公開日:2024年8月30日 更新日:2024年8月30日
巻上げ機運転特別教育を受ける必要があるのに、出張講習や講習会への参加が難しいという方がいらっしゃいます。そうした方におすすめなのが、巻上げ機運転特別教育のオンライン講座です。
この記事では巻上げ機運転特別教育のオンライン講座の内容、オンライン講座を受講するメリット、オンライン講座を受講する際の注意点などを紹介します。
巻き上げ機とは、動力で回転させるドラムにワイヤーロープなどを巻き付けて重量物を吊り上げたり、吊り下げたりして、運搬する機械です。
建設業・林業・漁業において使用する機会が多くあります。巻き上げ機が使われる身近な例は以下の通りです。
事業主が労働者を巻上げ機の運転に就かせる場合、労働安全衛生法に基づいて、巻上げ機運転特別教育を受けさせる必要があります。
現場ではウインチ・ホイストの両方とも巻上げ機と呼ばれているので、同じ機械と勘違いする方もいらっしゃいます。
ウインチを運転するには巻上げ機運転特別教育の修了が必要です。ホイストについては、巻上げ機運転特別教育の受講は必要ありません。
参考までにウインチとホイストの違いは以下の通りです。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座について、その受講資格や受講料などを紹介します。
性別・学歴・経験年数は問わず18歳以上であれば受講可能です。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座の受講料は、講習を提供している教育機関により料金が違います。オンライン講座を受講する際には、利用する教育機関が提示している金額に注意してください。受講料の相場は5,000円〜9,000円となっています。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座における講習科目は、以下の通りです。
講習科目 | 講習内容 | 時間 |
---|---|---|
巻上げ機に関する知識 | 巻上げ機の原動機・ブレーキ・クラッチ・巻胴・逆転防止装置・動力伝達装置・電気装置・信号装置、連結器材、安全装置、各種計器及び巻上げ用ワイヤロープの構造及び取扱いの方法 巻上げ機の据付方法 |
3時間 |
巻上げ機の運転に必要な一般的事項に関する知識 | 合図方法 荷掛方法 連結方法 点検方法 |
2時間 |
関係法令 | 労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則の関係条項 | 1時間 |
オンライン講座と実技講習が終了すれば、オンライン講座を提供している教育機関のシステム内から特別教育を修了したことを知らせます。その後、特別教育を受けた教育機関から修了証が発行されます。
修了証のタイプや発行方法の例は以下の通りです。
修了証のタイプや受取方法にはいくつかの種類があります。プラスチックカードの発行には別途料金がかかるのでその点に注意してください。
一般的に特別教育のオンライン講座では、申込者本人が所定の時間受講していることを確認するのに顔認証システムが採用されています。
顔認証システム採用のオンライン講座を受講するために、安定したインターネット環境とカメラ付きの端末を用意してください。
この部分では、巻上げ機運転特別教育をオンラインで受講するメリットについて紹介します。メリットは次の5つです。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座は、時間を問わずネット環境さえあれば好きな場所で受講できるのがメリットです。
特別教育の講師を事業所に呼ぶ出張講習や講習会で受ける場合、開催日に予定を合わせなければなりません。
一方、オンライン講座なら自分の好きな時間に勉強することが可能です。インターネット接続環境とパソコン・タブレット・スマホがあれば、自宅はもちろん会社の事務所や移動先などでも受講できます。
オンライン講座のメリットは何度でも繰り返し講義動画を視聴できる点です。
出張講習や講習会の場合、講座が開催されるその日にすべての科目を学び終えるので、わからなかった点をもう一度勉強することができません。
オンライン講座であれば、受講期間がある程度長く設定されているので、わからなかった点を見直して復習することが可能です。
オンライン講座は講義会場に通う手間が省けるのがメリットです。
巻上げ機運転特別教育は、都道府県労働局長登録教習機関などが開催している講習会で受講することも可能です。
講習会が開かれる会場が遠い場合、時間と交通費がかかります。オンライン講習は会場に足を運ぶ手間がかからないので、時間と交通費の節約ができます。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座は費用を抑えて受講できるのがメリットです。オンライン講座の料金は、一般的に出張講習や講習会の料金より安くなっています。
講習会で受講する場合、先ほど説明したように交通費、会場が遠方なら宿泊費などの費用も発生します。
一方、オンライン講座なら交通費、宿泊費などの費用はかかりません。
さらに、顔認証システム採用のオンライン講座なら、事業所が申込者の受講を確認するための監視人を用意する必要はありません。オンライン講座は監視人準備に伴う費用や時間の節約になります。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座を社内で活用する場合、自社のスケジュールに合わせて受講できるのがメリットです。
オンライン講座の講義動画は24時間いつでも視聴可能であり、すべての動画を一気に視聴する必要もありません。途中まで視聴した動画を別の機会に続きから視聴することが可能です。
オンライン講座にはこうした特徴があるので、社内で活用すれば自社のスケジュールに合わせて従業員に講習を受けさせることができます。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座は学科講習のみです。実技講習がない点に注意してください。
厚生労働省の安全衛生特別教育規定では、巻上げ機運転特別教育には6時間以上の学科講習と4時間以上の実技講習が必要です。したがって、実技講習は受講者が働く事業所で実施しなければなりません。
巻上げ機運転特別教育のオンライン講座では実技講習はありません。巻上げ機運転特別教育の実技講習は、各事業所で実施する必要があります。
参考までに、巻上げ機運転特別教育の実技講習の内容は以下の通りです。
講習科目 | 講習内容 | 時間 |
---|---|---|
巻き上げ機の運転 | 荷の巻上げおよび巻卸し | 3時間 |
荷掛けおよび合図 | 荷の種類に応じた荷掛け 手、小旗を用いておこなう合図 |
1時間 |
実技講習は各事業者にて十分な知識と経験を有する実技実施責任者(例:特別教育修了者、実務経験者など)を講師として選任し、講師と受講者は同一施設にて対面のもと、実際の器具を用いて規定時間以上実施してください。
CIC日本建設情報センターでは、各種特別教育をオンライン講座で提供しています。CIC日本建設情報センターでは実技講習を各事業場において使用している機種で行えるよう、実施方法のポイントをまとめた「実技教育サポート資料」を送付しています。
修了証については各事業所にて実技実習後、CIC日本建設情報センターより送付するカード型の「学科修了証」の裏面に実技実施日などを記入する署名欄に自社の実技実施責任者が署名をすることで、学科と実技の両方を修了していることを証明することが可能です。(オプションでカード型修了証を選択した場合のみ)
この記事では巻上げ機運転特別教育のオンライン講座の内容、オンライン講座のメリット、オンライン講座を利用する際の注意点などを紹介しました。
オンライン講座は24時間好きな時間に講習を受けることができる、時間やコストの節約になる、繰り返し学べるなどのメリットがあります。
巻上げ機運転特別教育は、6時間の学科講習と4時間の実技講習で構成されています。しかし、オンライン講座では実技講習は提供されていません。各事業所内で実施する必要があります。
CIC日本建設情報センターでは特別教育・安全衛生教育のオンライン講座を提供しています。事業所ないで特別教育・安全衛生教育の受講が必要な方がいらっしゃるならぜひご利用ください。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育不整地運搬車の運転の業務に係る特別教育ジャッキ式つり上げ機械の調整又は運転の業務に係る特別教育クレーン安全教育ショベルローダー特別教育ゴンドラ取扱い業務特別教育巻上げ機の運転の業務に係る特別教育移動式クレーンの運転特別教育移動式クレーン運転士安全衛生教育フォークリフト高所作業車クレーンローラー特別教育小型車両特別教育
重機の一覧をご紹介!各重機の特徴や国内大手メーカーについて解説
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育ジャッキ式つり上げ機械の調整又は運転の業務に係る特別教育クレーン安全教育ショベルローダー特別教育ゴンドラ取扱い業務特別教育巻上げ機の運転の業務に係る特別教育移動式クレーンの運転特別教育移動式クレーン運転士安全衛生教育フォークリフト玉掛け特別教育玉掛け安全教育高所作業車クレーンローラー特別教育小型車両特別教育
重機・建設機械の免許を徹底解説!種類や取得費用・期間をご紹介!
ジャッキ式つり上げ機械の調整又は運転の業務に係る特別教育ゴンドラ取扱い業務特別教育巻上げ機の運転の業務に係る特別教育ボーリングマシンの運転特別教育ローラー特別教育
重機・建設機械の資格一覧!免許の種類や費用、期間を解説
クレーン安全教育巻上げ機の運転の業務に係る特別教育移動式クレーンの運転特別教育移動式クレーン運転士安全衛生教育クレーン
ホイストクレーンの運転に必要な資格は?特別教育や費用についても解説
ウインチとホイストの違いは?特別教育の要否も解説
巻上げ機(ウインチ)運転特別教育とは?講習内容や受講手続きなどを解説