
「衛生管理者」は、労働者の健康管理と安全な職場環境の維持を担う国家資格です。法律で設置が義務付けられているため、業界・職種を問わず需要が高く、特に大企業や人事・総務部門で活躍の場が広がっています。
「衛生管理者」として就職をお考えの場合、どのような強みがあるか、強みをどう活かすのが良いかチェックしておくことが大切です。
この記事では、衛生管理者が活躍できる業界や就職に有利な理由、就職を成功させるための具体的なポイントを詳しく解説します。衛生管理者としてのキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
衛生管理者とは

「衛生管理者」は、労働者の健康管理と職場環境の安全維持を仕事とする国家資格です。業界・職種問わず活躍できる点から、転職市場でも高く評価されています。
資格には一種と二種があり、以下の表のような違いがあります。
| 種類 |
業務可能な業種・事業場 |
有害業務の取り扱い |
| 第二種衛生管理者 |
有害業務を含まない業種に限定される(金融業、情報通信業、小売業など) |
不可 |
| 第一種衛生管理者 |
全業種・全事業場で業務可能 |
製造業や建設業などでも選任可能 |
第二種は、業種・事業場が金融業や情報通信業に限定されます。一方で、第一種は制限がありません。そのため、衛生管理者として従事していく際は、第一種の取得を最終的な目標においてキャリアを積むことをおすすめします。
衛生管理者の活躍できる業界・就職先

では、「衛生管理者」が活躍できる業界・就職先にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、衛生管理者の活躍できる業界に関して深掘りしていきます。
業界・職種問わず活躍できる
まず前提として、「衛生管理者」は業界・職種問わずに活躍できます。労働安全衛生法により、常時50人以上の労働者を使用する事業場では衛生管理者の選任が義務付けられているためです。
例えば、製造業や建設業などの有害業務を含む業種では、第一種衛生管理者の存在が必要不可欠です。第二種衛生管理者であってもサービス業や情報通信業、小売業など広く活躍できるため、需要が高い資格といえます。
大企業への就職で特に有利に働く
「衛生管理者」は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置が義務付けられていますが、人数についても定められています。従業員数が多い企業ほど必要な衛生管理者の選任数は多く、3,000人超の大企業では6人以上の衛生管理者の選任が必要です。
また、大企業の場合、本社だけでなく事業所ごとに「衛生管理者」を配置しなければなりません。全国展開しているような大企業であれば、より衛生管理者の需要は高くなります。そのため、資格を取得していることでより評価されやすくなるでしょう。
人事・総務部門での需要が特に高め
「衛生管理者」は、企業の中でも人事・総務部門で需要が高くなります。衛生管理者の職務である労働者の健康管理や職場環境の整備・改善などが総務・人事部門の業務と親和性が高いためです。
実際、総務や人事の仕事と兼業しながら「衛生管理者」の職務をこなしている方は少なくありません。人事・総務部門でのキャリアを積んでいきたい方にとって衛生管理者は相性の良い資格といえるでしょう。
衛生管理者が就職で強い3つの理由

「衛生管理者」が就職で強いとされる理由として、主に以下の3つが挙げられます。
- 法律によって設置が義務付けられているから
- 働き方改革が重視されているから
- 事務・管理部門で評価されやすいから
それぞれの内容について詳しく解説します。
理由1. 法律によって設置が義務付けられているから
「衛生管理者」は、労働安全衛生法によって配置が義務づけられています。法律によって定められている観点から、仕事のニーズが常にある点が就職で強い理由の1つです。
法律が変わらない限り、仕事のニーズが無くならないため、将来的に安定した仕事に就きたい方におすすめです。また、企業規模によって必要な人数も異なります。この点からも、求人ニーズは高いといえるでしょう。
理由2. 働き方改革が重視されているから
現在、働き方改革などが重要視されており、職場の労働環境改善は必要不可欠なものとなっています。とはいえ、メンタルヘルス対策や過重労働防止を実際にどのように進めたら良いか分からない事業所というのは珍しい話ではありません。
この点からも、専門知識を有する人材として「衛生管理者」の需要が高まっているわけです。安定性と需要の高さの両方を兼ね備えている仕事といえるでしょう。
理由3. 事務・管理部門で評価されやすいから
活躍できる業界・職種でお話しした通り、「衛生管理者」は人事・総務部門での需要が特に高い仕事です。人事・総務の仕事は業種問わず存在するため、培った経験は評価に直接つながります。
就職した後で、より好待遇な職場やキャリアアップを目指す場合、「衛生管理者」は実務能力を証明しやすいのが特徴です。
衛生管理者としての就職を成功させるためのポイント

「衛生管理者」としての就職を成功させるためのポイントは、主に以下の3つです。
- 応募書類で誤字なく正しい名前で記載する
- 面接では熱意や貢献意識をアピールする
ポイントを把握しておくことで、より自分の強みをアピールしつつ成功へとつなげられます。ここからは、それぞれの内容についてみていきましょう。
ポイント1. 応募書類で誤字なく正しい名前で記載する
応募書類を記載する際、「免許・資格」欄には正式名称である「第一種衛生管理者免許」または「第二種衛生管理者免許」と正確に記載しておきましょう。誤字や脱字があると正しく評価されない可能性があるためです。
また、ほかの項目に関しても誤字がないか必ずチェックしてください。正確に記載することで、より正しく評価されやすくなります。
ポイント2. 面接では熱意や貢献意識をアピールする
希望する就職先の企業との面接では、熱意や貢献意識をアピールすることが大切です。資格取得の動機であったり、企業で魅かれたりした点を説明できるよう準備しておきましょう。
例えば、「働きやすい環境づくりに関心があった」「労働者の健康と安全に貢献したい」などです。これらの一般的な動機に加えて、企業への貢献意識・熱意をアピールできると成功に大きく近づけるでしょう。
補足:関連資格の取得によって年収アップが狙える
より就職の成功率を高めたい場合、「衛生管理者」と相性の良い資格を取得しておくのもおすすめです。関連資格の取得によってより付加価値を高められるだけでなく、さまざまな知識を得られる点から仕事のスキルも向上します。
「衛生管理者」と相性の良い資格として挙げられるのは主に以下の4つです。
| 社会保険労務士 |
労務管理の専門性が高る |
| 安全管理者 |
安全衛生分野での専門性が高まる |
| 防火管理者 |
施設管理分野での強みを発揮できる |
| 危険物取扱者 |
製造業などでの評価向上につながる |
それぞれの資格を取得することで、より専門性を高められます。自分が希望する業種・企業との相性も踏まえながら、積極的に資格取得に挑戦してみてください。
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衛生管理者の就職に関するよくある質問

ここでは、「衛生管理者」の就職でよくある質問についてまとめました。
第一種と第二種はどちらから取得を目指したほうがいい?
第一種と第二種のどちらを取得するかは、自分の希望する就職先などの職種から選ぶのがおすすめです。
もちろん、業種や職種を問わず活躍できる第一種から目指すのでも問題ありません。まずは第二種で基礎を学びつつ、順序だてて第一種を取得するのも1つの方法です。
資格試験では実務経験が必要?
「衛生管理者」の資格試験では、第一種・第二種衛生管理者ともに共通で、受験資格があります。主な条件として、以下の3つがあり、そのなかのいずれかを満たしていれば受験可能です。必要な学歴などは、以下を参考にしてください。
- 学校教育法による大学又は高等専門学校(専修学校・各種学校等除く)を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験があること
- 省庁大学校(防衛大学校・防衛医科大学校・水産大学校・海上保安大学校・気象大学校等)を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験があること
- 学校教育法による高等学校又は中高一貫教育学校を卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験があること
- 高等学校卒業程度認定試験に合格した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験があること
- 10年以上の労働衛生の実務に従事した経験があること
また、第二種衛生管理者の免許保有者が第一種衛生管理者試験を受験する場合、一部の科目が免除されます。自分の該当する受験資格をチェックした上で申し込みするのが良いでしょう。
まとめ

この記事では、「衛生管理者」が活躍できる業界や就職に有利な理由、就職を成功させるための具体的なポイントをご紹介しました。衛生管理者は、労働者の健康管理と安全な職場環境の維持を担う国家資格で、法律で設置が義務付けられている需要の高い資格です。
法律による設置義務や働き方改革の重視、事務・管理部門での評価されやすい点から就職に強いとされています。応募書類の正確な記載や面接での熱意・貢献意識のアピール、関連資格の取得によって就職の成功率を高めることも可能です。
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