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建設現場で身近な保護具とは?種類ごとの役割と災害事例から選び方を解説

建設現場で身近な保護具とは?種類ごとの役割と災害事例から選び方を解説

公開日:2026年7月27日 更新日:2026年7月27日

建設現場で身近な保護具とは?種類ごとの役割と災害事例から選び方を解説

建設現場では、労働災害防止のために保護具を着用して作業しなければなりません。労働安全衛生法では、危険・有害な作業に応じて事業者が保護具を備えて、労働者に使用させることが義務づけられています。

ただし、労働災害防止のためには作業者一人ひとりが「ヘルメットや安全靴は毎日着けているけれど、何から身を守ってくれているのか」という部分を把握しておくことが大切です。

この記事では、建設現場で身近な保護具の基本的な役割から種類ごとの特徴について解説します。保護具を正しく使うためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。


CIC安全管理の基本

目次

保護具とは?建設現場で着用が求められる理由

保護具とは?建設現場で着用が求められる理由

保護具とは、作業中に起こりうる危険から、頭・目・耳・手・足・呼吸器などの身体各部を守るために身につける装備の総称です。労働安全衛生法では、危険・有害な作業に応じて事業者が保護具を備え、労働者に使用させることが義務づけられています。

2025年(令和7年)の労働災害による死亡者数は、建設業が214人で全業種の中で多い側に位置します。さらに、建設業の死亡災害を原因別に見ると「墜落・転落」が多い現状です。

建設業界での労働災害を防止するためにも、保護具の着用は欠かせないといえるでしょう。

参考:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」

建設現場で身近な保護具7種類と役割

建設現場で身近な保護具7種類と役割

ここからは、建設現場で身近な保護具7種類と役割について解説します。以下の表は、主な保護具の特徴をまとめたものです。

保護具 守る部位 おもに防ぐ危険
ヘルメット 頭部 落下物、墜落時の衝撃
保護めがね・ゴーグル 飛来する破片、粉じん、薬品
防じんマスク 呼吸器 粉じん、有害物質の吸入
耳栓・イヤーマフ 聴覚 騒音による難聴
保護手袋 切創、振動、薬品、感電
安全靴 踏み抜き、落下物、圧迫
墜落制止用器具 全身 高所からの墜落・転落

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

ヘルメット(保護帽)

ヘルメットは、落下物や頭上の障害物、転倒・墜落時の衝撃から頭部を守る、最も基本的な保護具です。用途によって「飛来・落下物用」「墜落時保護用」「電気用」などいくつか種類があり、作業内容に合ったものを選ぶ必要があります。

保護めがね・ゴーグル

コンクリートのはつり作業や研削作業では、破片や粉じんが目に飛んでくることが頻繁にあります。保護めがね・ゴーグルは、飛来物や薬品の飛沫から目を守る装備です。側面までしっかり覆うゴーグルタイプは、横から入り込む粉じんにも対応できます。

防じんマスク(呼吸器用保護具)

防じんマスクは、粉じんを吸い込むことによる呼吸器への健康被害を防ぐ保護具です。コンクリートの切断・研削で発生する粉じんには、結晶質シリカや石綿(アスベスト)など、長期的に肺を蝕む有害物質が含まれる可能性があります。

防じんマスクには、フィルターを交換して使う「取替え式」と「使い捨て式」があるため、顔の大きさに合ったものを密着させて使うことが大切です。

耳栓・イヤーマフ

耳栓やイヤーマフは、ハンマードリルやブレーカーなどの騒音から聴覚を守る保護具です。騒音による難聴は自覚のないまま少しずつ進行するため軽視されがちですが、年齢を重ねてから難聴に悩むベテラン職人も多いことから、常に予備を用意しておくと良いでしょう。

保護手袋

手は、工具の振動や鋭利な材料、重量物など、さまざまな危険にさらされる部位です。保護手袋には用途に応じて多くの種類があり、作業に合わせて使い分けることで労働災害防止につながります。

実際の現場では、軍手の上に革手袋を重ねて防護性と作業性を両立させるなどの工夫が施されるケースもあります。

CIC保護具着用管理責任者教育Web

安全靴・プロテクティブスニーカー

建設現場の足元は、釘の踏み抜きや資材の落下といった危険が多い場所です。安全靴は、つま先を守る先芯が入っており、落下物や圧迫から足を守ります。

近年ではスニーカータイプも普及しており、歩きやすさや疲れにくさで適したものを選ぶ人も増えています。

墜落制止用器具(フルハーネス型・胴ベルト型)

高所作業で墜落・転落から命を守るのが、墜落制止用器具(通称「安全帯」)です。前述のとおり、建設業の死亡災害では墜落・転落が最も多く、高所作業では必ず使用しなければなりません。

フルハーネス型と胴ベルト型がありますが、高さ2m以上で作業床を設けられない箇所ではフルハーネス型の使用が求められます。


CICフルハーネス型墜落制止用器具特別教育

災害事例から学ぶ建設業での保護具着用の大切さ

災害事例から学ぶ建設業での保護具着用の大切さ

ここからは、建設業において保護具着用の大切さを災害事例をもとにご紹介します。

  • 荷を取り込むために部分的に手すりを取外し、作業床の端から墜落した事例
  • 浴室の塗装中に有機溶剤中毒で意識を失った事例(呼吸用保護具)
  • グラインダーが跳ね、回転といしが体に当たり死亡

上記の事例に共通するのは、適切な保護具を正しく着けていれば被害を防げたあるいは被害を軽くできた可能性が高いという点です。当たり前の日常の作業で保護具を着けていたかどうかが、労働災害の大きさに左右します。

それぞれの内容について詳しく解説します。

事例1:荷を取り込むために部分的に手すりを取外し、作業床の端から墜落した事例

1つ目が荷を取り込むために部分的に手すりを取外し、作業床の端から墜落した事例です。

当日の状況 法面の地すべり防止工事。高さ約12mの作業構台で、重い機械を作業床へ引き込むために手すりを取り外していた。被災者は保護帽を着用し、墜落制止用器具(安全帯)も装着していたが、使用していなかった。
経過 作業がうまく進まず一度休憩。手すりを外したままにしていた開口部から、1人作業床に残っていた被災者が墜落し、下方の支柱に当たって即死した。
主な原因・教訓 手すりを外した開口部に墜落防止措置がなかったこと。安全帯を取り付けられる設備はあったのに使用していなかったこと。器具は「装着」ではなく「使用(フックを掛ける)」して初めて命を守る。

参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト|荷を取り込むために部分的に手すりを取外し、作業床の端から墜落

事例2:浴室の塗装中に有機溶剤中毒で意識を失った事例(呼吸用保護具)

2つ目が浴室の塗装中に有機溶剤中毒で意識を失った事例です。

当日の状況 一般住宅の浴室天井の塗装作業。トルエンやキシレンなどを含む塗料をシンナーで希釈して使用していた。換気設備はなく、被災者は有機ガス用防毒マスクを着用していなかった(マスク自体は現場まで持ち込まれていた)。
経過 1人で手塗り作業を開始。約1時間後に気分が悪くなったが、そのまま作業を続け、作業終了直前に有機溶剤中毒で意識を失い、脚立から転落した。
主な原因・教訓 狭い屋内で換気をせず、呼吸器を守る防毒マスクも着用しなかったこと。マスクは現場に「ある」だけでは意味がなく、作業に合ったものを正しく着用することが命を守る。

参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト|浴室塗装作業中に発生した有機溶剤中毒

事例3:グラインダーが跳ね、回転といしが体に当たり死亡

3つ目がグラインダーが跳ね、回転といしが体に当たり死亡した事例です。

当日の状況 鋼桁の切断面のバリ取りを、手持ちの電気グラインダー(最高回転約7,600rpm)で行っていた。作業スペースは最も狭いところで約70cm。被災者は安全帯と長袖の作業服は着けていたが、回転する研削といしとの接触を防ぐ個人用保護具は使用していなかった。安全教育も行われていなかった。
経過 作業中に何らかの原因でグラインダーが跳ね、回転していた研削といしが体に当たって出血。病院へ搬送されたが死亡した。
主な原因・教訓 狭い作業場所で身をかわせなかったこと、回転工具との接触を防ぐ個人用保護具を使用していなかったこと、安全教育が不足していたこと。作業に応じた保護具の選定・着用と、十分な作業スペースの確保が欠かせない。

参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト|手持ち式グラインダーで鋼板切断面のバリ取り作業中、回転中の研削といしが当たり死亡

保護具を正しく使うためのポイント

保護具を正しく使うためのポイント

保護具は、ただ身につければよいわけではありません。性能を十分に発揮させるために、次の3つのポイントを押さえましょう。

  • 国家検定合格品を選ぶ
  • 作業や身体に合ったものを選ぶ
  • 使用前に点検する

防じんマスクやヘルメットなどは、検定に合格した製品か確認して選びましょう。作業に適した種類で自分の身体にフィットするサイズを選ぶことも大切です。

また、レンズの傷や紐・バンドの劣化、フィルターの汚れなどがないか確認しておくと良いでしょう。習慣化することで、保護具をより正しく使えます。

CIC日本建設情報センターの安全管理講習セット

CIC日本建設情報センターの安全管理講習セット

CIC日本建設情報センターでは、安全管理の基本となる講習セットをWeb講座の形式で提供しています。新入社員・現場未経験者の不安と、教育担当・先輩社員の悩みを解消する内容となっており、安いコストで安全管理のリテラシーを高められるのが特徴です。

講習の内容に関しては、以下のとおりです。

科目・範囲 講習時間
1.報連相 17分
2.ヒューマンエラー 16分
3.リスクアセスメント 21分
4.5S活動 20分
5.KYKとKYT 17分
6.建設現場で身近な保護具 13分
7.メンタルヘルス 15分
8.災害事例・災害時の対応 14分
9.季節の労働災害 17分
10.安全衛生標識 12分
合計 2時間40分

CIC日本建設情報センターのWeb講座は、以下の手順で受講できます。

  1. CIC日本建設情報センターのWeb講座に申し込む
  2. 入金確認後、メールでログイン情報が送付される
  3. 受講(視聴)が開始する
  4. 受講完了後、修了証を受け取る

CICの講座では顔認証システムを採用しており、受講者が画面の前にいない場合は学習が進まない仕組みです。このため、講座を修了した時点で「受講者本人がしっかりと受講を終えた」ことを証明できます。

また、CIC日本建設情報センターでは、「保護具着用管理責任者教育」のWeb講座・通学講座も提供しております。管理責任者教育となりますが、保護具着用の際に現場での選任が義務づけられている「保護具着用管理責任者」も人材育成できますので、ぜひご検討ください。


CIC保護具着用管理責任者教育Web


CIC保護具着用管理責任者講習講座通学

まとめ

まとめ

この記事では、建設現場で身近な保護具の基本的な役割から種類ごとの特徴について解説しました。

建設現場で身近な保護具は、頭・目・耳・手・足・呼吸器・全身と、身体のあらゆる部位を危険から守っています。建設業は労働災害のリスクが高く、保護具の正しい着用が作業員の命と健康を守るために大切です。

国家検定合格品を選んで作業や身体に合ったものを使い、使用前に点検を欠かさず行いましょう。また、現在は保護具を使用させる際は保護具着用管理責任者の選任が義務化されています。管理責任者教育となりますが、必要に応じて受講をご検討ください。

CIC日本建設情報センターでは、「安全管理の基本」講座と「建設現場入門講座 現場デビュー前 (講座5本セット)」講座をWeb講座の形式で提供しています。労働災害の防止につながる重要な内容ですので、ぜひ受講をご検討ください。


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