
第二種電気工事士は、一般用電気工作物の工事に従事できる電気系の国家資格です。取得難易度に対して幅広く活躍できる場があるため、就職・転職などのキャリアアップでも役立ちます。
実際に、仕事や学業と両立しながら限られた時間で独学での合格を果たしている方も少なくありません。一方で、モチベーションの維持や技能試験の対策など、独学ならではの難しさもあります。
この記事では、第二種電気工事士に独学で合格するための勉強方法・必要な勉強時間・おすすめテキストの選び方について解説します。これから取得を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
第二種電気工事士は独学で合格できる?

まず、第二種電気工事士を独学で目指すうえで知っておきたい基本情報と、合格の難易度についてまとめます。
第二種電気工事士の合格は独学でも狙える
結論からお伝えすると、第二種電気工事士は独学で合格を目指すことが十分に可能です。電気の入門的な資格であるため、 学生や未経験者、働きながらの社会人でも独学で合格を目指している方は少なくありません。
出題範囲が一般用電気工作物(低圧)に限定されるため、初学者にも取り組みやすい資格といわれています。とはいえ、国家資格である以上、闇雲に勉強するだけでは合格できません。自分に合ったテキストと勉強法で、計画的に対策することが大切です。
試験は「筆記試験」と「技能試験(実技)」の2つあります。筆記はマークシート形式で、電気の理論・配線設計・施工法・法令などが出題されます。技能試験は、公表された候補問題から1問が出題され、制限時間内に施工する形式です。
合格率から見る第二種電気工事士の難易度
第二種電気工事士は、独学での合格は十分に狙えるものの、簡単というわけではありません。以下の表は、直近3年間の筆記・技能試験の合格率をまとめたものです。
| 年度 |
筆記試験 |
技能試験 |
| 令和7年度(2025年) |
56.6% |
71.8% |
| 令和6年度(2024年) |
58.2% |
70.3% |
| 令和5年度(2023年)頃 |
59.4% |
71.1% |
参考:一般財団法人 電気技術者試験センター|第二種電気工事士試験の試験結果と推移
一見すると合格率は高いように思えますが、ストレート合格の確率はそれほど高くありません。特に技能試験は、「欠陥」があると一発で不合格になるため、筆記と技能の両方で、出題傾向を押さえた対策が重要です。
独学の難しいポイント
第二種電気工事士の独学で難しいとされがちなポイントは、主に以下の2つです。
| 課題 |
内容 |
| モチベーションの維持 |
仕事や学業のあとに勉強時間を確保する際、モチベーションの維持が大切。継続して勉強しなければならないのに加え、分からない問題に直面した際に自分で乗り越える必要がある。 |
| 実技試験の対策 |
技能試験では、欠陥の有無を自分で判断する必要がある。独学だと「欠陥があるのかないのか」の判断が難しく、解説の充実した教材や練習の積み重ねが大切。 |
難しいポイントをあらかじめ把握した上で、テキスト選びやスケジュールを立てると、独学でも続けやすくなります。
第二種電気工事士の合格に必要な勉強時間

ここからは、第二種電気工事士の合格に必要な勉強時間の目安と、1日のスケジュール例を紹介します。
勉強時間の目安は200時間前後
合格に必要な勉強時間は、受験者の勉強する環境などで大きく変わります。目安の時間は、以下の表のとおりです。
| 区分 |
勉強時間 |
該当する人 |
| 初学者・自信のない方 |
200時間前後
(約2〜3ヶ月)
|
・電気の知識がほとんどない方
・初めて電気工事士試験に挑戦する方
・基礎からじっくり学びたい方 |
| 実務経験豊富・基礎がある方 |
100時間前後
(約1ヶ月)
|
・電気関係の学校を卒業している方 |
上記は、筆記・技能試験の両方を含めた目安となります。技能試験も独学で練習する場合、複線図の書き方や施工の練習時間を確保すると安心です。
1日の勉強スケジュール例
学業や仕事と両立しながら第二種電気工事士を目指す場合、平日・休日の時間配分が大切です。1日のスケジュール例として、以下の表を参考にしてください。
| 区分 |
合計時間 |
内容 |
| 平日 |
約1.5〜2時間 |
・通勤時間・休憩時間:30分(過去問アプリや単語帳でインプット)
・帰宅後:1時間(テキストの読み込み、過去問演習) |
| 休日 |
2〜3時間 |
・まとまった時間で過去問を年度別に解く
・技能の複線図や施工手順の確認・練習 |
「毎日少しでも触れる」ことで、記憶の定着と習慣化につながります。技能試験も、筆記と同様に「毎日少しずつ」複線図や施工の流れに触れておくと、本番でも慌てず施工するための技術力が身につくでしょう。
第二種電気工事士の勉強で大切な3つのポイント

第二種電気工事士の勉強で大切なポイントは、以下の3つです。
- 過去問を5〜7年分繰り返す
- テキストも併用しながら理解を深める
- 実技試験は順序立てて技術力を身につける
ポイントを押さえて勉強を始めることで、無駄なく合格を目指せます。ここでは、それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
ポイント1. 過去問を5~7年分繰り返す
第二種電気工事士の筆記試験では、過去問に近い内容や同じ問題が出題されます。そのため、過去5〜7年分の過去問を繰り返し解き、出題傾向をつかむことが大切です。
テキストから過去問題集に移った際、最初は解ける問題が少ないかもしれません。ただし、解説を読み込みながらパターンを把握することで、徐々に解ける問題は増えてきます。その後は、苦手な問題を克服しながら進めることで、合格は十分に狙えるでしょう。
ポイント2. テキストも併用しながら理解を深める
過去問題集は、テキストと併用しながら進めることをおすすめします。併用して間違えた問題を見直すことで、より理解を深められるためです。
例えば、暗記だけで乗り切ろうとすると、応用問題に対応する力は養われません。テキストと併用しながら「なぜそうなるか」まで確認することで、問題を解く応用力が身につきます。
ポイント3. 実技試験は順序立てて技術力を身につける
第二種電気工事士の独学で難しいポイントの1つが、技能試験対策です。技能試験に合格するためには、複線図の書き方や欠陥の知識、施工手順を効率的に身につける必要があります。
まずは解説の詳しい技能試験用教材を用いて複線図の書き方から学びましょう。その後、施工手順と合わせて電線と器具の接続方法を学習し、その後で欠陥の内容も踏まえながら候補問題を施工してみてください。
1回目はスピードを気にせず施工し、2回目以降で実際の試験と同じ時間で施工すると、本番でも焦らず施工できるだけの技術力が効率的に身につきます。
独学におすすめのテキスト・過去問題集の選び方

第二種電気工事士の独学におすすめのテキスト・問題集を選ぶ際、ポイントは主に以下の3つです。
- 解説が詳しく分かりやすいものを選ぶ
- 実績のある企業から出版されているものを選ぶ
- 最新の法改正・試験制度に対応しているか
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
選び方1. 解説が詳しく分かりやすいものを選ぶ
過去問題集は、正解の選択肢だけでなく「なぜ他の選択肢は間違いなのか」まで解説されているものを選びましょう。正解の選択肢以外まで解説があることで、効率良く応用力を身につけられるためです。
また、過去問題を繰り返し解いていると何となく回答を覚えてくるケースが考えられます。ただ回答を覚えるのではなく、「なぜ」の部分を徹底して理解することで、より質の高い対策が可能です。そのため、問題集を選ぶ際は解説が詳しいものを選択してみてください。
選び方2. 実績のある企業から出版されているものを選ぶ
第二種電気工事士のテキスト・問題集を出版している機関は多いため、実績などを踏まえて選ぶことも大切です。電気工事士試験の対策を長年手がけている企業や出版社の教材は、出題データを分析して無駄なく作られています。
「出やすいところ」と「出にくいところ」が整理されていると、効率よく学習を進められるため、購入する前にチェックしてみてください。
選び方3. 最新の法改正・試験制度に対応しているか
テキスト・問題集が最新版であるか確認しておきましょう。中古の古いテキストで勉強すると、改正前の誤った情報で知識が定着する恐れがあるためです。
電気系の法律や試験制度は定期的に見直されています。安いからと古いテキスト・問題集で勉強するのは避けてください。
【2026年度版】CIC日本建設情報センターのテキスト・問題集

テキストや過去問題集選びでお悩みの方は、CIC日本建設情報センター(CIC出版)のものがおすすめです。CIC日本建設情報センター(CIC出版)では、電気系の資格を含めたさまざまな資格の講座を提供しており、豊富なノウハウをもとに作られたテキスト・問題集は多くの人気を集めています。
また、毎年発行されているため、常に最新情報の内容で勉強できるのもメリットです。こちらの記事では、CIC日本建設情報センター(CIC出版)のテキスト・問題集や失敗しない選び方などを深掘りしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
筆記試験用テキスト・問題集
CIC日本建設情報センターの筆記試験テキスト・過去問題集は、「満点ではなく、合格ラインの突破」を意識した構成です。問題集に関しては288問の問題を収録しており、出題されやすい項目を厳選して解説しています。
- 合格に必要な範囲に絞った構成:出題範囲の中から、出る順・重要度の高いポイントを整理。学生や社会人の方でも効率よく学べる内容。
- 過去問288問収録:年度ではなく過去問の出題傾向をもとに288問掲載。パターン別に対策することで、実践でも効率的に点数を稼げる。
- 丁寧な解説:各選択肢について「正解の理由」「誤りの理由」を解説。独学でも疑問を残さずに進められる内容。
テキスト・過去問題集ともに、豊富な図解や丁寧な解説で分かりやすいのが特徴です。テキストと問題集をセットでご利用いただくことで、初学者でもより効率的に学習できるため、ぜひご利用ください。

▶『第二種電気工事士 筆記試験 テキスト』

▶『第二種電気工事士 筆記試験 過去問題集』
技能試験用テキスト
CIC日本建設情報センター(CIC出版)の問題解説集は、候補問題の施工手順や複線図、欠陥の判断など、独学で難しいとされるポイントを丁寧にまとめています。
- 技能試験のポイントを整理:時間内に正確に施工するための手順や、欠陥にならないポイントを解説。
- 複線図・施工の流れが分かりやすい:図解やカラーを多用し、より施工のイメージがしやすい内容。
- 最新の候補問題・試験傾向に対応:毎年、試験内容に合わせて更新。
技能試験を独学で攻略する中で、必要な情報を分かりやすい教材でしっかり押さえたい方におすすめです。

▶『第二種電気工事士 技能試験 問題解説集』
第二種電気工事士の独学に関するよくある質問

ここでは、第二種電気工事士の独学に関するよくある質問についてまとめました。
電気の知識ゼロからでも合格を狙える?
第二種電気工事士は、電気の知識ゼロからでも十分に合格を狙えます。電気の入門資格であり、知識ゼロから合格を目指す方も少なくないためです。
出題パターンもある程度決まっているため、テキストと過去問を併用して計画的に進めれば、初学者でも効率よく合格を目指せるでしょう。
数学が苦手でも合格できる?
第二種電気工事士では計算問題は出題されますが、高度な数学力は求められません。出題パターンをつかみながらテキストと過去問で繰り返し練習すれば、十分に問題を解く力は身につくでしょう。
筆記試験と実技試験の対策は同時に始めた方が良い?
まずは、筆記試験の対策から始めることをおすすめします。技能試験は、筆記試験に合格しないと受けられないためです。
筆記試験終了後、すぐに技能試験の対策を始めてください。複線図の書き方と配線の基礎を習得し、その後候補問題を繰り返し施工する流れがおすすめです。
まとめ

この記事では、第二種電気工事士に独学で合格するための勉強方法や必要な勉強時間、おすすめテキストと選び方を解説しました。第二種電気工事士は、独学でも合格を狙える資格ですが、計画的な対策が欠かせません。
勉強時間の目安は、初学者で200時間前後、電気系の学校の卒業者で100時間前後です。過去問の反復とテキストの併用で効率よく知識を定着させ、実技試験は順序立てて複線図・施工手順・欠陥の知識を身につけましょう。テキスト・問題集は、解説の分かりやすさや最新の法改正対応を確認し、自分に合う1冊を選んでください。
CIC日本建設情報センター(CIC出版)では、第二種電気工事士のテキスト・問題集を提供しています。要点を整理した内容で初学者でも無駄なく学べるため、どの教材にしようか迷っている方は、ぜひご検討ください。