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職長・安全衛生責任者教育とは?職長教育との違いと・対象者・講習時間を解説

職長・安全衛生責任者教育とは?職長教育との違いと・対象者・講習時間を解説

公開日:2024年5月22日 更新日:2026年10月26日

建設業や製造業など特定の業種では、新たに現場の職長に就く従業員に職長教育を受けさせることが、事業者に義務付けられています。また、建設現場などで安全衛生責任者を兼ねる場合は、安全衛生責任者教育もあわせて受講するのが一般的です。

「職長教育だけ受ければよいのか」「安全衛生責任者教育もセットで受けるべきか」と迷う事業者の方も多いでしょう。

この記事では、職長教育と安全衛生責任者教育の違いを整理したうえで、「職長教育(職長教育のみ)」と「職長・安全衛生責任者教育(職長教育・安全衛生責任者教育のセット受講)」のどちらを選ぶべきかを、業種・働き方別に解説します。


CIC職長・安全衛生責任者教育講習


CIC職長教育講習

目次

職長・安全衛生責任者教育の基本について解説

職長・安全衛生責任者教育

まずは職長教育と安全衛生責任者教育それぞれの目的と、受講にあたっての基本を確認しましょう。

職長教育とは

職長教育とは、作業現場で労働者を直接指導・監督する立場に新たに就く人を対象とした教育です。

職長の主な職務には、作業方法の決定や労働者の配置、作業手順の指導、安全確認、労働災害防止のための改善活動などがあります。建設現場や工場では、重機や機械設備が稼働するなかで作業が進むため、職長が現場全体を見渡し、必要な指示や注意を与えることが事故の防止につながります。

労働安全衛生法第60条では、建設業や製造業などの対象業種において、新たに職長などの職務に就く労働者に対し、事業者が安全衛生教育を実施することを義務付けています。職長教育を通じて、現場の安全管理に必要な知識と指導・監督の方法が身に付きます。

安全衛生責任者教育とは

安全衛生責任者教育とは、安全衛生責任者として務める人が、その職務に必要な知識を習得するための教育です。

建設業や造船業の現場では、元請と下請など複数の事業者の労働者が同じ場所で作業します。このような現場で全体の安全衛生管理を統括するのが、元請が選任する統括安全衛生責任者です。

一方、安全衛生責任者は、下請など各事業者の代表として、統括安全衛生責任者との連絡、関係者への情報伝達、作業間の連絡・調整などを担う役割です。事業者間の連絡や調整が不十分だと、作業の重複や危険な状況が発生し、労働災害につながるおそれがあります。

安全衛生責任者の選任については労働安全衛生法第16条に規定されており、教育については関係通達などに基づき実施が求められています。

職長・安全衛生責任者に資格は不要、受講資格も特になし

職長や安全衛生責任者に就くために、国家資格や免許を取得する必要はありません。ただし、労働安全衛生法に基づく職長教育の対象者については、事業者が所定の安全衛生教育を実施する必要があります。 現場によっては、教育の修了証の提示を求められる場合があります。

受講にあたって年齢や経験などの制限はなく、「職長教育」、職長・安全衛生責任者教育ともに誰でも受講できます。試験の有無や修了証の有効期限については、『職長・安全衛生責任者教育は資格試験?受講資格などをわかりやすく紹介』で詳しく解説しています。

職長教育と安全衛生責任者教育の違い

職長教育と安全衛生責任者教育の違い

職長教育と安全衛生責任者教育は、受講対象者、対象業種、講習内容と時間が異なります。この違いを理解すると、「職長教育」と「職長・安全衛生責任者教育」のどちらが必要か判断しやすくなります。

受講対象者の違い

職長教育の対象は、新たに作業中の労働者を直接指導・監督する職務に就く人です。「職長」という役職名に限らず、「班長」「リーダー」「主任」「ライン長」など、実際に現場で労働者を指導・監督する立場に就く人が対象となります。

一方、安全衛生責任者は、建設業などで複数の事業者が同じ場所で作業する現場において、自社の代表として統括安全衛生責任者と連絡・調整を行う立場の人です。

建設業では職長が安全衛生責任者を兼務することが多いため、厚生労働省は両方の教育を組み合わせた「職長・安全衛生責任者教育」の実施を推進しています。

対象業種の違い

「職長教育」は、労働安全衛生法施行令第19条に定められた業種が対象です。主な対象業種は、建設業、製造業(一部の業種を除く)、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業です。

また、令和5年(2023年)4月1日からは、施行令の改正により対象業種が拡大されました。新たに対象となったのは、これまで対象外だった食料品製造業の一部と、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業です。この改正により、すべての食料品製造業が職長教育の対象業種となりました。

一方、安全衛生責任者の選任は、主に建設業や造船業のように、元請・下請の労働者が同じ場所で作業する現場に関係するものです。そのため、自社の工場内で作業が完結する製造業などでは、安全衛生責任者教育が必要ないケースもあります。

講習内容と時間の違い

職長教育は5科目・合計12時間です。安全衛生責任者教育をあわせて受講する場合は、これに2科目・2時間が加わり、合計14時間になります。

科目 職長教育 職長・安全衛生責任者教育
作業方法の決定及び労働者の配置に関すること(2時間) ○ ○
労働者に対する指導又は監督の方法に関すること(2時間30分) ○ ○
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること(4時間) ○ ○
異常時等における措置に関すること(1時間30分) ○ ○
その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること(2時間) ○ ○
安全衛生責任者の職務等(1時間) × ○
統括安全衛生管理の進め方(1時間) × ○
合計 12時間 14時間

追加の2科目では、安全衛生責任者の役割や心構え、安全施工サイクルや安全工程打合せの進め方など、元請や他の下請業者との連絡・調整に必要な内容を学びます。各科目で学ぶ内容の詳細は、『職長・安全衛生責任者教育の講習内容とは?受講方法も紹介』で解説しています。


CIC職長・安全衛生責任者教育講習


CIC職長教育講習

「職長教育」と「職長・安全衛生責任者教育」どちらを受けるべき?

作業員

職長教育と安全衛生責任者教育は、まとめて受講することも、職長教育だけを受講することもできます。どちらが適しているかは、業種と現場での働き方で決まります。

「職長教育(職長のみ)」講座とは

「職長教育」とは、「職長・安全衛生責任者教育」から安全衛生責任者の2科目を除いた、職長教育の5科目・12時間だけを受講する講習です。

労働安全衛生法第60条で定められた「職長教育」の内容はすべて含まれるため、修了すれば職長としての教育を修了したことになります。安全衛生責任者の職務を担う予定がなければ、受講時間を2時間短くできます。

項目 職長教育 職長・安全衛生責任者教育
講習時間 12時間 14時間
科目数 5科目 7科目
主な業種 製造業、食料品製造業、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業、新聞・出版・製本・印刷物加工業など 建設業、造船業
想定する現場 自社の工場や作業場で作業が完結する 元請・下請など複数の事業者が同じ場所で作業する
修了で担える役割 職長 職長・安全衛生責任者

職長教育が向いている人

次のような方は、「職長教育」で十分なケースが多いでしょう。

  • 製造業や自動車整備業などで、自社の工場・作業場内で部下を指導・監督する方
  • 2023年4月に新たに対象となった食料品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業で、新たに班長やライン長に就く方
  • 元請・下請が混在する現場に入る予定がなく、安全衛生責任者に選任される見込みがない方

複数の工場や拠点で新任の班長やリーダーをまとめて教育する場合も、安全衛生責任者教育を必要としない方であれば、12時間の「職長教育」を選ぶことで、必要な教育内容を習得しながら受講時間の負担を抑えられます。

職長・安全衛生責任者教育(セット受講)が向いている人

一方、次のような方はセットの「職長・安全衛生責任者教育」がおすすめです。

  • 建設業で、下請として元請の現場に入る方
  • 造船業で、複数の事業者が同じ場所で作業する現場を持つ方
  • 現在は工場勤務でも、将来的に建設現場などで安全衛生責任者を任される可能性がある方

建設現場では、元請から「職長・安全衛生責任者教育」の修了証の提示を求められることもあります。どちらか迷う場合は、セットでの受講を選んでおくと安心です。

職長教育の修了後に安全衛生責任者教育が必要になったら

「職長教育」を修了したあとに安全衛生責任者を任されることになった場合は、安全衛生責任者として必要な教育を別途受講する必要があります。 また、近い将来、安全衛生責任者を兼務する可能性がある方は、はじめから「職長・安全衛生責任者教育」を受講しておくと、改めて教育を受ける負担を軽減できます。

職長・安全衛生責任者教育を受講する際の注意点

注意点

「職長教育」・「職長・安全衛生責任者教育」のどちらを選ぶ場合も、再教育(能力向上教育)とWeb講座の要件には注意が必要です。

定期的な再教育(能力向上教育)が推奨されている

職長教育・安全衛生責任者教育の修了証に有効期限はなく、更新手続きも必要ありません。ただし厚生労働省は、職長等に対しておおむね5年ごと、または使用する機械設備に大幅な変更があったときに、能力向上教育(再教育)を行うことを推奨しています。

Web講座は厚生労働省の要件を満たしているか確認する

「職長・安全衛生責任者教育」は、インターネットを利用した通信講座でも受講できます。会場への移動が不要なため、全国各地に勤務する従業員の教育や、業務の都合で集合講習への参加が難しい場合にも活用できます。

ただし、「職長教育」をWeb(オンライン)で実施する場合も、所定の教育時間や教育内容を満たす必要があります。また、討議方式で実施する科目については、受講者同士が双方向に意見交換できる環境を確保するなど、厚生労働省が示す実施要件に適合していることが重要です。そのため、Web講座を選ぶ際は、動画視聴だけなく、討議方式による教育が適切に実施されているかについても確認しましょう。

これは、2021年(令和3年)1月25日付の厚生労働省通達「インターネット等を介したeラーニング等により行われる労働安全衛生法に基づく安全衛生教育等の実施について」などで示されているものです。動画を視聴するだけの講座では要件を満たさないため、申し込む前に確認しましょう。

CIC日本建設情報センターの「職長教育」「職長・安全衛生責任者教育」は、どちらもWebで受講できる講座です。動画学習とオンラインでのグループ討議を組み合わせて実施しています。動画学習は受講者それぞれの予定に合わせて進められ、グループ討議にはスマートフォンやパソコンからZoomで参加できます。会場へ通う必要はありません。予定していたグループ討議への参加が難しくなった場合も、受講期間内であれば手数料なしで日程を変更できます。

各講座の詳細・受講申込みは、「職長教育」「職長・安全衛生責任者教育」からご確認ください!

まとめ

職長・安全衛生責任者教育

「職長教育」は、建設業や製造業などの対象業種で、新たに現場の労働者を指導・監督する立場に就く人が受講する教育です。安全衛生責任者教育は、建設業や造船業など複数の事業者が同じ場所で作業する現場で、統括安全衛生責任者との連絡・調整を担う人が受講します。

製造業などで安全衛生責任者の職務を担わない場合は、「職長教育(12時間)」が適しています。一方、建設現場などで職長と安全衛生責任者を兼務する場合は、「職長・安全衛生責任者(14時間)」を選ぶとよいでしょう。 受講する教育は、業種だけでなく、実際に担当する職務や現場の状況に応じて判断することが大切です。

Web講座を利用する場合は、受講者同士の討議など、厚生労働省の通達の要件を満たした講座を選ぶことが大切です。

CIC日本建設情報センターでは、「職長教育」と「職長・安全衛生責任者教育」の2つの講座をご用意しております。
どちらもWebで受講でき、会場へ通う必要はありません。職務に合わせてお選びください。


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