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マリコン大手5社の特徴と売上高、平均年収を徹底比較

公開日:2026年4月30日 更新日:2026年4月30日

マリコン大手5社の特徴と売上高、平均年収を徹底比較

マリコン大手5社の特徴と売上高、平均年収を徹底比較

四方を海に囲まれた日本において、港湾や海岸線の整備は国家の根幹を支える極めて重要なプロジェクトです。これらの海洋土木を専門に担う「マリコン(マリン・コンストラクター)」は、一般的なゼネコンの中でも特殊な技能と設備を保有する技術集団として独自の地位を築いています。

近年では、カーボンニュートラルの実現に向けた「洋上風力発電」の建設や、深刻化する自然災害に対する「防災・減災」対策など、マリコンが活躍するフィールドはこれまで以上に拡大しており、建設業界内でも高い注目を集めています。

本記事では、マリコン業界を牽引する大手5社(五洋建設・東亜建設工業・東洋建設・若築建設・本間組)に焦点を当て、各社の得意領域や事業戦略、最新の売上高、そして気になる平均年収を多角的に比較・解説します。専門性が高いマリコン業界でキャリアアップのために必要とされる国家資格についてもご紹介しているので、就職先を考える際や、自分を成長させるヒントとして、ぜひご覧ください。。

目次

マリコン(マリン・コンストラクター)とは?

マリコン(マリン・コンストラクター)とは?

マリコンとは「マリン・コントラクター」の略称で、総合建設業(ゼネコン)の中でも特に港湾・護岸・海底トンネル・橋梁の基礎といった「海洋土木工事」に特化した企業を指します。

海洋土木は、常に波や潮位、潮流といった自然の脅威と隣り合わせの現場です。そのため、浚渫船(しゅんせつせん)や起重機船、深層混合処理船といった巨大な専用作業船を自社で保有・運用する能力が求められます。

主な事業領域は以下の通りです。

  • 埋立・浚渫(しゅんせつ): 海底の土砂をさらい、航路を確保したり新たな土地を造成したりする
  • 港湾施設: 防波堤や岸壁、コンテナヤードなどの物流拠点を建設する
  • 海底工事: 海底ケーブルの敷設や、沈埋トンネルの設置、ダイバーによる水中施工
  • 海洋エネルギー関連: 洋上風力発電設備の基礎構築やメンテナンス

陸上土木を主力とする一般的な建設会社が容易に参入できない高い壁があるため、限られた企業による安定的な市場が形成されているのが特徴です。

国内のマリコン大手5社

国内のマリコン大手5社

日本の臨海部インフラを支える主要な5社を紹介します。

企業名 特徴
五洋建設 国内マリコン最大手。準大手ゼネコンとしての顔も持ち、海外事業(特にシンガポール)で圧倒的な実績を誇る。洋上風力発電にも注力。
東亜建設工業 浅野財閥の流れを汲む名門。海上空港や港湾建設に強く、軟弱な海底地盤を固める「地盤改良技術」に定評がある。
東洋建設 「海の東洋」と称され、自社で多数の作業船を保有。精密な波動解析に基づいた海上施工や、建築・海外事業のバランスの良さが強み。
若築建設 明治期に若松港の整備で創業したパイオニア。浚渫(しゅんせつ)・埋立の歴史が長く、九州地方に強固な地盤を持つ。
本間組 新潟県を拠点とする大手。日本海側の港湾整備で高いシェアを誇り、土木・建築・舗装など多角的な事業展開による経営の安定性が特徴。

これらの企業は、島国である日本の物流・防災、そして再生可能エネルギーの未来を担う重要な役割を果たしています。

大手5社以外にも、独自の技術を持つ優良企業が多数存在します。例えば、消波ブロックや地盤改良に強い「不動テトラ」、大規模なグループ基盤を持つ「みらい建設工業」、中国・四国地方を拠点に高い技術力を誇る「大本組」なども、業界内で重要な役割を果たしている企業です。

マリコン大手5社の特徴や強み

マリコン大手5社の特徴や強み

各社、海洋土木を主軸としながらも、その専門性や事業展開には違いがあります。

五洋建設

五洋建設は、国内マリコンの筆頭といえる存在です。1896年の創業以来、港湾土木からスタートし、現在は陸上土木や建築事業も手掛ける準大手ゼネコンへと成長しました。

最大の特徴は、スエズ運河の拡幅工事に代表される圧倒的な海外実績です。シンガポールをはじめとする東南アジアでの信頼は厚く、海外売上比率が高いグローバル企業としての側面を持ちます。

また、最新のSEP船を導入し、洋上風力発電の施工でも業界をリードしています。

公式HP: https://www.penta-ocean.co.jp/

東亜建設工業

東亜建設工業は、明治時代の浅野財閥を源流に持つ歴史ある企業です。羽田空港や関西国際空港など、日本の主要な海上空港の建設に深く関わってきました。

特に「地盤改良」の技術に定評があり、軟弱な海底地盤を強固な基礎に変える高度なノウハウを有しています。近年は施工現場のDX化を推進しており、水中をリアルタイムで可視化するシステムなど、安全性と効率を両立させる技術開発に注力しています。

公式HP: https://www.toa-const.co.jp/

東洋建設

東洋建設は「海の東洋」と呼ばれ、海上土木の技術力において絶大な信頼を得ています。自社で多数の作業船を保有しているだけでなく、日本最大級の水工実験施設を備えた研究所を持ち、複雑な波動解析に基づいた精密な施工が強みです。

2003年に前田建設(現インフロニア・ホールディングス)と提携したことで、陸上建築分野との相乗効果も発揮しており、国内外でバランスの良い事業構成を維持しています。

公式HP: https://www.toyo-const.co.jp/

若築建設

北九州の若松港整備を目的として1890年に誕生した、マリコンのパイオニア的存在です。浚渫・埋立・防波堤工事において、130年以上の歴史に裏打ちされた確かな実績があります。

特に九州地方に強固な基盤を持ちますが、東京湾横断道路(アクアライン)や明石海峡大橋などの国家プロジェクトにも多数参画してきました。河川や湖沼の浄化といった、環境保全技術にも積極的に取り組んでいます。

公式HP: https://www.wakachiku.co.jp/

本間組

新潟県に本社を置く本間組は、マリコン専業ではありませんが、日本海側の港湾整備においてなくてはならない存在といえます。土木・建築・舗装など多角的な事業展開による、安定した経営基盤が特徴です。

マリコンとしての専門技術を持ちつつ、地域に根差した多様なインフラを総合的に手掛けられるため、専業メーカーとは異なる独自の柔軟性と規模感を備えています。

公式HP: https://www.honmagumi.co.jp/

マリコン大手5社の売上高

マリコン大手5社の売上高

各社の直近の連結売上高(目安)を比較すると、五洋建設が圧倒的な規模を誇っていることがわかります。

企業名 売上高(連結目安)
五洋建設 7,275億円(2025年3月期)
東亜建設工業 3,304億円(2025年3月期)
東洋建設 1,726億5百万円(2025年3月期)
若築建設 864億円(2025年3月期)
本間組 441億円(2024年度実績)

マリコン大手5社の平均年収

マリコン大手5社の平均年収

年収水準は建設業界全体の中でも高く設定されています。官公庁案件が多いため、経営が安定していることが背景にあります。

企業名 年収の目安
五洋建設 約900万円〜950万円
東亜建設工業 約870万円〜920万円
東洋建設 約800万円〜850万円
若築建設 約840万円〜890万円
本間組 約650万円〜750万円

※有価証券報告書(2024年3月〜2025年3月)の平均年収データより。

現場手当や残業代の比率も高く、実力と資格次第でさらなる昇給が期待できます。

マリコンで評価される資格

マリコンで評価される資格

マリコン業界において、自身の技術力を証明し、キャリアの選択肢を広げるためには、国家資格の取得が極めて重要です。業務内容や目指す役職に応じて、主に以下の資格が評価の対象となります。

必須の資格

資格 特徴
2級土木施工管理技士 土木現場の主任技術者になるための基礎資格。新卒や若手エンジニアが最初に目指すべき通過点。

現場の指揮を執るために最低限必要とされる資格です。建設業法に基づき、配置技術者として認められるための要件となります。

転職・昇給を有利にする資格

資格 特徴
1級土木施工管理技士 大規模工事の監理技術者になるための要件。昇進や転職時の査定に大きく影響する。
技術士

(建設部門・上下水道部門など)

建設技術者の最高位資格。設計やコンサルティング業務で高度な専門性を示す。
一級建築士 港湾内の管理棟や倉庫、臨海部の施設建築プロジェクトにおいて専任される。
1級電気工事施工管理技士 洋上風力発電やプラント設備など、電力インフラ構築の現場で重宝される。
第一種電気工事士 現場の電気工事や保守点検を統括・実施する際に実戦的な効力を持つ。

必須資格に加え、さらに専門領域を広げ、市場価値を高めるために有効な資格です。年収交渉や、より高度なプロジェクトへの参画において評価の対象となります。

マリコンで働く魅力

マリコンで働く魅力

海洋土木を専門とするマリコンでの業務には、陸上の建設工事とは異なる独自の魅力があります。実務を通じて得られる主なメリットややりがいは、以下の通りです。

  • 島国である日本では需要が絶えないという安定性
  • 建設業界の中でも高水準の収入
  • スケールが大きく社会貢献度も高いというやりがい

日本は四方を海に囲まれた島国であり、港湾整備や海岸線の防護は国家的な優先事項です。老朽化したインフラの更新や激甚化する災害への対策に加え、洋上風力発電といった新領域の拡大により、長期的に安定した仕事量が確保されています。

また、公共工事の比率が高く、参入障壁の高い専門分野であることから、企業の経営基盤は総じて強固です。その結果、平均年収はゼネコン全体と比較しても上位に位置しており、待遇面での満足度が高い傾向にあります。

さらに、巨大な作業船を駆使して地図に残るような構造物を築き上げる経験は、マリコンならではの醍醐味です。物流の拠点や人々の暮らしを守る防潮堤など、目に見える形で社会の基盤を支える実感は、大きな達成感につながります。

まとめ

まとめ

マリコンは、専門特化した技術によって日本のインフラとエネルギーの未来を支える、極めて公共性の高い業界です。大手5社を中心に、新分野でも大きな可能性を秘めています。この領域で着実にステップアップを図るなら、実務経験を積みながら価値の高い国家資格を計画的に取得することが推奨されます。

多忙な現場実務と学習を両立させ、効率よく合格を目指したい方には、CIC日本建設情報センターの受験対策講座がおすすめです。

マリコンで必要とされる「土木施工管理技士(1級・2級)」はもちろん、洋上風力発電などの分野で重要性が増している「電気工事施工管理技士(1級・2級)」や「電気工事士」、さらには技術者の頂点である「技術士」など、目標に合わせた充実のサポートを提供しています。実績ある教材を活用して、スペシャリストとしての確固たるキャリアを築き上げましょう。

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