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刈払機取扱作業者安全衛生教育の重要性と、災害事例から学ぶ作業環境と安全意識

公開日:2025年10月31日 更新日:2025年10月31日

刈払機取扱作業者安全衛生教育の重要性と、災害事例から学ぶ作業環境と安全意識

刈払機取扱作業者安全衛生教育の重要性と、災害事例から学ぶ作業環境と安全意識

刈払機とは、肩掛け式や背負い式の草刈機のことで、草や小径木を刈り取るために両手でハンドルを操作する小型の機械のことをいいます。狭い場所や障害物の多い場所での草刈りに適しており、家庭で使用する人も多いのではないでしょうか。

しかし、エンジンやモーターを動力源として高速回転する刃を使用するため、使い方を誤れば労働災害につながる危険があります。

今回は刈払機を使用した労働災害事例を安全意識の観点からご紹介します。刈払機を使用する事業者の方は必見です。

刈払機についての詳しい内容はこちらをご覧ください。

刈払機の安全衛生教育とは?講習の内容や概要についてご紹介


CIC刈払機取扱作業者安全衛生教育

目次

刈払機取扱作業者安全衛生教育の重要性

刈払機取扱作業者安全衛生教育の重要性

個人が家庭で刈払機を使う場合には資格や免許は必要ありません。

しかし、刈払機を業務として使う場合には、労働災害のリスクがあることから、刈払機取扱作業者安全衛生教育(以下「刈払機安全衛生教育」)の受講が推奨されています。

刈払機安全衛生教育は受講義務がある「特別教育」とは異なり、仮に受講していなくても罰則等はありません。しかし刈払機自体が強力な刃物であり、実際に刈払機による労働災害が起こっていることから、「特別教育」に準ずる教育として受講が強く推奨されています。

受講についての詳しい内容はこちらをご覧ください。

刈払機安全衛生教育はWeb(オンライン)受講がおすすめ!特別教育との違いも解説

刈払機取扱作業者に関する代表的な災害事例

刈払機取扱作業者に関する代表的な災害事例

事例1:同僚の操作する刈払機に接触

 

発生状況 杉林において、6名の作業者が刈払機を用いて下刈作業中、作業場所を移動しようとして同僚の操作する刈払機に接触した。

被災者は、既に作業を開始していた同僚から少し遅れて、自分の作業場所となった樹列間へ移動しようとし、となりの樹列間に入って作業を開始していた同僚の前を横切ろうとした際、その同僚の操作する刈払機に接触した。

同僚らは現場で応急措置を施したが、災害発生から病院に収容するまで約25分要し、救急車で病院に収容した直後、死亡した。

事故の原因 刈払機の危険区域への進入禁止など、災害防止のための安全教育、作業前の打合せが徹底されていなかった。

樹列間で作業していた同僚の位置が草等のため見えなかった。

結果(けが・死亡・周囲への影響) 被災者は死亡した。
防げたポイント 操作する者の5メートル以内(危険区域)に他の者は立ち入らないこと。

刈払後の見通しのよい所を通るなど、自らも、また、他者からも容易に安全が確認できるような方法をとる。

救急車の手配に時間がかかっているため、作業現場には必要な救急用具を備え、緊急の際の救護・連絡体制を明確にする。

参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

事例2:下刈中に刈払機で切創

 

発生状況 4名1組での下刈作業において、被災者は下刈面積の少ない方面を1人で担当した。

時間になっても戻らない被災者を不審に思い、同僚3名が探したところ、草を分け入った跡を200m進んだところに、下刈された跡があり、さらに進むと、急傾斜になり、40m程先に吊りバンドから外された刈払機が見つかった。さらに8.5m下の傾斜地の終りの沢地に、被災者が倒れているのが発見された。

被災者は、切創を受け、自分のタオルを使用して止血していたが、息も脈も無い状態であった。

事故の原因 刈払機の飛散防護装置が取り外されており、刈刃に接触しやすい状況であった。

急傾斜地を斜面の下方に向かって刈り進んだため、姿勢が不安定となり、刈刃に、足が近づきやすい状態であった。

現場において無線等による作業者間の連絡方法が無かったため、救助を求めることが出来なかった。

結果(けが・死亡・周囲への影響) 被災者は死亡した。
防げたポイント 刈払機の飛散防護装置は取り外さないで使用する。

急傾斜地では、刈払機を使用して斜面の下方に向かって刈り進まない。

作業中、作業者相互で連絡を取りあえるよう、呼び子を吹く、トランシーバーを使う等の連絡方法を決めておくとともに、連絡方法に応じた用具を作業者個々人に常に携帯させる。

参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

事例3:刈払機の切断といしが破壊

 

発生状況 5名1組での下刈作業において、被災者は前日に使用した刈払機の研磨作業を1人で行うよう指示された。

他の4名が作業していたところ、バーンという音が聞こえたため駆け付けたが、被災者は意識を失って倒れていた。

事故の原因 切断といしの破壊による危険を防止するための覆いが設けられていなかった。

切断といしを正しく扱わなかった。

結果(けが・死亡・周囲への影響) 被災者は死亡した。
防げたポイント 研削作業を行うために使用する研削盤は、研削盤構造規格に適合したものとする。

作業に必要な教育を受けさせる。

参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

事故の背景・原因分析

事故の背景・原因分析

これらの事故には刈払機の安全な使用・点検方法の知識不足による背景が伺えます。また保護具を着用していなかったことも原因のひとつです。

最初の事例のように、自分の使用する刈払機が他者を傷つける可能性もあります。

管理者や有識者が刈払機の危険性について、KY活動等を通して周りと共有していれば、事故は防げたかもしれません。

刈払機よる災害を防ぐための現場対策と教育

刈払機よる災害を防ぐための現場対策と教育

刈払機は林業以外にも幅広い分野で使用されており、立ち姿勢で歩行しながら両手を使って刈払います。

刈刃による切創の他にも、転倒や刈刃が跳ね返ってきて負傷する災害リスクがあります。また、振動障害や熱中症が発生するおそれもあります。

現場の管理者は、刈払機を使用する作業者に刈払機安全衛生教育を受講させ、安全な使用方法や点検方法を一人ひとり意識させることが重要です。

また、熱中症等の健康管理や、雨天時の作業指示を適切に行うことが大切です。

まとめ

まとめ

刈払機は草刈機とも呼ばれているため、工具としては身近に感じるかもしれません。

しかし今回ご紹介したように、刈払機による事故は誰にでも起こりうる可能性があります。

「刈払機取扱作業者安全衛生教育」は受講義務がある特別教育ではないものの、受講が強く推奨されている講習です。業務上刈払機を取り扱う事業所では、多くの従業員に受講してもらうべき講習といえるでしょう。

CIC日本建設情報センターでは、Web(オンライン)講習を実施しています。ベトナム語・インドネシア語・英語にも対応(字幕)していますので、幅広いニーズにお応えしています。

さらにAI顔認証システム導入により、「受講者様本人が、規程時間すべての教育を受講したのか」を正確に特定します。これにより、各受講者様が確実に教育を受けていることを保証しています。ぜひ受講をご検討ください。

受講についての詳しい内容はこちらをご覧ください。


CIC刈払機取扱作業者安全衛生教育

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