「給水装置工事主任技術者」は、安全な水道水の供給を支える上で欠かせない国家資格です。水道系のインフラの老朽化が全国で進む中、有資格者への需要は高まり続けており、年収面でも安定した水準が見込める職種として注目されています。
この記事では、「給水装置工事主任技術者」の平均年収や実際の求人例、さらに年収を引き上げるための具体的な方法やキャリアの例まで解説します。資格の取得を検討している方や、すでに取得済みで今後のキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
公開日:2026年4月30日 更新日:2026年4月30日

「給水装置工事主任技術者」は、安全な水道水の供給を支える上で欠かせない国家資格です。水道系のインフラの老朽化が全国で進む中、有資格者への需要は高まり続けており、年収面でも安定した水準が見込める職種として注目されています。
この記事では、「給水装置工事主任技術者」の平均年収や実際の求人例、さらに年収を引き上げるための具体的な方法やキャリアの例まで解説します。資格の取得を検討している方や、すでに取得済みで今後のキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

「給水装置工事主任技術者」とは、水道法に基づいて設けられている国家資格です。給水装置の設置(新設)・変更(改造・修繕・撤去)に関わる工事の技術的管理・指導・監督が主な業務であり、水道局との連絡調整や工事の適正性チェックといった行政対応も担います。
また、令和元年に施行された改正水道法により、5年ごとの更新制度(主任技術者証)が新たに導入されました。この制度によって、有資格者には最新の技術や制度への対応が継続的に求められるようになり、資格保有者としての質が担保される仕組みとなっています。
「給水装置工事主任技術者」が活躍できるフィールドは幅広く、代表的な業界・職種としては以下が挙げられます。
給水管工事会社は、指定給水装置工事事業者の要件として、事業所ごとに本資格の保有者を選任する必要があります。そのため、「給水装置工事主任技術者」として最も活動しやすい業界・職種の1つです。
「給水装置工事主任技術者」は、施工管理系とも相性が良い資格です。管工事施工管理技士などとあわせて保有することで、現場管理から設備工事まで対応できる人材としての付加価値が高まります。
「給水装置工事主任技術者」は、ビルメンテナンス・設備管理会社でも働けます。給水装置の点検修理・新規設置に従事するメンテナンスエンジニアとして、専門性を発揮できるポジションであるためです。
ほかにも、ボイラー技士や消防設備士などのビルメンテナンスと相性の良い資格を取得することで、より付加価値を高められるでしょう。
公務員として水道施設の維持管理や設計・監督業務に携わる道もあります。自治体の水道局などへの就職・転職は、安定を重視する方にとって有力な選択肢となるでしょう。
「給水装置工事主任技術者」は、将来的にも安定している仕事といえます。水道は人が生活するうえで欠かすことのできないインフラであり、全国的に老朽化した水道管の管理・工事への業務への需要増加が見込まれているためです。
また、業界全体で人手不足と高齢化も進んでいます。若手の有資格者は市場価値が高く、技術と資格を兼ね備えた人材を確保したい企業が増えている状況です。技術者に付加価値がつく仕事なのでAIにも代わりづらい点から、資格取得によって中長期のキャリア安定につながるともいえるでしょう。

「給水装置工事主任技術者」の平均年収は、400万〜600万円が目安とされています。国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均給与は478万円です。このことから、給水装置工事主任技術者の年収は、平均と同等からやや高めの位置にあるといえます。
ただし、年収は経験年数や勤務する地域、保有資格との組み合わせなどでも異なります。特に資格に関しては資格手当の支給によって、年収で数十万円の差が生じるケースも珍しくありません。
また、企業規模や雇用形態、担当する工事の種類などによっても年収は異なります。そのため、年収の目安はあくまでも相場を把握するための参考にとどめ、実際の年収は複数の求人情報を比較しながら把握するのが良いでしょう。

ここからは、「給水装置工事主任技術者」の資格を活かせる実際の求人例を3つご紹介します。
勤務地や業務内容による給与の違いを確認しながら、イメージをより具体的にしていきましょう。
1つ目は、給排水管・給湯管などの配管改修工事における施工管理の求人例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務内容 | 戸建住宅の給湯設備関連工事 |
| 月収 | 26万〜(想定年収 約420万円~700万円) |
| 勤務地 | 関東地方 |
| 雇用形態 | 正社員、完全週休2日制、フレックスタイム制度 |
| 必須・推奨資格 | 給水装置工事主任技術者・普通自動車免許・施工管理系資格(建築・土木いずれも可) |
給排水管・給湯管などの配管改修工事における施工管理の求人では、「給水装置工事主任技術者」に加えて施工管理系の資格も求められるケースが多めです。複数資格の保有が給与水準の上乗せにつながっている好例です。
2つ目は、給排水・上下水道工事などの公共事業に関する「給水装置工事主任技術者」の求人例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務内容 | 給排水・上下水道工事などの公共事業 |
| 月収 | 32万〜 |
| 勤務地 | 関東地方 |
| 雇用形態 | 正社員、完全週休2日制 |
| 必須・推奨資格 | 給水装置工事主任技術者・1級・2級土木施工管理技士
土木工事または水道工事の現場経験(5年以上推奨) |
給排水・上下水道工事などの公共事業は施工と比較すると身体的な負担が少なく、完全週休2日制でワークライフバランスを重視した働き方がしやすい点が特徴です。年収に関しても経験を積んでいくことで、500万円以上を見込めます。
3つ目は、各種配管工事に関する「給水装置工事主任技術者」の求人例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務内容 | 水道配水小管、給水管の接合配管工事、土工・舗装工事 |
| 月収 | 50万〜65万円 |
| 勤務地 | 関東地方 |
| 雇用形態 | 正社員、週休2日制 |
| 必須・推奨資格 | 一級土木施工管理技士、普通自動車運転免許(AT限定不可) |
配管工事の求人では、土木施工管理技士の資格が求められているケースもあります。ほかにも、管工事施工管理技士などがあれば、給排水だけでなく空調・ガス配管まで対応できるため、現場で重宝されやすくなるでしょう。

「給水装置工事主任技術者」の年収を上げるための方法は、主に以下の3つです。
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
一般的なのは、現在の職場で着実にキャリアアップを目指す方法です。
「給水装置工事主任技術者」としての実務経験を積み重ね、最新の技術や制度に関する研修を受講しながら専門性を高めていくことで、「現場主任」「施工管理者」といった責任あるポジションへの昇進につながります。役職が上がれば基本給の大幅な引き上げも見込めるため、長期的な視点でキャリアを積み上げることで年収もアップできるでしょう。
また、「給水装置工事主任技術者」の資格を取得すると、多くの企業で資格手当が支給されます。資格手当は、特に働き方を変えることなく収入が増えるため、手軽な年収アップの手段です。さらに、企業によっては昇進・昇給の要件に資格保有を組み込んでいるケースもあり、取得そのものが評価基準として機能しています。
「給水装置工事主任技術者」と相性の良い関連資格を取得することでも、年収アップにつなげられます。複数の資格があることで、より技術者としての付加価値を高められるためです。
「給水装置工事主任技術者」と相性の良い関連資格を以下の表にまとめました。
| 関連資格 | 概要 |
|---|---|
| 管工事施工管理技士 | 給排水に加えて空調・ガス配管工事にも対応可能になり、現場で任される業務の幅が大きく広がる。 |
| 下水道排水設備工事責任技術者 | 給水と排水の両方をカバーできる。上下水道を一括で対応できる技術者として付加価値が高まる |
| 水道技術管理者 | 安全な水の維持・管理に必要な資格。上水道全般に精通する人材として、水道局や設備管理会社で評価される |
| 電気工事士 | 住宅設備関連の求人で求められる可能性があり、対応できる工事の種類が増える |
中でも、管工事施工管理技士は「給水装置工事主任技術者」と相性が良く、取得することで仕事の幅も広げられます。管工事施工管理技士を保有することで、「給水装置工事主任技術者」試験で2科目の免除を受けられるため、ぜひ取得をご検討ください。
資格と実務経験の両方がある場合、より条件の良い職場へ移るのも1つの方法です。
たとえば、大手企業は経営基盤が安定しており、中小企業と比べて給与水準・福利厚生が充実する傾向にあります。大規模な建設プロジェクトに携わることで、キャリアの幅も広がるでしょう。
また、大手企業以外であっても、資格手当の有無・昇給制度・福利厚生が充実している企業はあります。地域や自分の理想とする働き方をあらかじめ整理し、事前にチェックしておくことで失敗のリスクを最小限に抑えた転職が可能です。

ここでは、「給水装置工事主任技術者」に関するよくある質問についてまとめました。
AI時代においても、「給水装置工事主任技術者」は生き残りやすいとされています。AIやIoT技術が進歩しても、給水装置の現場での施工作業や、現地の状況に応じた判断は人の手に頼らざるを得ないためです。
たとえば、配管の接続や水圧テスト、漏水箇所の特定と修繕といった実務は自動化が難しい内容といえます。また、部分的にAIが活用される可能性は考えられるため、上手く使いこなして仕事の幅を広げたり質を高めたりすることで、より付加価値を高められるでしょう。
「給水装置工事主任技術者」の就職先はさまざまです。代表的なものとしては、指定給水装置工事事業者として登録されている水道工事会社が挙げられます。
そのほかにも、ビルや商業施設の設備管理を行うビルメンテナンス会社、管工事や空調設備を手がける建設設備会社、プラントの給排水設備を扱うプラント設備会社など、幅広い業種が候補です。自分が理想とする働き方などをもとに、どの業種に就くか検討しましょう。

この記事では、「給水装置工事主任技術者」の平均年収や求人例、年収を上げるための方法について解説しました。
「給水装置工事主任技術者」の平均年収は、400万〜600万円が目安です。日本の給与所得者の平均年収は478万円であるため、同等以上の年収が見込めます。また、資格の組み合わせや実務経験の積み上げ次第でさらなる年収アップも狙えるでしょう。
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