5大管理「QCDSE」とは？

施工管理の5大管理「QCDSE」とは、施工管理者が業務を行ううえで重要な5つの概念です。下記5つの言葉の頭文字をとって、「QCDSE」と呼ばれています。

• Quality：品質
• Cost：コスト・原価
• Delivery：工程・工期
• Safety：安全
• Environment：環境

建設工事の現場が円滑に進むように管理する施工管理は、5大管理であるQCDSEの全てを意識しながら指揮・監督をする必要があります。

また、上記のような施工管理に携わるのであれば、多くの場合国家資格である「施工管理技士」の取得が求められます。施工管理技士の資格は、対応分野によって以下7種類にわけられるので、必要なものを検討してみましょう。

1. 建築施工管理技士
2. 土木施工管理技士
3. 電気工事施工管理技士
4. 管工事施工管理技士
5. 造園施工管理技士
6. 電気通信工事施工管理技士
7. 建設機械施工技士

Quality：品質

こちらからは、施工管理における5大管理の1つめ「Quality：品質」について詳しく見ていきましょう。

施工管理におけるQualityとは

施工管理におけるQuality（品質）とは、建設物の安全性や品質を規定通りに保つために管理することです。

現場の写真を撮影して設計図通りに施工が進んでいるか確認したり、品質評価試験を実施して強度や外観などが基準を満たしているかチェックしたりすることで、適切な品質の確保につなげられます。また、現場をまわりながらの進捗確認や修正の指示、寸法のチェックなども品質管理に関する業務です。

管理方法とポイント

品質を管理するためには、品質を証明でき、設計書にある条件を満たしていることがわかる写真を撮影する必要があります。さらに、写真の状況説明を行う必要もあるため、施工における専門的な知識を習得しておきましょう。

また、品質管理を滞りなく行うためには、現場をまとめて管理するマネジメントスキルや、工事関係者と良好な関係を保つコミュニケーションスキルも重視することが大切です。

Cost：コスト・原価

施工管理における5大管理の2つめ「Cost：コスト・原価」について詳しく解説します。

施工管理におけるCostとは

施工管理におけるCost（コスト・原価）とは、コストに無駄や不足がないかを確認し、予算内で工事を進められるように管理することです。

原価管理では、材料費や労務費など各項目の見積もりを含む原価計画を立案してから、工事の進行に伴う原価の把握と分析や、関係部署への定期的な原価報告などを行います。工事にかけられるお金は決まっているので、赤字にならないように適正なコストカットをすることが重要です。

管理方法とポイント

適切な原価管理を行うには、信頼性の高いデータを継続的に収集し、的確に分析することが求められます。単に現状だけを把握するのではなく、天候不順による工期の遅れなど原価の変動要因を事前に想定しておくことも大切です。

また、コストカットを追求しすぎて、品質の劣る資材を使用したり必要な人員を確保しなかったりすると、事故リスクなど深刻な問題を引き起こすことも。品質・安全とのバランスをふまえながら原価管理に取り組んでいきましょう。

Delivery：工程・工期

こちらからは、施工管理における5大管理の3つめ「Delivery：工程・工期」について詳しく見ていきましょう。

施工管理におけるDeliveryとは

施工管理におけるDelivery（工程・工期）とは、決められた期間内で建設物を完成させるように全体のスケジュールを管理することです。

工事に関わる様々な人員の配置やスケジュールの管理はもちろん、材料の加工や重機の手配など、工事における全てのスケジュールを統括します。工期を過ぎてしまうと、損害賠償が発生したり信頼が失われて仕事がなくなったりするリスクがあるため、重要な業務といえるでしょう。

管理方法とポイント

工程管理を行う際は、「余裕のある工程か」「各作業を進めやすい工程か」という点を意識する必要があります。

このような現場が働きやすい工程管理を実施するためには、作業員が無理なく進められる日程かどうかを意識することが大切です。また、予想外のアクシデントはつきものなので、予定通りに進まないときは現場の進捗状況をふまえながらリアルタイムで工程を修正していきましょう。

Safety：安全

施工管理における5大管理の4つめ「Safety：安全」について詳しく解説しましょう。

施工管理におけるSafetyとは

施工管理におけるSafety（安全）とは、安全に工事を進めるために管理することです。

機材点検や作業員の健康チェック、起こり得るリスクの周知など、建設現場にて危険を排除することを目的に業務を行います。建設現場では、高所作業や重機を扱う作業などがあることから、徹底した安全管理によって事故を未然に防ぐことが非常に重要です。

管理方法とポイント

安全管理では、危険を予測することが求められます。どのようなシチュエーションで事故が発生しやすいかを考え、「危険かもしれない」といち早く察知することで、事故防止につなげられるでしょう。

また、様々な人が働く建設現場だからこそ、職人一人ひとりに配慮することも安全管理において効果的です。

Environment：環境

こちらからは、施工管理における5大管理の5つめ「Environment：環境」について詳しく見ていきましょう。

施工管理におけるEnvironmentとは

施工管理におけるEnvironment（環境）とは、「自然環境」「周辺環境」「職場環境」と3つの環境に配慮した管理を行うことです。

建設工事はどうしても周辺地域に大きな影響を与えるため、環境基準に従って空気や水質といった自然環境への負担を少なくしたり、騒音や振動に配慮したりといった作業が求められます。さらに、作業員が気持ちよく働けるように、作業方法の改善や休憩室・シャワー室の設置、相談室の確保など職場環境の整備も大切です。

管理方法とポイント

環境管理では、着工前の調査によって環境にどのような影響が起こるのか予測し、影響を最低限に抑えるための工事方法を検討しなければいけません。加えて、周辺住民への説明も円滑な工事を行ううえで必要でしょう。

職場環境については、現実的な作業量設定はもちろん、積極的なコミュニケーションにより作業員との信頼関係を強めたり、健康・ストレスチェックを定期的に実施したりなど行ってみてください。

QCDSEの優先順位

一般的に、QCDSEの優先順位は以下のとおりとされています。

1. Safety：安全
2. Quality：品質
3. Delivery：工程・工期
4. Cost：コスト・原価
5. Environment：環境

施工現場では無事故で工事を完了させることが第一と考えられるため、「Safety：安全」の優先順位が最も高くなっています。ただ、現場によって優先順位は変わるので、上記は目安として押さえておきましょう。

まとめ

この記事では、施工管理の5大管理「QCDSE」とは何か、QCDSEの優先順位について詳しく解説しました。

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