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フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は自社でも実施可能?講習の内容と流れも解説!
公開日:2024年5月23日 更新日:2024年7月4日
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は自社でも実施可能?講習の内容と流れも解説!
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育とは、高所での作業の際に墜落及び転落を防止するための器具を正しく安全に装着するための教育のことです。
2019年2月1日施行の労働安全衛生規制の改正に伴い、特に危険性の高い作業を行う労働者に対して特別教育の受講が義務づけられました。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は、人の命を守るためには欠かすことのできない知識ですが、社内で受講することはできるのでしょうか。
またフルハーネス型安全帯使用作業特別教育の講習の内容や流れについても、わかりやすく解説いたします。
目次
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育を自社で実施することは可能?
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は、特に危険性の高い作業を行う労働者は必ず受講しなければならないものです。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の受講方法は、以下の4つに分類することができます。
- 会場で受講する場合
- 出張講習会を受講する場合
- Webで受講する場合
- 自社で講習を実施する場合
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育を自社で実施も可能
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は、自社で実施することも可能です。
社内で受講が必要な労働者が何人もいる場合、自社で一度に受講することができ、会社にとっても受講者にとっても管理や調整等がしやすくなります。
また、フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は全国各地で行われていますが、実施日が決められていますし事前予約が必要です。
そのため都合のいい日程で講習を受けることはできませんし、定員オーバーになることもあり思うように受講できません。
自社で講習を行うと、自社の都合でスケジューリングすることができるというメリットがあります。
では実際に講習を行うためにはどうすればいいのでしょうか。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育を自社で実施する場合の人数
自社で養成した講師によってフルハーネス型安全帯使用作業特別教育を実施する場合、人数の制限はありません。
1名から何人でも受講することはできますが、講習には実技講習も含まれており人数分のフルハーネスの準備が必要です。
フルハーネスが人数分準備できなければ講習を行うことはできません。また受講者があまりにも少ない場合などは、他の受講方法を検討してみてもいいかも知れません。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の記録保存
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の講習の記録は、3年間保存することが義務づけられています。(労働安全衛生規則第4章第38条)
保存しなければならない項目
- 特別教育の受講者
- 特別教育講習で実施した科目等
(※講習した日時等も記録しておくといいでしょう)
事業者はフルハーネス型安全帯使用作業特別教育を実施した場合、講習の記録の保存について注意が必要です。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の講師になるには
労働厚生省は、フルハーネス型安全帯使用作業特別教育を行う講師には特別な資格は不要であると規定しています。
そのため自社でフルハーネス型安全帯使用作業特別教育を行う場合、誰でも講師になることができます。
ただし、教育内容について十分な知識や経験のあることが条件です。講師となる人は、講師養成講習などを受講し知識向上・責任感などを身につけて臨むことが大切です。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の自社で実施する場合の講習の内容
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の講習の内容は次の通りです。
科目 | 時間 |
---|---|
作業に関する知識1 | 1時間 |
墜落制止用器具(フルハーネス型に限る)に関する知識 | 2時間 |
労働災害防止に関する知識 | 1時間 |
関係法令 | 30分 |
実技研修 フルハーネス型墜落制止用器具の使用方法 | 1時間30分 |
計6時間 |
会場によって多少の違いはありますが、会場で受講する場合と内容はほぼ同じです。
それぞれの学科科目の範囲は以下になります。
作業に関する知識
作業に関する知識では、実際作業を行う時に必要な設備に必要な種類・構造などについての具体的な取扱いについて学びます。
設備の点検や整備の方法などの知識も学びます。
- 作業に必要な設備の種類、構造及び取扱いの方法について
- 作業に必要な設備の点検及び整備の方法について
- 作業の方法について
フルハーネスに関する知識
フルハーネスに関する知識では、フルハーネスやランヤードの種類・構造、また取扱い方法について学びます。
点検や整備の方法もここで学び、フルハーネスを安全に正しく使用するための知識を得ることができます。
- 墜落制止用器具のフルハーネス及びランヤードの種類及び構造
- 墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法
- 墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法及び選定方法
- 墜落制止用器具の点検及び設備の方法
- 墜落制止用器具の関連器具の使用方法
労働災害の防止に関する知識
フルハーネスを使用する現場で起こり得る事故等防止するための措置の仕方や、保護帽や保守点検の方法など危険を防止するための知識について学びます。
- 墜落による労働災害の防止のための措置
- 落下物による危険防止のための措置
- 感電防止のための措置
- 保護帽の使用方法及び保守点検の方法
- 事故発生時の措置
- その他作業に伴う災害及びその他防止方法
関係法令
フルハーネスを使用するにあたって関係する法令や条項について学びます。法令を学ぶことで、安全に対する意識を高め、突発的な事故への対応をスムーズに行うことを目指します。
- 安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項
実技研修 フルハーネス型墜落制止用器具の使い方
実際にフルハーネス墜落制止用器具等を使って、参加者それぞれが装着方法や手順、点検の方法・整備などを学びます。
実際に見て触れることで、器具の仕組みなどを実感することができます。
- 墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法
- 墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法
- 墜落による労働災害防止のための装置
- 墜落制止用器具の点検及び整備の方法
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の社外講習
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育は、自社の講師によって学ぶ方法の他に社外に依頼して行うオンライン(Web)や出張講習があります。
それぞれにメリットがあり、自分に合った講習方法を選ぶことができます。
オンライン(Web)講習
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育はオンライン(Web)で受講することも可能です。
CICの『顔認証付き・Web講座』では、顔認証システム搭載のWeb講座となっており、確実に本人が受講したことが証明されますので安心です。
またPCやスマートフォンがあればいつでもどこでも受講することができます。
オンライン(Web)講習では、実技は自社で行わなければいけません。自社で十分な知識と経験を有する者を選任し、実技実施責任者として実際のフルハーネス型等の器具を使用して、1時間30分の実技講習を行います。
CICでは実施方法のポイントをまとめた「実技教育サポート資料」を送付されるので安心です。
外部機関に委託した出張講習
自社でフルハーネス型安全帯使用作業特別教育を行う場合で、講師として適格者がいない場合などは、外部の機関に出張講習を依頼することができます。
外部の機関の講師を自社に派遣して講習会を開いてもらうものです。
自社の講師がいる場合と同じで、講習にはフルハーネス等の器具を人数分準備しておくことが求められます。
また受講人数は最低10名と設定している実施機関が多いため、受講人数には注意が必要です。最低人数に満たない場合でも受講は可能な機関は多いですが、料金は最低人数の設定となるので割高となってしまうことがあります。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育の受講の流れ
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育を受講し、修了するまでの流れです。
- 受講する方法を選択
(会場・出張・Web・自社) - 学科・実技、合計6時間の講習を受講
- 修了証発行
まとめ
自社で講師を養成すればいつでも講習を開催することもできますし、外部の機関へ出張講習を依頼することも可能です。
学科と実技で6時間の講習は、労働者の安全を守るための充実した内容となっています。受講することで仕事に対する意識を高め、また新たな教育者として指導することも可能です。