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電気工事士の独立はどうなの?年収・仕事内容から成功のポイントまで解説

公開日:2025年10月24日 更新日:2025年10月24日

電気工事士の独立はどうなの?年収・仕事内容から成功のポイントまで解説

電気工事士の独立はどうなの?年収・仕事内容から成功のポイントまで解説

電気工事の業界で働いている・働くことを考えている方であれば、「電気工事士の独立はどうなの?やっぱり難しい?」と気になることもあるのではないでしょうか。
電気工事士の独立を上手くできれば、自由な働き方を実現できるだけでなく、年収1,000万円以上も狙えます。一方で、安定収入から不安定な収入への変化や、すべての責任を自分で負うリスクも伴うなど、難しさを兼ね備えているのも事実です。
この記事では、電気工事士の独立について詳しく解説します。成功のポイントや欠かせない資格・スキルなども触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。


CIC電気工事士

目次

電気工事士としての独立とは?年収と働き方の実態

電気工事士としての独立とは?年収と働き方の実態

まず始めに、電気工事士としての独立について解説していきます。年収と働き方の実態についてみていきましょう。

電気工事士の平均年収は?

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、電気工事士の平均年収は以下の通りです。

年代 年齢 平均年収
20代 20~24歳 354万円
25~29歳 416万円
30代 30~34歳 463万円
35~39歳 501万円
40代 40~44歳 518万円
45~49歳 585万円

表をみると、電気工事士の年収は年代が上がるにつれて年収も上昇し、40代後半には585万円に達することがわかります。電気工事士は経験を積むことで着実に収入を増やせる職業です。

また、独立を成功させることで年収1,000万円以上を実現できる可能性もあります。もちろん簡単な道ではありませんが、1つの目標として設定することで、独立のモチベーションを維持しやすくなるでしょう。

独立のメリット・デメリット

以下の表は、電気工事士の独立のメリット・デメリットをまとめたものです。

メリット デメリット
・収入に上限がなく、努力次第で大幅な年収アップが可能
・働く時間や休日を自分で決められ、プライベートとの両立がしやすい
・自分で仕事を選べ、やりがいのある案件に集中できる
・毎月の収入が不安定で、受注状況に大きく左右される
・事務作業(経理、税務申告、社会保険手続き等)を自分で行う必要がある
・仕事中の事故やミスの責任をすべて自身で負わなければならない

電気工事士として独立する最大のメリットは、収入の上限がなくなり、自分の努力次第で収入を増やせる点です。また、働く時間や休日、仕事内容を自由に決められるため、ワークライフバランスを重視した働き方も実現できます。

一方で、収入が不安定になること、会社員時代は会社が対応していた事務作業を全て自分で行う必要があること、仕事中の事故やミスの責任を全て自分で負う必要があることなどはデメリットとして挙げられるでしょう。

電気工事士としての独立に必要な資格とスキル

電気工事士としての独立に必要な資格とスキル

電気工事士として独立開業するためには、法律上必要な資格の取得はもちろん、関連資格の取得も重要です。また、技術力だけでなく、顧客対応や見積作成、資金繰りといった経営者としてのスキルも成功には必要不可欠といえます

ここでは、最低限必要な資格・関連資格・視覚以外で独立に必要な経営・営業スキルを詳しく解説していきます。

最低限必要な資格|第一種・第二種電気工事士

まず必要な資格は、第一種・第二種電気工事士です。電気工事士の資格には第一種と第二種があり、それぞれ扱える工事の範囲が異なります。

資格 工事可能範囲 具体例
第二種電気工事士 一般用電気工作物 一般住宅、小規模店舗、事務所など
第一種電気工事士 自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備など) 工場、ビル、大型商業施設など

独立を考えるならば、扱える工事の範囲が格段に広がる第一種電気工事士の取得をおすすめします。第二種のみでは一般電気工作物に限定されてしまいますが、第一種を取得することで工場やビルなどの大規模案件も受注可能となり、収入の可能性が大きく広がるためです。

なお、第一種電気工事士免状の取得には、試験合格後に実務経験が必要です。大学や高専で電気工学に関する課程を修めて卒業した方は3年以上、それ以外の方は5年以上の実務経験が必要となることも把握しておきましょう。


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関連資格|電気工事施工管理技士・消防設備士など

電気工事士として独立後、1級・2級電気工事施工管理技士を取得すれば、建設業許可を得て、元請として大規模工事の受注と収益性向上が期待できます。また、消防設備士や認定電気工事従事者などの関連資格を取得することで業務範囲が広がり、火災報知器やネオン工事なども対応できるでしょう。

ほかにも、近年需要が高まっている太陽光発電設備やEV充電設備に関する工事の専門知識も有しておくと自身の付加価値が高まります。

電気工事施工管理技士消防設備士などの資格は、CIC日本建設情報センターでもWeb講座を提供しております。どう取得するのが良いかお悩みの方は、ぜひ受講をご検討ください。


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資格以外で独立に必要な経営・営業スキル

独立の場合、資格以外でもコミュニケーション能力や事務能力が求められます。電気工事以外の業務を伴うためです。

例えば、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力は、独立後の成功に直結するスキルです。技術的な説明を分かりやすく伝えつつ、顧客の要望を的確に把握する能力が求められます。

事務能力に関しては、適切な価格で見積書を作成する積算能力が大切です。安すぎれば利益が出ず、高すぎれば仕事を失うことになります。また、事業計画を立て、資金繰りを管理する経営管理能力がなければ、技術力が高くても事業継続は難しくなるでしょう。売掛金の回収管理や、材料費の仕入れ交渉など、経営者としての判断が日々求められます。

ほかにも、自身の技術やサービスをアピールし、仕事を獲得するための営業力も欠かせません。近隣への挨拶回りや名刺配布、自社Webサイトの作成、SNSでの情報発信など、様々な方法で認知度を高める努力が必要です。

電気工事士の独立で失敗しないためのポイント

電気工事士の独立で失敗しないためのポイント

電気工事士の独立で失敗しないためのポイントは、主に以下の4つです。

  • 独立の前から人脈を形成しておく
  • 資金管理の徹底と運転資金の確保
  • 安全管理と法令遵守の意識を持つ
  • 継続的な知識・技術のアップデート

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

ポイント1. 独立の前から人脈を形成しておく

独立当初の収入源は、会社員時代の同業者や取引先からの紹介による人脈形成が大切です。誠実な仕事と丁寧なコミュニケーションを心がけ、継続的な仕事紹介に繋がる関係性を築きましょう。

また、地域の建設業組合や商工会への加入も大切です。定期的な会合や勉強会で横のつながりを築き、仕事を紹介し合える関係を目指す必要があります。

人脈形成以外では、納期厳守や品質確保といった基本を徹底し、信頼関係を構築することが何よりも大切です。小さな約束も守り、トラブルには迅速かつ誠実に対応することで、長期的な信頼を得ることができるでしょう。

ポイント2. 資金管理の徹底と運転資金の確保

事業継続には正確な財務管理が必要不可欠です。まずは会計ソフトで入出金を記録し、月次で収支を確認する習慣をつけましょう。

見積もりは材料費、人件費、諸経費を正確に積算し、適切な利益を上乗せして作成します。また、建設業界の入金タイムラグを考慮して、常に3ヶ月分以上の運転資金を確保しましょう。予期せぬ出費に備え、利益の一部を内部留保しておくことも大切です。

ポイント3. 安全管理と法令遵守の意識を持つ

電気工事は、感電や火災などの重大事故につながる危険な作業であり、独立後は安全管理の責任がすべて自分自身にかかります。労働安全衛生法などの法令遵守はもちろん、作業前の安全確認や適切な保護具の使用を徹底しましょう。

また、ヘルメットや安全帯、絶縁手袋などの保護具は、常に安全を担保できる状態を保つことが大切です。安全への投資は、事故による工事中断や信用失墜、賠償責任といった計り知れない損失の防止につながるため、惜しまずに行いましょう。

必要に応じて特別教育や安全衛生教育の受講もご検討ください。CIC日本建設情報センターでは、建設・電気業界における多くの特別教育・安全衛生教育のWeb講座を提供しておりますので、スムーズに受講してもらいたい場合にもおすすめです。

ポイント4. 継続的な知識・技術のアップデート

電気工事士の独立では、法令や技術基準の最新情報を常に収集し、スマートホームや省エネ設備といった新しい技術やトレンドに対応できる知識とスキルの習得も欠かせません。

また、資格取得後もセミナーや講習会に積極的に参加し、自身の技術力や知識をアップデートし続けることで、競合との差別化を図り、高単価案件の受注を目指してみましょう。技術力の進歩は継続的なものであり、油断せず仕事に従事することが大切です。

まとめ

まとめ

電気工事士としての独立は、収入の可能性を大きく広げる魅力的な選択肢です。年収1,000万円以上も十分に実現可能である一方、安定した収入を得るまでには十分な準備と努力、資格やスキルが求められます。

第一種電気工事士をはじめとする必要な資格の取得、人脈形成や資金管理、安全管理や継続的な学習などのポイントを把握しておくことで、独立後の成功につながります。独立は決して簡単な道ではありませんが、上手くいけば会社員時代には得られなかった自由とやりがいなども得られるでしょう。

CIC日本建設情報センターでは、電気工事士をはじめ、電気業界の資格や特別教育、安全衛生教育のWeb講座を提供しております。受講者がモチベーションを維持しながら効率的に学習できる内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。


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