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【2026年最新】アスベスト事前調査とは?対象となる工事・費用相場・義務化された報告ルールを徹底解説

公開日:2026年1月7日 更新日:2026年1月7日

【2026年最新】アスベスト事前調査とは?対象となる工事・費用相場・義務化された報告ルールを徹底解説

【2026年最新】アスベスト事前調査とは?対象となる工事・費用相場・義務化された報告ルールを徹底解説

「静かな時限爆弾」とも呼ばれるアスベスト(石綿)は、中皮腫や肺がんなど深刻な健康被害をもたらすことで知られています。そのため、建物の解体・改修工事における事前調査は、作業員の安全と企業の信頼を守る上で欠かせません。特に2023年10月からは、調査実施者に有資格者の選任が義務化され、規制は一段と厳格化しています。

本記事では、建設・解体事業者が法令遵守のために必須となる、事前調査の対象範囲、費用相場、そして行政報告のルールについて、最新の情報に基づいて徹底的に解説します。

CIC建築物石綿含有建材調査者講習

目次

解体・改修工事における事前調査の義務化

解体・改修工事における事前調査の義務化

アスベスト(石綿)は、かつて高度経済成長期に建築資材として広く使われていたものの、吸い込むと肺がんや中皮腫など、深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになっています。そのため、建物や工作物を解体したり改修したりする際には、作業員や周辺住民の健康を守るための事前調査が国によって厳しく義務づけられています

この義務は、主に「大気汚染防止法」と「石綿障害予防規則」という二つの法律によって定められています。法令改正によってアスベスト対策は年々強化されており、建設・解体業界にとって法令順守は避けて通れない課題の一つです。

大気汚染防止法

大気汚染防止法は、その名の通り、アスベストが外部の大気中に飛散するのを防ぐことを目的とした法律です。建物の解体・改修工事を行う発注者や施工業者に対して、工事前に建材にアスベストが含まれているかを調査すること、そして含有が判明した場合には行政へ報告することを義務付けています。

大気汚染防止法の規制は、アスベストが大気中に飛散し、広範囲の住民に健康被害を及ぼすリスクを最小限に抑えることに焦点を当てています。調査結果の報告義務や、基準を超えるアスベスト濃度での作業を禁じる規定などは、この法律に基づいて定められています。

石綿障害予防規則

石綿障害予防規則(石綿則)は、工事現場で働く作業員の健康を守ることに特化した労働安全衛生法の下位法令です。

この規則では、アスベスト含有建材の解体や除去作業を行う際に、作業場所を隔離すること、粉じんの飛散を抑制するための湿潤化措置を講じること、そして作業員に適切な保護具(マスクや保護衣)を着用させることなど、具体的な作業方法や安全管理体制が規定されています。

特に、2023年10月から「有資格者」による事前調査を義務化するなど、現場の安全性を確保するための重要要件を定めています。

2023年10月から「有資格者」による調査が必須に

2023年10月から「有資格者」による調査が必須に

アスベストの事前調査は、以前から義務化されていましたが、2023年10月1日以降は、「建築物石綿含有建材調査者」といった特定の資格を持つ者による調査が必須となりました。

建築物石綿含有建材調査者による調査が必要になった背景

資格を持たない者が事前調査を行うと、アスベスト含有建材の見落としが発生し、作業中に意図せず危険な繊維を飛散させてしまうリスクが高まります。このような事故は、作業員だけでなく近隣住民の健康も脅かすことになりかねません。

調査漏れや誤った判断によって生じる健康被害のリスクを最小限に抑えるため、国は法的な要件を整備しました。2023年10月1日以降、法令に基づいた正しい知識と調査技術を身につけた専門家(建築物石綿含有建材調査者)が必ず事前調査を実施するよう義務化されたのです。アスベスト対策における調査の質と信頼性を確保するために、導入されました。

必要な資格

建物の事前調査に携わるために必要とされる主な資格は、以下の3種類です。

資格の正式名称 略称 調査対象となる建築物
特定建築物石綿含有建材調査者 特定調査者 すべての建築物
一般建築物石綿含有建材調査者 一般調査者 すべての建築物(一戸建て等調査者講習を修了した者を除く)
一戸建て等建築物石綿含有建材調査者 戸建調査者 一戸建ての住宅と共同住宅の住戸部分

これらの資格は、厚生労働大臣の登録を受けた機関が実施する講習を受講し、修了考査に合格することで取得できます。最も広範囲な建物を調査できるのが、一般調査者の資格です。

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調査を行わずに工事をした場合のリスクと罰則

調査を行わずに工事をした場合のリスクと罰則

アスベストの事前調査義務を怠ったり、有資格者ではない者が調査を実施したりして工事を進めた場合、事業者は極めて重い罰則や社会的制裁を受けます。これは、アスベストによる健康被害が取り返しのつかない深刻な結果をもたらすためです。

大気汚染防止法や石綿障害予防規則に違反した場合、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」「6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」などの罰則が科される可能性があります。企業だけでなく現場の責任者個人にも適用されることがあり、非常に大きなリスクです。

また、法令違反が判明した場合、行政から工事の一時停止命令が出されます。さらに、自治体の公共工事の入札参加資格を一定期間失う指名停止処分を受けることもあります。指名停止処分は、企業の信頼を失墜させ、今後の事業継続に深刻な影響を及ぼす社会的制裁です。法令を遵守することは、企業防衛のためにも欠かせません。

事前調査が必要なケースと不要なケース

事前調査が必要なケースと不要なケース

アスベストの事前調査は、原則として「すべての解体・改修工事」が対象です。法律の規定を正しく理解し、例外的に調査が不要となるケースを知っておくことで、スムーズな工事計画に役立つでしょう。

原則的には「すべての解体・改修工事」が対象

建築物や工作物の解体を行ったり、アスベスト含有の可能性がある建材に手を加える改修工事を行ったりする場合は、工事の規模や費用に関係なく、必ず事前調査を行わなければなりません。たとえ工事面積が小さく、工期が短い場合であっても同様です。

事前調査は、着工前に有資格者が図面や現地を確認し、アスベスト含有の可能性を特定するために実施されます。

例外的に調査が不要なケース

一方で、例外的にアスベストの事前調査が不要となるケースもあります。具体的には、以下のいずれかの条件を満たす、建材を損傷させないごく軽微な作業などです。

  • アスベスト含有の可能性がある建材に影響を与えない作業(例:釘を打つ、アンカーを差し込むなど)
  • アスベストを含まないことが明らかな材料のみを扱う作業

また、アスベストの使用が完全に禁止された2006年9月1日以降に着工した建築物については、アスベストが使用されていないことが設計図書などの書面で確認できる場合に限り、現地調査の一部が省略可能です。ただし、書面だけでは判断が難しい場合が多いため、不安な場合は有資格者に相談することをおすすめします。

これらの例外規定はあくまで限定的であり、少しでも疑問や不安がある場合は、専門的な知識を持つ「建築物石綿含有建材調査者」に調査を依頼することが賢明です。

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行政への報告義務

行政への報告義務

アスベスト事前調査の結果は、一定規模以上の工事の場合、行政(都道府県や労働基準監督署)へ報告することが法律で義務づけられています。報告を怠ると、大気汚染防止法違反として罰則の対象となります。

報告が必要な工事は、以下の要件を満たす場合に義務付けられます(大気汚染防止法および石綿障害予防規則)。

  • 建築物の解体工事:延床面積80㎡以上
  • 建築物の改修工事:請負金額100万円以上
  • 工作物の解体・改修工事:請負金額100万円以上

大気汚染防止法に基づく報告は、特定工事の作業開始日の14日前までに完了させなければなりません(※)。

行政への報告は、原則として「石綿事前調査結果報告システム(Gビズ報告システム)」という電子システムを通じて行うことが義務付けられています。正確な情報入力と手続き完了のため、専門家のサポートも検討すると良いでしょう。

※石綿障害予防規則に基づく報告(労働基準監督署長への届出)は、大防法とは別の要件で義務付けられています。

アスベスト事前調査の費用相場

アスベスト事前調査の費用相場

アスベスト事前調査の費用は、主に「書面調査+目視調査」と「分析調査(検体採取・分析)」の二つの要素で構成され、建物の種類・規模・図面の有無によって大きく変動します。

調査項目 費用相場(目安) 概要
書面調査・目視調査 5万〜15万円 有資格者が図面を確認し、現地で目視によって建材の状況を確認する。
分析調査(1検体あたり) 2.5万〜5万円 目視でアスベスト含有が判断できない建材について、サンプルを採取し専門機関で分析する。
調査全体(戸建の場合) 8万〜20万円 一戸建て住宅など、比較的小規模な建物の調査費用総額。

分析調査の費用は、検体数に応じて加算されます。例えば、一つの建物で天井・壁・床など複数の箇所から合計4つの検体を採取した場合、分析費用だけでも約10〜20万円程度かかる計算です。

また、調査費用の相場はあくまで目安であり、現地への出張費や報告書作成の費用が別途かかる場合もあります。費用を抑えるためには、複数社から見積もりを取得し、サービス内容や料金体系をしっかりと比較検討することが重要です。

アスベスト事前調査の注意点

アスベスト事前調査の注意点

アスベスト事前調査を依頼する際には、いくつかの注意点があります。特に調査の有資格性と分析機関の選定は、調査の信頼性に直結するため、必ず確認が必要です。

すべての工務店や解体業者が、2023年10月に義務化された「建築物石綿含有建材調査者」の資格を有しているわけではありません。そのため、工事や施工を依頼している工務店がこの資格を持っているかどうかを確認することが必須です。

もし依頼先が資格を持っていない場合、調査は別の専門機関に依頼しなければなりません。「登録分析機関」として国に登録されている機関に、建材の分析を別途依頼することになります。

調査から分析、報告までを一貫して行うことができる専門会社に依頼することで、手続きの煩雑さを避け、スムーズに法令を遵守することが可能です。依頼先を選ぶ際は、資格の有無だけでなく、行政報告(Gビズ)への対応実績も確認し、信頼できるパートナーを見極めましょう。

事前調査・行政報告は「石綿の窓口」にお任せください

事前調査・行政報告は「石綿の窓口」にお任せください

アスベストの事前調査から行政への報告書作成、さらには工事計画まで、一連の対応は煩雑で専門的な知識が必要です。

CIC日本建設情報センターの「石綿の窓口」では、アスベスト調査〜報告書作成までの一式を丸ごと承っております。全国どこでも調査・分析・報告書作成まで一貫して対応可能で、出張費も無料です。最新の法令改正や工作物に関する調査義務化にも対応済みですので、安心してご相談いただけます。

調査に関するご依頼や、まずはお見積もりをご希望の場合は、お気軽にお問い合わせください。経験豊富な担当者が丁寧に対応いたします。

CIC石綿の窓口

まとめ

まとめ

アスベスト事前調査は、2023年10月の有資格者義務化や、2026年1月の工作物調査義務化など、規制が年々強化されています。これは、作業者と地域住民の健康を守るという国家的な重要課題に対応するためです。

建設・解体事業者は、工事規模や費用に応じた行政への報告義務(Gビズ)を確実に履行し、万が一の法令違反による重い罰則や社会的制裁を避けるために、正確な事前調査を行う必要があります。

アスベスト対策を円滑に進めるには、専門知識を持つ「建築物石綿含有建材調査者」への依頼が不可欠です。資格取得後の実務や、煩雑な行政報告でお困りでしたら、まずは実績豊富な「石綿の窓口」にご相談ください。

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