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消防設備士は転職に有利?転職先や成功のポイントを徹底解説

公開日:2025年12月18日 更新日:2025年12月18日

消防設備士は転職に有利?転職先や成功のポイントを徹底解説

消防設備士は転職に有利?転職先や成功のポイントを徹底解説

消防設備士」は、消防法に基づいて設置される消防用設備等の点検・整備・工事を行うことができる国家資格です。「甲種」と「乙種」に分かれており、甲種は工事・整備・点検のすべて、乙種は整備・点検のみ着手できます。

資格を取得することで転職で有利に働くものの、なぜ・どんな企業で有利になるのかまで把握し転職で活かすことが大切です。

この記事では、消防設備士」の資格が転職でどのように評価されるのか、具体的な転職先や転職を成功させるためのポイントまで詳しく解説します。未経験者や30代〜40代の方でも十分に転職のチャンスがありますので、ぜひ参考にしてみてください。


CIC消防設備士

目次

消防設備士の資格とは

消防設備士の資格とは

消防設備士」は、消防法に基づいて設置される消防用設備等の点検・整備・工事を行うことができる国家資格です。

資格は「甲種」と「乙種」に分かれており、乙種は整備・点検のみ従事できます。一方で、甲種は工事・整備・点検のすべてに従事可能です。

また、扱う設備によって「類」が分かれており、甲種は特類・1〜5類、乙種は1〜7類あります。そのため、業務に合わせての取得が大切です。

各類で扱える消防設備の違い

以下の表は、各類で扱える消防設備の違いについてまとめたものです。

区分 取扱い設備 甲種(工事・整備・点検) 乙種(整備・点検のみ)
特類 特殊消防用設備など

(従来の消防用設備などに代わり、総務大臣が当該消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備など)

第1類 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備

パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備・共同住宅用スプリンクラー設備

第2類 泡消火設備・パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備、特定駐車場用泡消火設備
第3類 不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備

パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備

第4類 ・自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備

・共同住宅用自動火災報知設備・住戸用自動火災報知設備

・特定小規模施設用自動火災報知設備・複合型居住施設用自動火災報知設備

第5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
第6類 消火器
第7類 漏電火災警報器

表を見ると、区分によって扱える設備が違うことが分かります。自分の業務に関係する類や需要が高いものから資格取得することが大切です。

業務独占資格としての価値

消防設備士」は、消防法に基づいたものであるため、工事・整備・点検は有資格者しか行えません。そのため、無資格者には従事できない独占業務である点が大きな魅力です。

建物管理者には、消防設備の定期点検と報告が義務付けられています。建物が存在する限り消防設備士の需要も無くならないため、今後も安定した仕事であるといえるでしょう。

消防設備士の転職市場での価値

消防設備士の転職市場での価値

消防設備士」は、転職市場において非常に価値のある資格・仕事です。その理由として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 将来的な需要の高さ
  • 防災意識の高まり
  • 人手不足の業界

ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。なぜ、消防設備士が求められているのかみていきましょう。

理由1. 将来的な需要の高さ

消防設備の需要は、建物が存在している限りなくなりません。新築・既存の建物問わず消防設備の点検が義務づけられているためです。

そのため、景気などには影響されず仕事の量が安定しています。技術者に付加価値がつくため、AIが普及しても代わりにくい仕事といえるでしょう。

理由2. 防災意識の高まり

コンプライアンスや事業継続計画(自然災害やパンデミックなどが発生した際に、事業継続・早期復旧を実現するための計画)の観点から防災対策を強化している企業が増えてきました。日本では自然災害が多発しており、社会全体の防災意識が高まっているといえます。

具体的には、より質の高い消防点検や防火管理者への助言など、技術者としての能力に加えてサポート・コミュニケーション力も求められている傾向です。独占業務である「消防設備士」としてのノウハウを活かして企業に貢献することで、より付加価値が高まることでしょう。

理由3. 人手不足の業界

消防設備士」業界を含め、建設・電気設備の業界などは人手不足が発生しがちです。特に有資格者は不足しており、資格を有しているだけでも転職で有利に働きます。未経験者や30代〜40代の方でも十分に転職のチャンスがあるといえるでしょう。

また、複数の区分に合格している場合や関連資格を有している場合はより有利に働くため、資格取得は積極的に挑戦してみることをおすすめします。

消防設備士が活躍できる転職先

消防設備士が活躍できる転職先

消防設備士」が活躍できる主な転職先は、以下のとおりです。

  • 消防設備会社・防災関係の会社
  • ビルメンテナンス会社
  • 電気設備業界
  • 不動産管理・施設管理

それぞれの内容について詳しく解説します。

転職先①消防設備会社・防災関係の会社

まず1つ目の転職先が消防設備会社・防災関係の会社です。消防設備の点検・整備・工事を専門に扱う会社は、契約物件を巡回し、法定点検や改修・新設工事を行います。「消防設備士」の資格取得で培った知識・ノウハウを存分に活かせる職場です。

消防設備士の乙種だけでも現場で活かせますが、甲種があれば工事も担当できるため、より即戦力な人材として重宝されます。消防設備士としてキャリアを積んでいきたい方におすすめの職場といえるでしょう。

転職先②ビルメンテナンス会社

2つ目の転職先がビルメンテナンス会社です。ビルメンテナンス会社は、ビルの設備管理全般を行う会社のことで、日常点検やトラブル対応の中に消防設備点検も含まれます。点検を外部に依頼せず、自社で点検できればコスト削減になることから、「消防設備士」の有資格者は有利に働きます。

また、「ビルメン4点セット」と呼ばれる「第二種電気工事士」・「2級ボイラー技士」・「第三種冷凍機械責任者」・「危険物取扱者乙種4類」もビルメンテナンスには欠かせない資格です。消防設備士と合わせて取得しておくことで、より付加価値の高い技術者となれるでしょう。

転職先③電気設備業界

3つ目の転職先が電気設備業界です。電気設備の保守・点検・工事を行う会社では、電気点検と合わせて消防点検を行うケースも増えています。特に自動火災報知設備(4類)は電気工事士との親和性が高く、消火器(乙種6類)の点検なども資格で役立ちます。

企業の中には、消防点検を引き受けることから、電気系の資格と合わせて求人で募集しているケースもあります。電気系資格+消防設備士(甲4・乙6)の組み合わせは採用で大きな強みとなるでしょう。

転職先④不動産管理・施設管理

4つ目の転職先が不動産管理・施設管理などを行う管理会社です。主に巡回点検や点検立ち会い、業者手配などを行います。直接作業しなくても、専門知識があることでオーナーへの提案や業者とのやり取りがスムーズに行えることから、一定の需要が見込まれています。

消防設備士の転職を成功させるポイント

消防設備士の転職を成功させるポイント

消防設備士」の資格を有していれば転職で有利に働くものの、必ず成功できるとは限りません。自分の技術者としての付加価値を高める・適切に企業に伝えることで転職の成功率は高まります。

転職を成功させるためのポイントは、主に以下の4つです。

  • 実務経験を積む
  • 複数の類を取得する
  • ビルメン関連資格を取得する
  • 転職サービスを活用する

それぞれの内容について詳しく解説します。

ポイント1. 実務経験を積む

未経験者でもチャンスはあるものの、実務経験を有した技術者が有利である点には変わりありません。点検だけでなく工事やトラブル対応などの実践スキルが評価されるためです。

そのため、未経験者であれば、まずは現場に出られる環境で経験を積むことを優先してみましょう。現場で実践経験を積んでキャリアアップを目指す、もしくはより好待遇な企業へ転職するなどのプランを組み立てることが大切です。

ポイント2. 複数の類を取得する

1つだけでなく複数の類の「消防設備士」資格取得をおすすめします。複数の類に合格することで、より業務の幅を広げられるためです。

まずは、需要が高い「乙種6類」と「甲種4類」の取得をおすすめします。その後、業務の幅を広げる目的で第1類や第5類を取得してみましょう。甲種で工事も担当できれば評価はさらに高まるため、積極的に挑戦してみてください。

ポイント3. ビルメン関連資格を取得する

消防設備士」と相性の良い関連資格を取得することもおすすめです。特にビルメン管理とは相性が良く、「第二種電気工事士」・「2級ボイラー技士」・「第三種冷凍機械責任者」・「危険物取扱者乙種4類」の「ビルメン4点セット」取得を目指してみてください。

また、電気設備の保守点検業務に従事できる電気主任技術者試験、通称「電験」と呼ばれる資格取得もおすすめです。これらの資格を複数取得し組み合わせることで、設備管理のスペシャリストとして好条件での転職が可能となります。

ポイント4. 転職サービスを活用する

転職先の企業を探す際、建設・設備業界に特化した転職エージェントを活用しましょう。業界特化の転職サービスであれば、自分に適した企業を見つけやすいためです。

特に転職エージェントであれば、業界に詳しい担当者がスキルに合った求人や非公開求人を紹介してくれます。履歴書添削や面接対策などのサポートも受けられることからも、効率的な転職活動が可能です。

またCICでは、好条件で転職を叶えたい方向けに、日本最大級の建設教育会社が運営する転職エージェントサービス「建設キャリア転職(運営会社:CIC日本建設情報センター)」をおすすめしています。長年にわたる数々の優良企業様とのお付き合いから、あなたの理想の求人をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご利用ください。


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まとめ

まとめ

この記事では、「消防設備士」の転職について詳しく解説しました。消防設備士は、消防用設備等の点検・整備・工事を行うことができる国家資格で、「甲種」と「乙種」に分かれています。いずれも転職で有利に働きますが、より付加価値を高めたい場合は甲種の取得がおすすめです。

まずは、需要が高い「乙種6類」と「甲種4類」の取得をおすすめします。その後、業務の幅を広げるために第1類や第5類、もしくはビルメン4点セットや電験三種など、相性の良い関連資格の取得を目指してみてください。

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