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送配電設備とは?役割や種類、構成機器や安全対策で必要なことまで解説!

公開日:2025年9月30日 更新日:2025年9月30日

送配電設備とは?役割や種類、構成機器や安全対策で必要なことまで解説!

送配電設備とは?役割や種類、構成機器や安全対策で必要なことまで解説!

現代社会において、電気は私たちの生活に欠かせないインフラです。ただし、「何となく電柱や鉄塔に電線が張ってるのは分かるけど、どうやって届いているのかはイマイチ分かっていない」という方もいるのではないでしょうか。

送配電設備は、発電所で生み出された電気を効率的かつ安全に各需要場所へ届ける重要な役割を担っています。また、電気関連の資格でも登場する分野の1つなので、「第一種電気工事士」などの受験者は理解が必要不可欠です。

この記事では、送配電設備の基本的な仕組みから構成要素、関連する法律や資格まで詳しく解説します。どのように勉強すればよいのかまでご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


CIC電気工事士

目次

送配電設備とは?

送配電設備とは?

送配電設備は、発電所で作られた電気が自宅・会社に届くまでの設備のことです。大きく以下のプロセスにわけられます。

発電 火力・水力・原子力などの発電所で電気をつくる
送電 発電所から変電所へ、超高電圧で効率よく電気を運ぶ
配電 変電所から各家庭やビルへ、使いやすい電圧に下げて電気を配る

送電設備では、発電所で発電された電気を数万Vから50万Vという超高電圧に昇圧して送電します。高電圧にすることで送電時の電力損失を抑え、効率的に電気を運ぶことが可能です。一方、配電設備では、変電所で降圧された電気をさらに需要家が使用しやすい電圧まで段階的に下げながら、各家庭や事業所に供給する役割を担っています。

この「送電」「配電」の役割を担っている送電設備・配電設備が、総称として「送配電設備」と呼ばれています。

送電設備の役割と構成要素

送電設備の役割と構成要素

送電設備とは、発電所でつくられた電気を消費地近くの変電所まで、ロスを少なく運ぶための設備のことです。超高圧(数万〜50万V)の状態で送電されています。構成要素としては、以下のとおりです。

送電鉄塔 山間部や田園地帯にそびえ立つ、巨大な鋼鉄製の塔。超高圧の電線が地面や建物に近づきすぎないよう、安全な高さを保つ役割がある。
送電線 鉄塔に張られている、電気そのものが通る電線のこと。非常に高い電圧がかかるため、絶縁体である「がいし」を多数連ねて鉄塔から絶縁されている。
変電所 発電所から送られてきた超高電圧の電気を、「配電」に適した電圧に下げる(変圧する)施設のこと。変電所は送電網のハブとして、電気を各地へ中継・分配する重要な役割も担っている。

配電設備の役割と構成要素

配電設備の役割と構成要素

配電設備とは、変電所から送られてきた電気を工場やビル、私たちの家庭といった最終的な電気の消費場所まで安全に届けるための設備のことです。最終的には、100Vや200Vといった低圧にまで下げられます。

配電設備の構成要素は、以下のとおりです。

電柱 街で最もよく見かける、コンクリートや鋼管でできた柱。配電線や通信線を支え、各家庭へ電気を引き込む拠点となる。
配電線 電柱に張られている電線のこと。6,600Vの高圧配電線と、100V・200Vまで電圧が下がった低圧配電線がある。
柱上変圧器(低圧受電の場合) 電柱の上部に取り付けられている、灰色のバケツのような形をした電気機器。6,600Vの電気を家庭用の100Vや200Vに下げる変圧器であり、私生活の中で最も身近な変圧器といえる。
受変電設備(高圧受電の場合) 高圧受電を採用している建物の場合、柱上変圧器などで変圧されず、受変電設備を通じて100V・200Vまで変圧される。その後、変圧した100V・200Vの電気が各エリア・部屋に配電されている。

送配電設備に関する法律と資格

送配電設備に関する法律と資格

送配電設備の保守・管理には、専門的な知識と技術力が必要であり、関連する法律や資格制度が整備されています。ここでは、送配電設備に関する法律と資格について詳しく解説していきます。

電気事業法について

電気事業法は、電気事業の適正な運営を通じて電気使用者の利益を保護しつつ、現場で作業する技術者の労働災害防止で必要な観点などをまとめた法律です。

送配電設備に関しても、電気工作物の技術基準適合義務、保安規程の作成・届出義務、電気主任技術者の選任義務などが定められています。

特に事業用電気工作物では、設置者に電気主任技術者の選任義務が課せられており、加えて定期的な自主検査や報告も義務付けられています。つまり電気主任技術者は、電気設備の安全確保に必要な維持・運用に係る保安管理業務を担う重要な役割であり、電気事業法もまた、送配電設備やその他の電気設備の安全を確立する上で欠かせないものというわけです。

送配電設備が問題として登場する電気の資格

送配電設備が問題として登場する電気の資格は、主に以下の2つです。

  • 第一種電気工事士
  • 電験三種(第三種電気主任技術者)

それぞれの資格について詳しくみていきましょう。

第一種電気工事士

第一種電気工事士は、500キロワット未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物の電気工事に従事できる国家資格です。送配電設備においては、配電設備の工事や保守作業を行う際に必要となります。

試験は筆記試験と技能試験から構成され、電気理論・配電理論・配線設計・電気機器・電気工事の施工方法・検査方法・法令などさまざまな知識が問われます。免状の交付までに3年以上の実務経験を要しますが、送配電設備の現場では欠かせない資格です。

電験三種(第三種電気主任技術者)

電験三種は、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安監督を行える国家資格です。送配電設備では、配電用変電所や受変電設備の保安監督業務に必要となります。

試験科目は理論・電力・機械・法規の4科目で構成されており、送配電設備に関する問題も多く出題されます。特に電力科目では、送電線路の特性や変電所の構成、配電系統の計画や運用などが出題範囲となっているため、合格することで実務に大きく役立つ知識を身に付けられるでしょう。

送配電設備の学習方法

送配電設備の学習方法

送配電設備の学習方法としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 参考書などで基礎から学習する
  • 動画やWebサイトを活用して学習する
  • 資格のWeb講座を通して学習する

学習方法を把握しておくことで、自分に適した方法を選択し、失敗のリスクを最小限に抑えられます。それぞれの学習方法について詳しくみていきましょう。

方法1. 参考書などで基礎から学習する

送配電設備の基礎知識を身につける場合、各資格の参考書を用いて基礎から学習する方法が効果的です。参考書を用いることで、理論的な部分から実務的な要素までを順序だてて学習できます。

初めて勉強される場合、図解を多用したビジュアル教材がおすすめです。また、電気事業法や電気設備技術基準などの法令集も一緒に用いて学習することで、実務的な内容も学びつつ、法規関連の問題がスラスラと解けるような知識を効率的に身に付けられるでしょう。

方法2. 動画やWebサイトを活用して学習する

現在、インターネット上で検索すると、送配電設備に関するWeb・学習コンテンツが複数見つけられます。電力会社や業界団体が公開している解説動画では、実際の設備の映像を見ながら学習できるため、テキストのみで学習するよりも理解を深められるでしょう。

また、電気技術者向けのWebサイトでは、最新の技術動向や事例紹介なども掲載されており、実務に役立つ情報を得ることが可能です。ただし、情報の信頼性にはバラつきがあるため、公的機関や専門団体が提供する情報を中心に学習することをおすすめします。

方法3. 資格のWeb講座を通して学習する

「資格試験の中で送配電設備が登場する」という方は、資格試験の合格が最終ゴールとなります。その場合、Web講座などを活用することで、より効率的な学習が可能です。

Web講座は、Web講座では、自分のペースで学習を進められるだけでなく、質問対応や模擬試験などのサポートも充実しており、最短距離で必要な知識を身に付けられます。特に、電気関連の資格は実際のイメージがしづらいのもあるため、プロの解説や映像を用いての学習が非常に効果的です。

CIC日本建設情報センターでも、「電気工事士」の受験者向けにWeb講座を提供しております。受験者がモチベーションを維持しながら、最短距離で合格を目指せる内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。

まとめ

まとめ

送配電設備は、発電所から需要家まで電気を安全かつ効率的に届けるインフラ設備のことです。送電設備は超高電圧で長距離輸送を担い、配電設備は電圧を下げて各需要場所に供給します。

電気業界では、これらの工事・保守・管理のために必要な専門資格が用意されており、それぞれの資格で送配電設備に関する問題が出題されます。そのため、電気の資格取得を目指す方は、自分に適した方法で学習していくことが大切です。

CIC日本建設情報センターでは、「電気工事士」や「高圧又は特別高圧電気取扱業務に係る特別教育」など、実際の現場で役立つ資格のWeb講座を用意しております。受講者がモチベーションを維持しながら、効率的に学習を進められる内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。


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