「衛生管理者」は、労働安全衛生法に基づき一定規模以上の事業場に選任が義務付けられている国家資格です。職場の衛生環境の維持や労働者の健康管理に関わる専門職として、注目が高まっています。
この記事では、衛生管理者の平均年収の目安を企業規模別・年代別に整理して解説します。第一種と第二種の違いや年収を上げるための方法まで触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
公開日:2026年4月30日 更新日:2026年4月30日

「衛生管理者」は、労働安全衛生法に基づき一定規模以上の事業場に選任が義務付けられている国家資格です。職場の衛生環境の維持や労働者の健康管理に関わる専門職として、注目が高まっています。
この記事では、衛生管理者の平均年収の目安を企業規模別・年代別に整理して解説します。第一種と第二種の違いや年収を上げるための方法まで触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

「衛生管理者」は、労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任が求められる国家資格です。事業場の規模に応じて選任すべき人数が定められており、衛生に関する技術的事項の管理や作業環境の調査、健康障害の防止に向けた教育・措置など、労働者の健康を守るための業務を担います。
また、資格には第一種と第二種があり、事業場の業種によってどちらの免許を有する者から選任するかが異なります。以下の表は、それぞれの違いについてまとめたものです。
| 免許 | 対象業種 |
|---|---|
| 第一種衛生管理者免許 | 全業種 |
| 第二種衛生管理者免許 | 情報通信業・金融・保険業、卸売・小売業など |
有害業務を伴う製造業・建設業などでは第一種衛生管理者免許が求められる一方、一定のオフィス系業種では第二種でも問題なく選任に用いられる仕組みです。詳細は後述の表や公式資料で確認してください。

「衛生管理者」の年収は、本業(総務・人事・現場職など)との兼任が多い観点から統計が取りづらく、単独の職種名だけで公開されている情報が少ない現状です。全国平均の目安では、430.2万円とされています。
参考:厚生労働省 職業情報提供サイト job tag|衛生管理者
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者1人あたりの平均給与は478万円とのことなので、衛生管理者は平均以上の年収を若干下回っています。ただし、平均は幅広い年代が含まれた目安であることから、経験年数によって平均以上の年収を狙える仕事であるといえるでしょう。
ただし、年収は企業規模や業種などによっても異なります。ここでは、企業規模・年代別・業種別に相場感の目安をご紹介します。
以下の表は、企業規模別に衛生管理者の年収の目安をまとめたものです。
| 企業規模 | 年収の目安 |
|---|---|
| 大企業(従業員1,000人以上) | 450万〜600万円程度 |
| 中小企業(従業員50〜999人) | 300万〜450万円程度 |
| 公的機関・自治体 | 初年度は300万円台中盤あたりからスタートし、勤続年数によって400万円超えなど |
大企業では資格手当や賞与が手厚い支給がされやすいのに対して、中小企業では兼任が中心で手当が限定的になる場合もあります。いずれにせよ、仕事に就く前に条件などをチェックしておくことが大切です。
例が紹介される一方、中小企業では兼任が中心で手当が限定的な場合もある、という整理が多いです。
以下の表は、年代別に衛生管理者の年収の目安をまとめたものです。
| 年代 | 年収の目安 |
|---|---|
| 20代 | 300万〜380万円程度 |
| 30代 | 400万〜500万円程度 |
| 40代 | 500万〜600万円程度 |
| 50代以降 | 550万〜650万円程度 |
基本的に資格取得した直後は、本業での経験年数などが影響しやすいため相場よりも若干低めな傾向です。その後、経験年数を積むことで技術者としての付加価値が高まり、段階的に年収がアップする傾向にあります。
以下の表は、業種別に衛生管理者の年収の目安をまとめたものです。
| 業種 | 年収の目安 |
|---|---|
| 製造業・建設業 | 高めの提示がある例が多い ※例:500万〜600万円以上など |
| 医療・福祉 | 400万〜500万円程度の例が多め |
| 情報通信・金融・サービス等 | 350万〜450万円程度の例が多め |
業種別に見た場合、有害業務の有無や第一種衛生管理者が必要かどうかが、求人条件と年収に影響しやすい傾向です。そのため、自分が希望する業種に対して第一種・第二種のどちらが必要か確認しておくと良いでしょう。

「衛生管理者」は、将来的に見ても需要が絶えず、生き残りやすい資格であるといえます。常時50人以上の事業場では衛生管理者の選任が法律上求められるためです。
また、事業所内でのストレスチェック制度やメンタルヘルス対策、過重労働防止など、職場の健康・安全への関心は世間的にも高まっています。このことからも、衛生管理者などの関連資格への需要・保有者への期待は高まっているというわけです。
中でも、製造業・建設業などでは人材確保が課題になる場面も少なくありません。保有者に付加価値がつくため、AI時代でも生き残りやすい仕事です。

これから衛生管理者として働く方が年収を上げる場合、方法としては主に以下の5つです。
それぞれの内容について詳しく解説します。
第二種でも需要が高いですが、「第一種衛生管理者」になると業種に制限が無くなるため、最終的には第一種の取得を目指すのがおすすめです。「第二種衛生管理者」免許を取得済みの方は、「特例第一種衛生管理者」免許試験を受験できるため、第二種から第一種のように段階を踏むとスムーズに取得できるでしょう。
「第一種衛生管理者」まで取得することで、対応できる業種が広がり、よりキャリアアップや転職時の選択肢が増えて年収アップにもつながるでしょう。
「衛生管理者」と相性の良い関連資格を取得することも大切です。複数の資格を取得することで、より自分自身の付加価値を高められます。
以下の表は、衛生管理者と相性の良い資格をまとめたものです。
| 関連資格 | 年収・キャリア面でのイメージ |
|---|---|
| 衛生工学衛生管理者 | 一定規模・有害業務を扱う事業場では、衛生工学衛生管理者免許を有する者の選任が求められる場合があるため、取得によって評価されることがあります |
| 社会保険労務士 | 労務と衛生の両面をカバーできる人材として付加価値を高められます |
| メンタルヘルス・マネジメント検定等 | 職場のメンタルヘルス対策と親和性が高く、より社内評価につながる資格です |
「衛生管理者」の上位的な資格に労働衛生コンサルタントがあります。労働衛生コンサルタントは、企業の安全衛生に関するコンサルティング等を行う国家資格で、より高い年収を目指せます。
ただし、受験資格や実務年数の要件は試験の公式サイトから最新情報を確認しておくことが大切です。
より年収水準の高い業種・企業への転職も1つの方法です。製造業・建設業・インフラ関連などでは、衛生管理者・安全衛生担当の求人が相対的に多く、年収も高めになりやすい傾向があります。
また、転職で年収が転職前よりもアップしたというケースは珍しくありません。ほかにも、資格手当や昇給制度、福利厚生などの面も確認しておくことで、より失敗のリスクを減らせます。求人票・面接で自分が希望する条件と照らし合わせ進めてみてください。
「衛生管理者」として年収を上げるのであれば、キャリアアップを狙うのもおすすめです。経験を積んで、安全衛生部門のリーダーや管理職、人事・総務でのマネジメント職へ広げることで、年収帯がアップしやすくなります。
また、管理職クラスになれば、より日本人の平均年収である478万円以上の年収を見込めるでしょう。別項でご紹介した、「第一種衛生管理者」免許や関連資格の取得なども合わせて、より付加価値を高め、キャリアアップを狙ってみてください。

ここでは、衛生管理者の年収に関するよくある質問についてまとめました。
受験資格を満たしているのであれば、もちろん第一種から取得しても問題ありません。第一種が求められる対象業種の事業場であれば、いきなり第一種を取得する方がスピーディーな場合もあるでしょう。
一方で、第一種の試験範囲は第二種よりも広く、有害業務関連の範囲も試験に含まれます。「第二種衛生管理者」免許を取得した後で、「特例第一種衛生管理者」試験を受験するルートも1つの方法です。自分の学歴・実務年数・志望業種に合わせて計画を立てるのが良いでしょう。
「第二種衛生管理者」免許でも平均以上の年収は十分に目指せます。第一種・第二種は対象業種での制限しか違いがなく、総務・人事・オフィス系の職種と兼任であれば、第二種でも問題なく従事できるためです。
もちろん、「第二種衛生管理者」免許を取得して、その後は「特例第一種」を受験して第一種を取得し、対応業種を広げるのも良いでしょう。転職で手当の厚い企業へ移るなど、キャリアプランを組んでおくことで、より年収を上げやすくなります。
衛生管理者は、AI時代が到来しても生き残れるとされています。法令に基づく選任義務や、職場巡視・実務調整・関係者との調整など、人がその目で見て判断する業務が基本とされているためです。
AIに代替されるのは、測定データの分析や文書作成の補助などです。最終判断や組織への働きかけは、今後も人が担う場面が多く、役割そのものが消えるとは考えにくいでしょう。

この記事では、「衛生管理者」の年収相場について詳しく解説しました。衛生管理者の年収は、430.2万円が目安であり、企業規模・業種・年代・などによっても年収の幅が異なります。
年収をアップさせるのであれば、「第一種衛生管理者」や労働衛生コンサルタントを目指しつつ、関連資格を取得するのが良いでしょう。その後、キャリアアップを狙ったりより待遇の良い会社へ転職したりすることが大切です。
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