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ビル管理士は転職に役立つ?どんな求人があるのか、未経験でも大丈夫なのか徹底リサーチ

公開日:2022年9月6日 更新日:2023年3月29日

ビル管理士は転職に役立つ?どんな求人があるのか、未経験でも大丈夫なのか徹底リサーチ


ビル管理士は転職に役立つ?

どんな求人があるのか、未経験でも大丈夫なのか徹底リサーチ

ビル管理士コラム04

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)は特定建築物での選任が義務づけられており、試験の難易度も高いことから、価値のある国家資格といえます。

そのため、転職にも活かせる資格と考えられていますが、具体的にどんな業界・職種で求められる資格なのか、イメージできない方もいるでしょう。

そこで本記事ではビル管理士の資格を転職で活かす方法や、必要とされる業界・職種などについて詳しく解説します。


最終更新日:

ビル管理士とは

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ビル管理士は正式名称を「建築物環境衛生管理技術者」といいます。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称ビル管法)により、特定建築物で選任が義務づけられた国家資格です。

特定建築物に選任されたビル管理士は、環境衛生上の維持管理に関わる業務全般を担当することになり、年間の保守点検業務の計画や、管理業務の指揮監督といった仕事を行います。

ビル管理士を取得するためには「毎年1回実施される筆記試験に合格する」「講習を受講して修了する」という2種類の方法があります。

講習は全7科目、101時間にも及ぶうえ、費用も高額であるため、どちらかといえば試験での取得が一般的です。

しかし、ビル管理士の試験は年に1回しか実施されず、合格率は10~20%台と決して高くないため、しっかりと試験対策をしなければ合格は困難な資格です。

ビル管理士の主な就職先や業種

ビル管理士は転職に有利な資格と考えられていますが、活かせる業界や職種はある程度限定されています。

以下にビル管理士が必要とされる業界や職種を紹介しますので、転職を検討している方は参考にしてみてください。

ビル管理業界

ビル管理士の知識をもっとも活用できるのは、ビル管理業界です。

ビル管理会社では、ビル管理士の資格取得が昇進や昇格につながるケースも多く、現場の責任者や本社の管理職など上位のポジションに就くための必須条件としている場合もあります。

実際、転職サイトでビル管理業界の求人を探すと、ビル管理士の資格所持を必須または歓迎条件とした求人が多数見つかることから、需要の高さが読み取れます。

また、ビル管理会社では資格手当を設けている場合が多く、中でもビル管理士は上位資格とされており、試験での合格率が10〜20%台と取得が難しいことから、手当は他の資格よりも高額になる傾向にあります。

ビルマネジメント・プロパティマネジメント業界

ビルマネジメントやプロパティマネジメントは、建物の設備点検や修繕のほか、入居テナントの募集や家賃の回収など、賃貸管理業務全般を担当する会社です。

ビル管理会社を統括する立場にあるため、実務を把握しておく必要があるため、ビル管理士の知識が有効活用できます。

なお、ビルマネジメントやプロパティマネジメントでは、賃貸管理の知識とビル管理の知識の両方が求められる傾向にあります。

そのため、不動産取引や不動産経営に関する資格である、宅地建物取引士賃貸不動産経営管理士も併せて取得しておくと良いでしょう。

不動産業界(管理業)

不動産業界でも業種によってはビル管理士の資格が活かせる場合があります。

ビル管理士は建物管理に関わる資格なので、売買や賃貸営業ではあまり活かせることはありませんが、不動産管理会社では、知識が直接役に立つ場合があるでしょう。

もっとも、不動産管理会社の仕事は多岐にわたるため、自らビル管理士の選任者として勤務するケースは少ないと考えられますが、知識があれば設備のトラブル発生時などに速やかに対応できるでしょう。


ビル管理士は需要がある?

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ビル管理士の資格を所持していれば、建物の環境衛生管理に関する高い知識があると見られることもあるでしょう。

また特定建築物で選任義務があるほか、社会的に環境衛生への関心が高まっていることも需要に影響しています。

建物が存在する限り必要とされる

ビル管理士は特定建築物で選任が義務づけられていることから、今後も建物が存在する限り、必ず求められる資格といえます。

また、建物を維持していくためには空気環境測定、消防設備点検など、さまざまな保守点検を実施しなければなりません。

こうした点検の計画やチェック、点検結果書類の保管なども建築物環境衛生管理技術者の重要な業務となります。

規模の大きい建物になると、保守点検の種類や回数も多く、膨大な数の点検結果書類を取りまとめる必要が出てくるため、建物の所有者が自ら行うのは困難です。

こうした業務をこなすためには、管理監督の知識がある建築物環境衛生管理技術者の存在がより重要視されるようになるでしょう。

環境衛生への関心は高まっている

昨今、新型コロナウイルスの影響などにより、社会全体として環境衛生への関心が高まっています。

オフィスビルや商業ビルのテナントやマンションの入居者など、建物内の空気環境の状態を今まで以上に気にするようになり、建物環境に関してビル管理会社への問い合わせ・クレームが増加しています。

建物の利用者に対して、正確な回答を行うには一定の知識が必要になるため、クレーム対応という意味でも、建築物環境衛管理技術者は重要な存在となりつつあります。


未経験や30~40代の転職でも大丈夫?

ビル管理士を所持していれば未経験でもビル管理会社などへ転職ができるのか、またビル管理士を取得していれば30~40代でも転職はできるのか、疑問に思っている方もいるでしょう。

以下に資格を活かして転職を目指す場合の注意点を解説します。

ビル管理士の取得には実務経験が必要

ビル管理士を取得できれば、ビル管理会社などへの転職は非常に有利になります。

しかし、ビル管理士を取得するには、実務経験が2年以上必要であるため、未経験の方は原則として資格を取得できません。

実際に「公益財団法人日本建築衛生管理教育センター」に公表されているビル管理士の受験資格では以下の通りです。

【受験資格】

次の用途に供される建築物の当該用途部分において環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事された方

(従事期間については、実務従事証明書の証明日現在で2年以上が必要です)

「建物の用途」は細かく定められているため、本記事では割愛しますが、主な用途として、事務所、店舗、学校、ホテルなど、衛生環境を維持する必要性があり、多数の人が利用する建物であれば該当します。

詳しくは公益財団法人日本建築衛生管理教育センターWebサイトにある建築物環境衛生管理技術者試験についてから確認するようにしてください。

「環境衛生上の維持管理に関する実務」は、ビル管理業界で設備員、清掃員として現場の実務を経験している方はもちろん、空調設備や給排水設備の点検業者として働いている方も対象となります。

そのほかにも幅広い捉え方が可能であるため、自分の仕事が該当するかどうか不明な場合は、日本建築衛生管理教育センター国家試験課へ直接問い合わせるようにしましょう。

ビル管理業界は年齢層が高く人手不足

ビル管理業界は年齢層が高い業界です。

平均年齢としては30~40代が多くなっていますが、50代以上の年齢でも資格や経験があれば、転職は十分に可能です。

また、労働集約型産業であるため人材の確保が重要ですが、近年は少子高齢化の影響などがあり、人手不足の会社が増加しており、中途入社の割合も多い傾向にあります。

実際のところ、一般の設備員の場合、30~40代であればむしろ若いほうであり、未経験での採用も多く行っています。

ただし、ビル管理業界の中でも「系列系」と呼ばれる大手デベロッパーやゼネコンの子会社は、親会社を持たない「独立系」の会社より採用の基準が厳しい傾向にあり、年齢や資格が大きく影響します。

その一方、給与などの待遇は独立系の会社よりも好条件である場合が多いため、独立系の会社で経験を積んだ後、ビル管理士を取得して系列系の会社へ転職する方も珍しくありません。

資格を活かせる業界は限られる

ビル管理士の資格はビル管理業界においては重宝される資格です。

しかし、汎用性が高い資格とは言い難く、所持していることで転職が有利になる業界は限られているのが実情です。たとえば簿記やFP、宅建など多数の業界や職種で活用できる資格とはイメージが大きく異なります。

ただし、前述したように不動産に関わる会社であれば、資格を活用できる場面は出てくる可能性があります。


ビル管理士の資格で賢く転職するには

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では、ビル管理士の資格を活用して賢く転職するには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。主な方法を以下に紹介します。

総合転職エージェントサイトを活用する

転職サイトには、大きく分けて通常の転職サイトと転職エージェントサイトの2種類があります。

転職エージェントとは、求職者と人材を募集している企業のマッチングをサポートする転職支援サービスです。

自分で企業の情報を調べる転職サイトと違い、キャリアアドバイザーから的確なアドバイスをもらえるうえ、企業との日程調整や条件交渉なども代行してくれるため、スムーズに活動が進みます。

中でも総合型転職エージェントは、ビル管理業界に限らず幅広い業界を網羅した転職サービスであり、利用者の数が多く、アドバイザーもさまざまな経験を積んでいるため、手厚いサポートが受けられるでしょう。

一方で専門性の高い業界・職種においては、やや知識が不足する場合もある点を理解しておく必要があります。

業界特化型転職エージェントを活用する

転職エージェントには幅広い業界の求人が見つかる「総合型」と、特定の業界に特化した「業界特化型」があります。

ビル管理士を活かすのであれば、ビル管理・設備管理・不動産業界などに特化した転職エージェントを活用すると良いでしょう。

業界特化型の転職エージェントでは、専門とする業界においては、総合型転職エージェントより求人数や職種が豊富にあり、キャリアアドバイザーの知識も高い特徴があります。

したがって、業界内での転職・キャリアアップを考えている方にもおすすめです。


資格取得をして転職を成功させよう

資格は転職において重要なアピールポイントになります。

ビル管理士も実務経験が必要であり、試験の難易度が高いことから、企業から評価されやすい資格です。

特にビル管理会社では資格の有無が重要視される傾向にあります。

ビル管理士のみでなく、電験三種、エネルギー管理士といった専門性の高い資格を取得できれば、さらに転職の選択肢は広がることでしょう。

資格を所有した状態で転職エージェントに登録すれば、企業からスカウトを受けられる場合もあります。

そのため、ビル管理士を取得できた方は、すぐに転職する意思がない場合でも、とりあえず登録をしておくだけで良い求人に出会える可能性があるので、利用してみることをおすすめします。

まとめ

ビル管理士の取得は決して簡単ではありません。受験資格として実務従事証明書の提出が求められるため未経験では取得できず、試験の合格率は10~20%台と低く、しっかりと試験対策する必要があります。

しかし、取得が難しい分、転職では有効活用できる資格といえます。

特にビル管理業界では採用の条件にしているケースも多く、キャリアアップにも有効です。

また、不動産管理の会社でも高く評価される傾向にあります。

ただし、資格が評価される業界は限られており、ビル管理会社をはじめとした不動産管理に関わる業界以外では、評価されにくい資格です。

そのため、転職のために資格取得を目指すのであれば、資格を活用できる業界を事前にリサーチしておくことをおすすめします。

ぜひビル管理士の資格を活かして、理想的な転職先を見つける努力をしていきましょう。

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