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ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)とは?受験資格や業務内容、取得のメリットまで紹介

公開日:2022年9月6日 更新日:2023年3月29日

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)とは?受験資格や業務内容、取得のメリットまで紹介

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)とは?
受験資格や業務内容、取得のメリットまで紹介

ビル管理士コラム02

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)は、建築物の維持管理に関する監督などを行う国家資格です。

特定建築物で選任が義務づけられているため、常に一定以上の需要のある資格といえるでしょう。

ビル管理業界では仕事上で活用できるだけでなく、転職や昇進にも有効な資格の一つなので、業界で働く方は取得を目指すことをおすすめします。

しかし、ビル管理士の資格を取得するための試験には、受験資格が必要です。

また、試験は年1度しか行われず、出題範囲が非常に広いため、合格するにはしっかりと対策しなければなりません。

本記事ではビル管理士の業務内容のほか、受験資格や取得するメリットについて詳しく解説します。


最終更新日:

ビル管理士とは?

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ビル管理士とは正式名称を建築物環境衛生管理技術者といい、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称ビル管法)により、特定建築物で選任が義務づけられた国家資格です。

なお、ビル管法における特定建築物とは、特定用途に利用される部分の面積が、3000㎡以上の建物(学校の場合は8000㎡以上)と定められています。

建物のオーナー自身がビル管理士として名義を出すこともありますが、ビル管理会社などへ委託するケースが一般的です。

ビル管理の業務自体は資格がなくても行えますが、ビル管理士の資格を取得するためには、2年以上の実務経験と試験または講習に合格することが条件となっているため、有資格者は高い信用が得られるでしょう。

ビル管理士の仕事内容

ビル管理士の仕事は具体的にどのような内容なのか、以下に解説します。

これからビル管理士の資格取得を目指す方や選任される予定の方は、よく理解しておきましょう。

特定建築物における環境衛生上の維持管理業務全般

ビル管理士は、特定建築物における環境衛生上の維持管理に関わる業務を担当します。

主な業務を以下にまとめます。

  • 管理業務計画の立案
  • 管理業務の指揮監督
  • 建築物環境衛生管理基準に関する測定または検査結果の評価
  • 環境衛生上の維持管理に必要な各種調査の実施

建物に常駐してビル管理士として仕事をする場合では、設備点検や清掃などの年間スケジュール作成や、各専門業者の指導・監督、点検や清掃報告書の取りまとめ、記録などの業務を担当します。

特に特定建築物で2ヶ月に1回行われる空気環境測定結果の確認や改善提案は、ビル管理士の重要業務といえるでしょう。

設備点検・清掃の実務

ビル管理会社の社員である場合、ビル管理士の名義を出している方が建物の設備員や清掃員として勤務していることもよくあります。

その場合、監督者としてだけでなく、自ら設備点検や清掃業務を行うことも多いでしょう。

ビル管理士の知識があれば、実務においても非常に活躍できます。

保健所による特定建築物の立入検査の対応

特定建築物では数年に1回、保健所による立入検査が行われます。

この際、該当する建物のビル管理士は立ち会いをして、保健所の検査員とやり取りをする必要があります。

保健所は主に帳簿書類の保管状況や物件内の衛生設備の確認などを行います。

帳簿書類に関しては直近1年間の点検記録をしっかりと確認するため、ビル管理士が日頃から責任を持って書類のチェック・保管を実施する必要があります。

特に空気環境測定の結果は基準から外れている項目があると、改善策を求められる場合があるため、事前に確認するようにしましょう。

ビル管理士が必要な職種や業界

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ビル管理士が必要とされるのは、どのような職種や業界なのでしょうか。

以下に考えられる職種や業界を紹介します。

ビル管理業界

ビル管理士が必要な業界として、真っ先に考えられるのは「ビル管理業界」です。

ビル管理とは、建物を維持・管理するために、設備点検・清掃・工事などの業務全般を指し、これらの業務を請け負う会社がビル管理会社です。

ビル管理会社ではオフィスビル、商業施設、宿泊施設などさまざまな建物の管理を行いますが、ビル管理士の選任を依頼されるケースも多いため、有資格者の需要は高くなります。

ビルマネジメント・プロパティマネジメント

ビル管理業を統括する立場であるビルマネジメントやプロパティマネジメントの仕事を担当する方でも、実務を把握しておく必要があるため、ビル管理士の知識が有効活用できます。

なお、ビルマネジメントやプロパティマネジメントでは、賃貸管理の知識とビル管理の知識の両方が求められる傾向にあります。

そのため、不動産取引や不動産経営に関する資格である、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士も併せて取得しておくと良いでしょう。

建物管理に関わる会社の営業職・マネージャーなど

ビル管理士の選任者は、建物に常駐することが義務づけられていないことから、複数物件の窓口や営業を行うマネージャーや営業職の方が、特定の建物でビル管理士として名義を出すことも可能です。

そのため、現場に勤務する設備員や清掃員だけでなく、ビル管理業界で働く方であれば、幅広い職種で有効活用できる資格といえるでしょう。

ビル管理士の取得メリット

ビル管理士を取得すると、具体的にどんなメリットがあるのか、以下に解説します。

ビル管理のプロとして働ける

ビル管理士の資格を取得するためには、資格試験に合格するか講習を受講して取得する方法があります。

試験と講習どちらの場合でも、給排水、空調、清掃、害虫駆除など建物管理に関わる総合的な知識が求められるため、実務経験を積んだうえで、じっくりと時間をかけてしなければ合格は困難といえます。

経験や学習を通して、ビル管理に関する総合的な知識が身につくため、資格を取得できれば、ビル管理のプロとして働けるようになるでしょう。

転職や昇進に活かせる

特定建築物で選任義務があることから、ビル管理士の有資格者はビル管理業界で多くの需要があります。

同業界ではビル管理士の資格取得を昇進や昇格の条件としている会社もあり、現場の責任者や本社の管理職など、上位のポジションを目指すのであれば、取得しておきたい資格です。

また、転職サイトでビル管理業界の求人を探すと、ビル管理士の資格所持を必須または歓迎条件とした求人が多数見つかります。

もちろん、理想とする条件に合致するかどうかは人によって異なりますが、資格を所持していれば、ビル管理業界ではどこかしらの就職先が見つかるでしょう。

年収アップに繋がる

ビル管理士の資格を活かして転職や昇進ができれば、年収アップに繋げられますが、それだけでなく資格手当を得る方法もあります。

ビル管理業では、ビル管理士だけでなく、選任義務が定められている多くの資格が存在するため、資格の取得が重要視される業界です。

したがって、ほとんどのビル管理会社では有資格者を多く確保しておきたい考えがあるため、基本給のほかに資格手当を設けています。

ビル管理士はビル管理に関わる資格の中でも上位資格とされており、試験での合格率が10〜20%台と取得が難しいことから、手当は他の資格よりも高額になる傾向にあります。

ビル管理士試験の受験資格

ビル管理士の資格試験は、「公益財団法人日本建築衛生管理教育センター」によって行われます。

誰でも受験できる試験ではなく、以下のような受験資格が定められています。

【受験資格】

次の用途に供される建築物の当該用途部分において環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事された方

(従事期間については、実務従事証明書の証明日現在で2年以上が必要です。)

「建物の用途」は細かく定められているため、本記事では割愛しますが、主な用途として、事務所、店舗、学校、ホテルなど、衛生環境を維持する必要性があり、多数の人が利用する建物であれば該当します。

詳しくは公益財団法人日本建築衛生管理教育センターホームページにある建築物環境衛生管理技術者試験についてから確認するようにしてください。

「環境衛生上の維持管理に関する実務」は、ビル管理業界で設備員、清掃員として現場の実務を経験している方はもちろん、空調設備や給排水設備の点検業者として働いている方も対象となります。

そのほかにも幅広い捉え方が可能であるため、自分の仕事が該当するかどうか不明な場合は、日本建築衛生管理教育センター国家試験課へ直接問い合わせるようにしましょう。

ビル管理士試験の概要

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ビル管理士の試験の概要を以下に解説します。

これから受験を考えている方は、ぜひ理解を深めておきましょう。

7つの科目から出題される

ビル管理士は以下の7つの科目から出題されます。

  • 建築物衛生行政概論
  • 建築物の構造概論
  • 建築物の環境衛生
  • 空気環境の調整
  • 給水及び排水の管理
  • 清掃
  • ねずみ、昆虫等の防除

合計で180問が出題され、試験時間は午前と午後に分かれるため、筆記試験としては、長丁場の試験といえます。

各科目はビル管理業に従事している方でしたら、実務で経験している内容が多いので、比較的学習しやすい科目になっています。

しかし、試験範囲が非常に広く、一つでも正答率が40%未満の科目があると不合格になってしまうため、広く浅く学習して、苦手分野を作らないことが大切です。

また、「建築物の構造概論」は建築工学が関係する科目であるため、ビル管理業に長く従事していても、苦手とする方が多い傾向にあります。

合格基準点・合格率は?

合格基準点として、2つの条件が定められています。

  • 全体の出題数の65%以上(117問以上)に正答する
  • 各科目の出題数の40%以上に正答する

多くの国家試験が、正答率が全体の60%以上であることを合格基準としているなかで、ビル管理士の基準点65%以上は、やや高いと感じられるかもしれません。

また、各科目の出題数の40%以上に正答しなければ、他の科目でどんなに高得点を取っていても不合格になってしまいます。

特に「建築物の構造概論」と「ねずみ、昆虫等の防除」は、例年、出題数が15問と非常に少なく、10問落とせば不合格となるため注意しなければなりません。

なお、合格条件は過去10年以上、上記の条件で実施されていますが、今後変更する可能性もあるので、常に同一の条件とは考えず、試験を受ける前に必ず確認するようにしましょう。

合格率に関しては年によって変動が大きい特徴がありますが、概ね10~20%台で推移しています。

合格率が高かった年の翌年は難易度調整がされるためか、合格率が低くなる傾向にあることを、頭に入れておくと良いでしょう。

実施は年1回のみ

ビル管理士の試験は年1回のみで、時期は例年10月の第一日曜日に実施されています。

試験は全国各地で実施されるため、自分の受験しやすい地域で受けることになります。

科目合格制度はないため、不合格だった場合は1年後にすべての科目を再度受けなければなりません。

再受験に1年待たなければならない点は、受験者にとって大きなプレッシャーになることでしょう。

講習による取得もできる

ビル管理士の資格は試験ではなく、建築物環境衛生管理技術者講習会を修了すれば取得可能です。

講習は試験と同様の受験資格を持つ方のみが受講でき、内容としては試験と同じ全7科目、101時間にも及ぶ講習を受けた後、修了試験に合格することで取得できます。

講習は試験に合格するよりも取得しやすいと考えられていますが、講習期間が長期に渡り、平日も含まれることから、働きながら受けるのは難しい側面があります。

併せて持っておくと良い資格

ビル管理士と併せて持っておきたい資格として、ビルメン4点セットと呼ばれる以下の4つの資格があります。

  • 第二種電気工事士
  • 2級ボイラー技士
  • 危険物取扱者乙種4類
  • 第三種冷凍機械責任者

ビルメン4点セットはビル管理業で非常に活用できる資格です。

建物に常駐する設備員の条件として、4点セットにある資格を取得していることを条件とするビルオーナーも多いため、ビル管理業界では所持しているだけでも一定以上の価値があるといえるでしょう。

ビルメン四点セットは筆記・実技試験などで取得することができ、決して簡単な試験ではありませんが、ビル管理士に合格できる実力のある人なら、しっかりと試験対策をすれば取得は難しくないでしょう。

また、ビル管理士を取得した後、さらにステップアップを考えている方は、以下の資格の取得を目指すのがおすすめです。

  • 第三種電気主任技術者(電験三種)
  • エネルギー管理士

第三種電気主任技術者は「電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督ができる資格」、エネルギー管理士は「エネルギー使用の合理化に関して、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視、その他経済産業省令で定める業務の管理を行う資格」です。

どちらも筆記試験での取得が可能ですが、合格難易度は非常に高く、ビル管理士の試験以上の努力を必要とするでしょう。

なお、ビル管理士、第三種電気主任技術者、エネルギー管理士の3つをビルメン三種の神器と呼ぶことがあり、3つすべてを取得している人は業界内で非常に重宝され、転職・昇進・資格手当などさまざまな手段で年収アップが期待できます。

まとめ

ビル管理士は建築物における衛生的環境の確保に関する法律により、特定建築物で選任が義務づけられており、有資格者は建物が存在する限り必要になるため、所持しているだけでも評価されやすい資格といえます。

特にビル管理業界では知識が直接仕事に活かせることから、重宝される人材になれるでしょう。

また近年、社会的に環境衛生への関心が高まっており、ビル管理士の資格は今後さらに注目されることが予想されます。

受験資格が定められており、試験の難易度も高いため、取得するのは容易ではありませんが、ビル管理業界でキャリアアップしたい方や建物管理に関わる仕事をしている方は、ぜひ取得を目指すことをおすすめします。

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