タイヤ空気充てん作業特別教育は、タイヤ空気充てん作業に伴う危険を防止し、安全な手順での作業を徹底するために必要な知識・技術力を学ぶ講習です。学科5時間、実技4時間の講習内容で構成されています。
この記事では、タイヤ空気充てん作業特別教育について詳しく解説します。タイヤ空気充てん作業に関しての災害事例や受講方法、受講内容や修了証に関してもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
公開日:2025年5月29日 更新日:2025年5月29日
タイヤ空気充てん作業特別教育は、タイヤ空気充てん作業に伴う危険を防止し、安全な手順での作業を徹底するために必要な知識・技術力を学ぶ講習です。学科5時間、実技4時間の講習内容で構成されています。
この記事では、タイヤ空気充てん作業特別教育について詳しく解説します。タイヤ空気充てん作業に関しての災害事例や受講方法、受講内容や修了証に関してもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
タイヤ空気充てん作業特別教育は、タイヤ空気充てん作業に伴う危険を防止し、安全な手順での作業を徹底するために必要な知識・技術力を学ぶ講習です。特別教育なので受講が義務づけられており、未受講者が作業従事すると罰金制度が適用される恐れがあります。
大型車両などに使用されるタイヤへの空気充てん作業は、空気圧の過剰充てんやタイヤの損傷によって、爆発的な破裂事故が発生するリスクがあります。重大な労働災害が生じる恐れがあるわけです。
特に作業者が不適切な方法で空気を充てんした場合、タイヤやリムの破損によって飛散事故を引き起こし、命に関わる危険性もあります。そのため、労働安全衛生規則 第三十六条にて危険または有害な業務に当てはめられており、特別教育の受講が義務づけられています。
実際、タイヤ空気充てん作業に関して労働災害が生じています。ここでは、いくつか報告されている災害事例についてみていきましょう。
▼事例1. タイヤチューブが破裂作業中の男性が顔などに大けが
福島県の自動車用品店で空気を入れていたタイヤチューブが破裂し、作業をしていた男性が顔などに大けがをする事故があった。
事故が起きたのは店のピット内で、フォークリフトのタイヤ交換のためタイヤチューブに空気を入れていたところチューブが破裂した。その際タイヤなどがはじけ飛び、作業をしていた20代男性が左顔面や左肘を骨折するなどの大けがをした。
▼事例2. タイヤなど組み入れ作業中に50代男性死亡
福島県の自動車店で、タイヤとタイヤホイールの組み入れ作業をしていた50代男性にタイヤホイールのリングが当たり、死亡した。近くにいた60代男性も肩にけがをした。
50代男性は作業場でクレーン車用新品タイヤとホイールの組み入れ作業をしていた。タイヤホイールを固定するリングが外れて吹き飛び、頭に当たったとみられる。
▼事例3. 交換中にタイヤ破裂、風圧で2m飛ばされ死亡
北海道の自動車整備会社の工場で60代男性が破裂したトラックのタイヤの風圧で約2メートル飛ばされ、アスファルトの地面にたたきつけられた。その後、病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。
男性が10トントラックのタイヤを交換していたところ、左後輪の内側に取り付けられていたタイヤ1本が破裂した。
出典:全国タイヤ商工協同組合連合会|タイヤ空気充てん作業事故 記事
タイヤ空気充てん作業は、大きな事故につながる可能性があるほど危険を伴う作業です。そのため、作業者は特別教育を通じて必要な知識・技術力をしっかりと身につける必要があります。特別教育の内容に関しては後述しますので、ぜひ参考にしてください。
ここでは、タイヤ空気充てん作業特別教育の受講方法と講習内容について詳しく解説します。どのような内容で実施されるのか参考にしてみてください。
プレス機械作業主任者能力向上教育の受講方法は、主に以下のとおりです。
一般的な受講方法として挙げられるのが、各講習機関が開催する講習の受講です。会場に足を運び、講師の講義を直接受けるスタイルで、事業者側で講師を手配する必要がありません。ただし、スケジュールの調整や会場までの移動が必要になるため、受講には工夫が必要です。
次に挙げられるのが、出張講習の依頼です。講習を実施している機関に依頼し、自社内で講習を開催してもらう方法で、受講者は移動の負担がありません。落ち着いた環境で学習できる点がメリットです。
一方で、講師の出張費や宿泊費などが発生するため、事業者側のコストがかさむ傾向です。また、受講人数が少ない場合には出張講習の対応が難しいケースもあるため、事前に受講の可否を確認しておく必要があります。
受講者・事業者の両方におすすめな受講方法は、Web(オンライン)講座の受講です。Web講座であれば、受講場所や時間に縛られず、受講者のペースで学習を進められます。
一時停止・巻き戻しといった操作も自由に行えるため、じっくりと理解を深められるのもメリットです。忙しい社会人にも適した柔軟な受講スタイルといえるでしょう。
以下の表は、タイヤ空気充てん作業特別教育の講習内容をまとめたものです。
▼学科講習
講習科目 | 講習内容 | 受講時間 |
---|---|---|
タイヤ及びその組込みに関する知識 | 自動車(二輪自動車を除く。)用タイヤ(以下「タイヤ」という。)の種類及び構造 タイヤのリムへの組込み及びその状況の点検の方法 | 2時間 |
タイヤの空気充てん作業に関する知識 | 圧力調節装置の種類、構造及び取扱いの方法 空気圧縮機を用いてタイヤに空気を充てんする方法 安全囲い等の使用方法 | 2時間 |
関係法令 | 法、令及び安衛則中の関係条項 | 1時間 |
合計 | 5時間 |
▼実技講習
講習科目 | 講習内容 | 受講時間 |
---|---|---|
タイヤの組込み | タイヤのリムへの組込み及びその状況の点検 | 2時間 |
タイヤの空気充てん | 圧力調節装置の操作 空気圧縮機を用いたタイヤへの空気の充てん | 2時間 |
合計 | 4時間 |
タイヤ空気充てん作業特別教育は、学科5時間・実技4時間の内容で構成されているのが特徴です。学科で知識、実技で技術力を学ぶため、労働災害を防止するためにも集中して取り組みましょう。
タイヤ空気充てん作業特別教育を修了すると、受講者には修了証が発行されます。修了証の形式は、主に「PDF版」と「カード版」の2種類です。
PDF版は、Web講座の修了後すぐにダウンロードできるため、スピーディに証明書を取得可能です。一方、カード版はコンパクトで携帯しやすく、現場などで修了証の提示を求められた場合にもすぐに対応できるというメリットがあります。
どちらの形式を選んでも問題はありませんが、現場での携帯性や提示のしやすさを踏まえると、カード版での発行をおすすめします。
CIC日本建設情報センターでは、カード版の修了証の発行にも対応しております。修了証の取り扱いにもこだわりたい方は、ぜひご検討ください。
CIC日本建設情報センターでは、タイヤ空気充てん作業特別教育のWeb(オンライン)講座を開講しています。実務に必要なポイントをコンパクトにまとめたテキストと、専門講師によるわかりやすい動画講義を通じて、短期間で効率よく知識や技術を身につけることが可能です。
CIC日本建設情報センターのWeb講座は、以下の手順で受講できます。
Web講座では「受講者が実際に画面の前で学んでいるのか」気になる事業者の方もいらっしゃるかもしれません。CICの講座では顔認証システムを採用しており、受講者が画面の前にいない場合は学習が進まない仕組みです。このため、講座を修了した時点で「受講者本人がしっかりと受講を終えた」ことの証明にもつながります。
受講方法でお悩みの場合は、ぜひCIC日本建設情報センターの講座をご検討ください。
タイヤ空気充てん作業特別教育は、タイヤ空気充てん作業に従事する方に対して受講が義務づけられている講習です。伴う危険を防止し、安全な手順での作業を徹底するために必要な知識・技術力を学びます。
受講方法としては、各講習機関による講習の参加・出張講習の依頼・Web講座の受講が挙げられます。受講者・事業者の両方にメリットがある点からWeb講座がおすすめです。中でもカード版の修了証発行に対応している機関を選ぶと、修了後の現場でも携帯しやすく、すぐに修了証を提示できます。
CIC日本建設情報センターでは、タイヤ空気充てん作業特別教育のWeb講座を用意しております。モチベーションを維持しながら効率的に学習を進められる内容ですので、ぜひ受講をご検討ください。