施工管理技士合格をアシスト
建設業特化の受験対策

消防設備士甲種4類とは?試験概要や難易度、合格するための勉強方法を紹介

公開日:2022年8月12日 更新日:2023年3月29日

消防設備士甲種4類とは?試験概要や難易度、合格するための勉強方法を紹介

消防設備士甲種4類とは?
試験概要や難易度、合格するための勉強方法を紹介

消防設備士甲種4類

「消防設備士甲4種とはどんな資格?」
「例年の合格率や難易度は?」
「どのような勉強方法が効率的なの?」

本記事では、そのような疑問を持つ方のために、消防設備士の資格試験について詳しく解説しています。

独学での合格を目指そうと考えている方や、通信講座の利用を考えている方にとっても、
きっと役立てていただける内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

消防設備士甲種4類とは?

消防設備士とは建物の消防設備に関する工事や点検・整備を行うことができる国家資格です。

消防設備には消火器、スプリンクラー、泡消火設備、自動火災報知設備、避難梯子といった様々なものがあります。消防設備士甲種4類では主に自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、火災通報装置などを取り扱います。

これらの設備は、火災が発生した時の熱や煙、ガス漏れ等を自動で感知し、建物内にいる人たちや所轄の消防機関等に迅速に火災の発生を伝達する、重要な役割をもった電気設備です。

消防設備士には乙種と甲種がある

消防設備士には乙種と甲種という二種類があります。
乙種は当該消防設備の整備・点検ができるのに対し、甲種は整備・点検のほか機器の設置や取換などの工事ができるようになります。

消防設備士甲種4類でできることと仕事内容

消防設備士甲種4類では、自動火災報知設備、ガス漏れ火災報知設備、火災通報装置など主に電気に関係する消防設備の整備・点検・工事ができます。

消防設備は火災などの有事の際、いかなる時であっても機能し、使用できる状態でなければなりません。自動火災報知設備が整備や点検を怠ってしまい、消防設備機器の故障や不具合に気がつかず、工事で取換や修理をしていなかったらどうなるでしょうか?
火災時に正常に機能せず発報しなければ、その建物の中にいる人たちは逃げ遅れてしまいます。また、消防機関への連絡が遅くなってしまうと消火活動も遅れてしまい、延焼が進んでしまいます。

消防設備は、建物において人命に関わる重要な設備であり、消防設備士の仕事は責任重大でやりがいのある仕事です。
そして、消防設備士甲種4類の資格が求められている求人も多く、この資格を持っていると職場において重宝されます。

乙種4類との違い

乙種4類との違いは下記のとおりです。

  • 仕事の範囲
    自動火災報知設備などについて、乙種は「整備」「点検」を行えますが、甲種では「工事」も可能になります。
  • 受験資格
    乙種は誰でも受験できますが、甲種には受験資格があります。(下記「受験資格」をご参照ください)
  • 受験料
    乙種は3,800円、甲種は5,700円です。
  • 試験内容
    試験科目:筆記試験の「工事」に関わる内容と実技の「製図」は乙種にはありません。
    設問数:乙種は筆記30問+実技5問に対して、甲種は筆記45問+実技7問
    試験時間:乙種は1時間45分、甲種は3時間15分と、甲種の試験時間がより長いです。
  • その他
    甲種は、乙種に比べて仕事の範囲が広範囲になるため、職場によっては甲種の資格を持っていると手当がつくところもあります。

消防設備士甲種4類試験の概要

受験資格

一般財団法人試験センターのホームページに受験資格についての詳しい記載があります。

難しい用語でわかりにくいところもありますのでこの記事でも少しわかりやすく説明します。

詳細は下記のとおりです。

甲種4類の受験資格は大きく2種類に分かれており、国家資格等によるものと学歴によるものがあります。

<国家資格等によるもの>
(1) 4類以外のいずれかの甲種消防設備士
(2) 乙種消防設備士を取得し、2年以上の消防用設備の整備経験をもつ者
(3) 技術士の第2次試験に合格している者
(4) 電気工事士(第一種または第二種)
(5) 電気主任技術者(第一種~第三種)
(6) 消防用設備の工事補助として、5年以上の実務経験をもつ者
(7) 専門学校卒業程度検定試験(機械、電気、工業化学、土木または建築に関する部門)の合格者
(8) 管工事施工管理技士(1級または2級)
(9) 高等教育の「工業」の免許を持つ者
(10) 無線従事者(アマチュア無線技士)の免許を持つ者
(11) 建築士(1級または2級)
(12) 配管技能士(1級または2級)
(13) ガス主任技術者
(14) 給水装置工事主任技術者
(15) 旧給水責任技術者
(16) 消防行政に関わる事務のうち、消防用設備に関する事務の実務経験を3年以上持つ者(消防機関または市町村役場などの行政機関の職員が対象)
(17) 昭和41年4月21日以前(消防法施行規則の一部を改正する省令の施行前)に消防用設備等の工事において3年以上の実務経験を持つ者
(18) 昭和41年10月1日以前の東京都火災予防条例による旧消防設備士


<学歴によるもの>

※近年、学部や学科名が多様化されていることなどから、自分の卒業した学部や学科が受験資格として該当しているか不明である場合は、

一般財団法人試験センターのホームページに一覧表が添付されていますのでご参照下さい。

(1) 下記の学校で機械、電気、工業化学、土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者
・大学、短期大学、または高等専門学校(5年制)
・高等学校および中等教育学校(旧制中等学校も含む)
・旧制の大学および専門学校
・外国の学校で日本の大学、短期大学、高等専門学校または高等学校に相当する学校

(2) 下記の学校で機械、電気、工業化学、土木または建築に関する学科において15単位以上修得した者
・大学、短期大学、高等専門学校(5年制)または専修学校など
・防衛大学校または防衛医科大学校
・職業能力開発総合大学校、職業能力開発短期大学校、職業訓練大学校、職業訓練短期大学校、中央職業訓練所
・水産大学校
・海上保安大学校
・気象大学校

(3) 理学、工学、農学または薬学のいずれかに相当する専攻分野を付記された修士または博士

受験料

甲種は試験手数料として5,700円(非課税)が必要です。
支払方法については、「書面申請」と「電子申請」の申請方法によって異なりますので下記をご参照下さい。

<書面申請>
ゆうちょ銀行または郵便局窓口での払込となります。※所定の払込手数料が必要です

<電子申請>
受験料の払込方法については下記の方法が選択できます。※別途払込手数料が必要です
・ペイジー(Pay-easy)決済
・コンビニエンスストア決済(セブンーイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、セイコーマート)
・クレジットカード決済(VISA、Master Card、JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナース)

会場・試験日程など

一般財団法人消防試験研究センターは全国に支部があるため、日本各地で受験が可能です。
但し、試験日程については各支部によって違いがあるため、自分の希望する受験地の支部スケジュールをホームページで確認しましょう。
参考として、令和3年度の各支部における試験日程スケジュールについて参考URLを記載しますのでご参照ください。
<令和3年度後期(2021年10月~2022年3月まで)試験日程について>

受験の流れ

消防試験研究センター各支部のホームページにおいて、受験申請から試験までの一連のフローが説明されています。

また、各支部によって独自の通達事項などが記載されていることもありますので、必ずご自身が受験する地域の支部ホームページをよく確認するようにしましょう。
ここでは、受験申請における注意点を取り上げていきます。

受験申請について

書類を郵送することによる「書面申請」、またはインターネットにおいて申請する「電子申請」の2通りがあります。
「書面申請」「電子申請」のどちらで申請するかによって申請受付期間が異なりますので、気をつけましょう。
※「電子申請」の方が「書面申請」より受付開始~締切の期間が数日早いため注意が必要です

また、近年は新型コロナウイルスの影響もあり、試験会場では感染対策を行いながら試験を実施します。
受験者同士の離隔を取りながら座席を埋めていきますので、例年よりも試験会場の定員が少なくなる傾向があります。
そのため、申請者が試験会場の定員に達したら受付期間内であっても受付を締め切ることがあるようです。

<書面申請>

消防試験研究センター支部、消防本部窓口等で願書を入手しましょう。県によっては書店で願書を入手することもできるようです。願書の入手先は消防試験センター支部のホームページに一覧が記載されていますので確認しましょう。
同時進行で願書の他に必要となる書類についての準備も進めましょう。

(申請に必要な書類)

  • 受験願書(「郵便振替払込受付証明書」を添付)
  • 受験資格を証明する書類(免許や卒業証書のコピー等)※卒業証明書、単位修得証明書、科目履修証明書については原本の提出です(コピー不可)
  • 他の種類の消防設備士免許のコピー(※所有者のみ)
  • 試験の一部免除を受ける者は免除の資格を証明する書類など

<電子申請>

受験資格等を証明する書類の添付が必要な方は電子申請ができませんので書面申請となります。
また、甲種4類以外の試験を同一試験日に複数受験する場合も電子申請はできないので書面申請となります。

電子申請は、申請後に消防試験研究センター支部から受験票が郵送されません。
自分で受験票を印刷しておかなければならないので忘れずに当日までに準備をしておきましょう。

試験科目

消防設備士甲種4類の試験科目は下記の通りです。
試験科目は筆記と実技の2つの種別になっており、それぞれ試験時間が決められています。

筆記は全45問となっており試験時間は2時間15分です。

  • 「法令」…共通、類別15問
  • 「基礎的知識」…電気10問
  • 「構造、機能、工事・点検」…電気、規格20問

実技は全7問で試験時間は1時間になります。

  • 「鑑別」…5問(試験時間:15分)
  • 「製図」…2問(試験時間:45分)

消防設備士甲種4類の合格率・難易度

直近5年間の合格率は下記の表をご覧ください。

年度 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年
/令和元年
令和2年
受験者数 19,301 19,033 18,484 17,361 16,554
合格者数 6,403 5,845 5,986 5,831 6,159
合格率 33.2% 30.7% 32.4% 33.6% 37.2%

※参考:一般財団法人消防試験研究センター試験実施状況より

平成28年は33.2%、平成29年は30.7%、平成30年は32.4%、平成31年/令和元年は33.6%、令和2年は37.2%と例年30%台となっています。

試験は科目ごとに40%以上かつ試験全体で60%以上の点数が合格点となります。
合格者定員が決められている競争試験ではなく、合格点をとってしまえば誰でも合格できます。つまり、コツコツと勉強していれば合格が可能な試験ということです。

消防設備士甲種4類に合格するための勉強方法

消防設備士甲種4類に関する参考書や問題集、過去問を1冊購入し、その1冊をとことんやり込みましょう。何冊にも渡って複数に手を出す必要はありません。

また、学習方法については人によって得意・不得意がありますので、一概にこの方法が良い!と断言はできませんが、テキストを読んで暗記するだけではなく、問題演習をこなす方が問題を解くことに慣れるという観点ではおすすめです。
内容を理解することは大事なことですが、問題を解き慣れることの方がこの試験に合格することに関しては効果があります。

また、前述のとおり、消防設備士の試験は科目ごとに40%以上の点数をとる必要があります。要するに、これは足切りです。よって、苦手科目を捨てて得意科目に集中する、という方法をとることができません。
試験に合格するためにはどの科目においても足切りにならないように、バランスよく勉強しておく必要があります。

また、「鑑別」科目の勉強に関しての注意点です。
感知器の種類やその他設備機器名は必ず正確に漢字で書けるよう練習しておきましょう。漢字が書けずにひらがなで解答してしまったり、字を間違えた場合は減点になってしまうため注意しましょう。

必要な勉強時間はどれくらい?

勉強時間についても、個人の知識量や能力、経験により差があるので絶対という基準はありませんが、およそ1日1時間程度の勉強を3か月くらい続ければ合格は手に届くものになります。

過去問などを一通り解いてみると、「完璧に理解している」、「ぼんやりとした理解程度」、「何もわからず手も足もでなかった」といったように現在の自分の理解度が把握できますので、それによって勉強時間を増やしたり減らしたりと調整をするとよいでしょう。

甲種4類の製図対策

消防設備士甲種4類で一番の難関、「製図」についてです。

なぜ難関といわれているのかというと、明確な解答というものがなく、なかなか独学が難しいからです。「製図」を出題する意図とは何なのかというと、受験者の「設置基準の理解度を確かめること」にあります。

はじめは、問題集の解答を見ながら丸写しでも良いので、製図問題の答案を作成しましょう。それを繰り返しているうちに、次第に解答を見なくても答案を書けるようになりますので、そこまで達成できたら今度はしっかりと解説を読み込んで内容を理解しましょう。
この工程を積み上げていくことで、段々と製図問題は自力で解けるようになっていきます。

独学での合格は可能なのか?

3か月くらい前からコツコツと準備をしていけば、文系・理系に関係なく、独学での合格は十分に可能です。
自分の1日の生活スケジュールを見直して、1時間程度でも良いので日々勉強に充てる時間を捻出してみてください。

独学に限界を感じたら通信講座などを利用

独学ではどうも捗らない、勉強する時間がどうしても作れないくらい忙しい、より効率よく短時間で試験に合格したい、そのような方は通信講座を利用するのもおすすめです。

講師の解説動画を空き時間や移動中に視聴したり、わからないことはメール等で相談ができるなど、独学にはない充実したサポートを受けられます。

まとめ

いかがでしたか?

消防設備士甲種4類の試験は、何も準備をせずに試験本番を迎えた場合、おそらく合格は難しいでしょう。
しかし、試験の傾向と対策などのポイントを抑えて、きちんと準備すれば十分合格が狙える試験です。自分に合った勉強方法でしっかりと試験対策をして、消防設備士甲種4類合格を勝ち取りましょう。


CIC日本建設情報センターの消防設備士受験対策講座について詳しく知りたい方はこちら


CIC日本建設情報センターの消防設備士受験対策講座に関する資料の請求はこちら

    一覧へ戻る

    関連コラム

    各種お問合せ

    資料請求・講座申込み・ご質問などはフォームまたはお電話でお問合せください

    TEL:0120-129-209
    PAGETOP