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石綿取扱作業従事者への特別教育が義務化された背景と受講方法

公開日:2024年6月3日 更新日:2024年6月3日

石綿取扱作業従事者への特別教育が義務化された背景と受講方法

かつて建築物などで多く使用されていたのが石綿です。石綿の繊維は、肺を中心に甚大な健康被害を起こすため対策が必要です。

2024年時点で、すでに建築物等に石綿を使用することは法律で禁じられていますが、その法改正前に建設された数多くの建築物等には、まだ石綿が使用されています。

石綿を取り扱う作業員には、石綿取扱作業従事者への特別教育を受講する義務があります。

ではなぜこの特別教育が義務化されたのか。その背景や特別教育の受講方法などを詳しく解説していきます。


CIC石綿取扱作業従事者特別教育




目次

石綿被害について

石綿被害

石綿取扱作業従事者への特別教育(以下:石綿特別教育)は、業務上石綿を取り扱う作業を行うすべての方に受講義務があります。2024年現在、建築物等に石綿を使用することは法律で禁止されています(労働安全衛生法施行令)。つまり、これから建設する建築物等に関しては、石綿を取り扱うことはありません。

しかし、現在の法律が制定される前に建てられた建築物等には、まだ石綿が使用されているものも数多くあります。石綿を使用した建築物等の解体や改修作業を行う場合、石綿特別教育を受講していないといけないということになります。

では石綿特別教育が義務化された背景には、どのような事情があるのでしょうか。まずはこのポイントから解説していきましょう。

石綿が原因で発症するとされている症状

石綿特別教育が義務化された最大の理由は、石綿による健康被害が甚大な点が挙げられます。

石綿繊維の特徴は、髪の毛よりも細いことです。呼吸などとともに体内に取り込みやすく、肺胞などに長く留まることで、肺を中心とした疾病の原因となります。

石綿が原因とされる症例としては中皮腫・肺がん・石綿肺・良性石綿胸水・びまん性胸膜肥厚などがあります。とくに中皮腫(胸膜などに発症する腫瘍)や肺がんは命に係わる病気ですし、石綿肺に関しても完治のための治療法が見つかっていないのが現状です。

このような甚大な健康被害の対策として、石綿を取り扱う作業員に対し石綿の正確な知識を身に着けることが義務付けられました。それが石綿特別教育です。

発症までの潜伏期間が長い

石綿による健康被害は甚大なだけではなく、発症までに時間がかかるという問題点があります。

石綿繊維による健康被害の発症まで、15~40年間もの潜伏期間があります。被害に遭って即発症ではないため、発症したタイミングで原因が石綿かどうかの判断が難しいという問題があるわけです。

仮に40歳まで建設作業現場で働いていた方が、60歳で肺がんを発症しても、石綿が原因とは認識できず、タバコなどが原因と考えてしまう方も多いです。

石綿による健康被害は潜伏期間が長いということもあり、被害に遭っているという意識が低い傾向にあります。そのため、石綿特別教育を義務化し、石綿被害の恐ろしさとともに、被害に遭わないための準備などを身に着けることになっています。

石綿被害の実例

石綿被害実例

石綿による健康被害は甚大であり、また発症までに時間がかかると書きましたが、実際に石綿被害に遭われた方の実例をいくつか紹介していきましょう。

石綿による健康被害は建設業界がもっとも多いのですが、建設業界に限らず広い業界で問題となっている部分も併せて紹介していきます。

実例1:長年建設業界で働きその後肺がんを発症

ある男性は10年以上建設業界で働き、その中には石綿を使用した建築物等の解体作業も多く含まれていました。その後、男性は肺がんを発症します。

男性とその家族は、建築業界で働いていた関係から石綿被害を疑い病院で検査を行い、石綿被害を証明する「胸膜プラーク」の存在が確認されました。この結果から労災認定の申請をするも、一度は却下されてしまいます。

労災認定に必要な労災協力医の診断の結果、「胸膜プラーク」が確認できなかったことが大きな理由でした。その後男性はこの決定を不服として再検査を申請。後の検査で改めて「胸膜プラーク」が確認され、最終的には労災の支給が決定します。

しかし、労災の申請から支給決定までには1年以上の時間がかかっています。石綿による健康被害は、それだけ認定が難しいことを証明する実例となりました。
参照:https://joshrc.net/archives/2902

実例2:造園業従事者が蛇紋岩に含まれる石綿に曝露し肺がん発症

建築業界以外の方が石綿による健康被害に遭った例も紹介していきましょう。被害者の男性は、肥料製造及び造園業に従事していました。造園業の業務のひとつとして「蛇紋岩」という石を取り扱っていましたが、この蛇紋岩に含まれる石綿繊維の影響で、後に肺がんを発症しています。

石綿被害と聞くと、石綿自体を取り扱う仕事の方が中心と思われがちですが、自然界にも石綿は存在しており、建設業界以外の方でも石綿被害を受ける可能性はあるという事例のひとつです。

建設業界はもちろんのこと、石綿繊維に触れる可能性のある業界の方すべてが石綿特別教育を受講すべき講習と言えます。
参照:https://joshrc.net/archives/2911

実例3:石綿スレート製品の運送に携わった下請け業者が肺がんで死亡

最後に建設業界ではない方の石綿被害の例を紹介します。石綿被害に遭い、肺がんで80歳に死亡した男性は、30年間トラック運転手として働いていました。その業務のなかには石綿スレートの運送があり、この運送作業時に石綿被害に遭った可能性が高いとされています。

現在は石綿スレートの使用が禁止されていますが、被害男性の現役時代にはまだ建設現場などで広く使用されていました。

ただしこの男性の場合、一時期スレート工場で働いており、その頃に石綿被害に遭っている可能性も考えられます。
参照:https://joshrc.net/archives/6145

石綿取扱作業従事者となるためには?

石綿取扱作業従事者

ここまで石綿被害の甚大さに関して紹介してきましたが、こうした被害を防ぐためには、石綿に関する正しい知識を持ち、そのうえで正しい対策を行う必要があります。その知識は現場責任者だけではなく、その現場の作業員すべてが持つべきでしょう。

そのために義務化されたのが石綿特別教育です。石綿特別教育は厚生労働省が指定するカリキュラムを受講し、修了することで完了します。受講条件は年齢制限のみで、18歳以上の方であれば誰でも受講可能です。また石綿特別教育の受講義務は事業者にあります。

事業者が石綿特別教育の受講方法を知り、従業員に受講させなければなりません。

特別教育の受講方法

受講方法

石綿特別教育の受講方法は主に3つあります。

1つ目は外部の講習を受講する方法です。石綿特別教育は受講対象者が多いため、全国各地の団体や企業が特別教育の講座を開講しています。こうした講座を受講するのが1つ目の方法です。

外部の講習を受講するだけですから、事業者は準備する手間もなく受講できるメリットがあります。ただし、自社周辺で講習が行われていないこともあり、受講に時間がかかるというデメリットもあります。

2つ目が自社に専門講師を招いて、講習を行ってもらうという方法です。自社都合で特別教育の日程を組めますので、比較的余裕のあるタイミングで、従業員にまとめて受講してもらえるというメリットがあります。

デメリットは、そもそも受講すべき従業員が少ない場合は講師の派遣が難しかったり、費用が高くなったりする点が挙げられます。受講すべき従業員が数十人や百人単位いる事業場であれば問題ありませんが、少人数の場合は利用しにくい方法と言えるでしょう。

3つ目の方法が自社内でWeb(オンライン)講座を受講してもらう方法です。石綿特別教育は学科のみの受講となっていますので、Web(オンライン)講座受講でも修了可能です。

Web(オンライン)講座のメリットは事業者側での準備は必要なく、また従業員の都合に合わせて受講できることです。事業場の業務に支障を与えることなく、受講者の人数が少ない事業場でもすぐに利用できるのもメリットと言えます。

ほぼデメリットはありませんが、受講者がきちんと特別教育を受講しているかの確認が難しい点が挙げられます。

Web(オンライン)講座での特別教育ならCIC

オンライン講座

CIC日本建設情報センターでは、石綿特別教育のWeb(オンライン)講座を提供しています。CIC日本建設情報センターのWeb(オンライン)講座は受講者個々にアカウントを発行するため、受講者個人のタイミングで自由に受講できるのがポイントです。

また、受講者がきちんと特別教育を受講しているか、顔認証システムでチェックしています。講座再生中に席を立つなどした場合は未受講と判断されますので、受講したのに知識が身についていないという心配もありません。

講座終了後には修了証も発行できます。即発行可能なPDFの修了証に加え、カードタイプの修了証発行にも対応しています。

まとめ

まとめ

石綿による健康被害は甚大かつ深刻で、命にかかわる事態に発展することも少なくありません。こうした健康被害を減らすためには、石綿を取り扱うすべての作業員が、石綿に関する正しい知識を持ち、被害を食い止める方法を学ぶ必要があります。

こうした経緯で石綿特別教育は義務化されました。石綿特別教育の受講は、事業者の義務です。事業者は該当するすべての従業員に、石綿特別教育を受講してもらう義務を負っています。

石綿特別教育の受講方法はいくつかありますが、もっともおすすめはWeb(オンライン)講座の受講です。

CIC日本建設情報センターのWeb(オンライン)講座で受講すれば、受講者ごとの業務に合わせた受講が可能で、より確実に石綿に関する知識を身に着けてもらえるでしょう。


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