価値が高まるためです。

また、現在の建設業界では土木施工管理技士を含めた有資格者が不足しています。
企業側は、有資格者や技術者がいなければ仕事を請け負えません。

そのため、土木施工管理技士は、資格を取得すると転職や就職でも有利に働くのが特徴です。
キャリアアップを狙えるだけでなく、現在よりも良い待遇の企業を探して働きやすい環境を実現しやすくなるでしょう。

メリット③企業側であれば土木工事に関する技術評価が高まる

土木施工管理技士の取得者が企業に属する場合、企業側にもメリットがあります。
具体的には、土木工事に関する技術評価が高まる傾向です。

現在、入札制度を取り入れている企業は多く、施工管理技士の国家資格である土木施工管理技士を取得していると、企業の技術評価が高まります。
評価が高まると、施工会社の選定において有利に働きやすくなるのが特徴です。

また、土木施工管理技士の資格を有して企業に勤めていると資格手当が支給される場合もあります。
資格手当は、資格を取得しているだけで支給されるので、年収をアップさせるために大切です。

そのため、土木施工管理技士は、積極的に取得を狙ってよい資格といえるでしょう。

土木施工管理技士の学習時間と学習方法

ここまでで、土木施工管理技士の難易度や取得するメリットについて解説しました。
ただ、試験に向けてどのように勉強したらよいか分からないといった方はいるのではないでしょうか。

ここでは、土木施工管理技士に合格するための学習時間や学習方法を詳しく解説します。

土木施工管理技士の合格に必要な学習時間

土木施工管理技士に合格するために必要な学習時間は、100〜400時間程度が目安です。
決して短い学習時間ではないため、計画的に対策する必要があります。

また、試験は第一次検定と第二次検定の2種類あります。
第二次検定は、第一次検定と違った出題形式なので、各試験でしっかり対策することが大切です。

各試験でどのような問題が出題されるのか把握した上で、試験日までのスケジュール調整を行い、効率よく勉強していきましょう。

学習方法①独学で対策する

土木施工管理技士の学習方法の1つ目が「独学での対策」です。
独学は、一番コストがお得に済むため。自分自身で試験日までの学習スケジュールを立てて継続できる方におすすめします。

また、独学で合格するためには勉強のモチベーションを維持するだけでなく、自分の課題を見つけて克服する力も必要です。
得意な分野だけでなく、苦手な分野に関しても自分の力で克服しなければなりません。

学習する際は、参考書と過去問題を併用して試験の傾向を掴みましょう。
少しずつ解ける問題を増やしたり苦手分野を対策したりすることで効率よく合格する力が身につきます。

現在CICでは、書籍の販売を開始しておりますので、土木施工管理技士の参考書や問題集選びでお悩みの方は、ぜひご活用ください。

学習方法②講習会に参加して対策する

土木施工管理技士の学習方法の2つ目が「講習会に参加しての対策」です。
講習会を取り扱う機関によっては、土木施工管理技士などを含めた国家試験の対策講習を開催しています。

講習会は、自分が受験する区分(1級・2級)などにわかれて対策できるのが特徴です。
自分が受講したい科目に絞って対策できるため、独学よりも効率よくレベルアップできます。

お住まいの地域で講習会を開かれている場合などは、受講をご検討ください。

学習方法③通信講座を受講する

独学が苦手だけど講習会に参加するのも少し面倒と感じている方であれば、通信講座の受講がおすすめです。
通信講座を活用すると、場所や時間に関係なく土木施工管理技士の勉強ができます。

特に土木施工管理技士は、社会人の方が多く受験する資格ですが、仕事しながら勉強するのは容易ではありません。
仕事に行く前や寝る前に勉強するのは、どうしてもやる気が起こりづらいですよね。

そういった場合、通信講座を活用すると仕事の休憩時間や通勤・退勤途中の交通機関内など隙間時間を活用して土木施工管理技士を勉強可能です。
専門の講師の動画講義を含め、苦手と感じる分野などを効率よく克服できる環境が整います。

CICでは、土木施工管理技士の講座を用意しております。
受験者のレベルにあわせて、効率的かつわかりやすい講座となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。

まとめ

本記事では、土木施工管理技士の試験難易度について、合格するための学習方法などとあわせて解説しました。

土木施工管理技士は、2級と1級ともに合格率が低いというわけではありません。
そのため、試験日までにスケジュールを立てて対策することで合格する力は十分に身につきます。

ただし第一次検定と第二次検定の2種類あり、出題形式が異なるため、それぞれで対策が必要です。
加えて、令和6年度試験から試験内容の見直しが行われることが発表されています。
そのため、令和5年度までの出題内容が大幅に変更されることも予測され、例年通りの対策では厳しい可能性もあります。
合格率を高めるためには、試験についての知見がしっかりとある専門家やCIC日本建設情報センターの受験対策講座を利用するなどして、一発合格を目指しましょう。


CICでは、土木施工管理技士の講座を用意しております。独学よりも遥かに効率が上がる講義内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。


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