チェーンソーを使用する伐木業務は、作業者に対して安全衛生教育の受講が義務づけられています。伐木作業における労働災害のうち、半数以上はチェーンソーの取り扱い中に発生しているため、労働災害防止の観点からも安全衛生教育の受講は欠かせません。
この記事では、チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育の概要や外国人労働者に受講してもらう方法を解説します。注意点などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
公開日:2025年5月19日 更新日:2025年5月19日
チェーンソーを使用する伐木業務は、作業者に対して安全衛生教育の受講が義務づけられています。伐木作業における労働災害のうち、半数以上はチェーンソーの取り扱い中に発生しているため、労働災害防止の観点からも安全衛生教育の受講は欠かせません。
この記事では、チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育の概要や外国人労働者に受講してもらう方法を解説します。注意点などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
チェーンソーを使用する伐木業務は、作業者に対して安全衛生教育の受講が義務づけられています。この安全衛生教育は、チェーンソーに関する正しい知識と操作技術を習得し、安全な作業を徹底することで労働災害を未然に防ぐことが目的です。
伐木作業における労働災害のうち、半数以上はチェーンソーの取り扱い中に発生しています。もし未受講のまま作業に従事すると、自身だけでなく周囲の人の怪我や重大な事故を引き起こす危険性も高まります。
日本人・外国人労働者に関係なく、チェーンソーを取り扱う際は必ず事前に安全衛生教育を受講してもらいましょう。
チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育は、特に受講資格がありません。
林業・土木工事業・造園工事業などの業種に関係なく、伐木作業を扱うすべての業種・作業者が年齢問わず受講の対象となります。労働者・周囲の人間の労働災害を防止するためにも、受講対象者は忘れずに受講しましょう。
以下の表は、チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育の講習内容をまとめたものです。
講習科目 | 講習内容 | 受講時間 |
---|---|---|
伐木作業等の特徴と作業の安全 | ・伐木造材作業の安全 ・大径木、偏心木等の伐木及びかかり木の処理 |
1.5時間 |
チェーンソーの特徴と保守管理 | ・チェーンソーの特徴と保守管理 ・チェーンソーの取扱作業の安全 ・チェーンソー取扱作業時間の管理 ・チェーンソー及びソーチェーンの点検整備 |
2時間 |
健康管理 | ・健康診断及び事後措置 | 0.5時間 |
災害事例及び関係法令 | ・災害事例とその防止対策 ・チェーンソーを用いて行う業務に係る労働安全衛生関係法令 |
2時間 |
合計 | 6時間 |
チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育は、学科講習のみの講習です。チェンソーと関連法令以外にも健康管理や作業の安全面に関しても学習します。
また、受講時間は最低受講時間なので、実際の受講時間は機関によって異なります。事前に機関などの公式サイトで確認しておくとよいでしょう。
チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育には、主に次の3つの受講方法があります。
一般的なのは、各講習機関の講習を受講する方法です。
講師の手配が不要なためスムーズに受講できる一方で、現地までの移動が必要になります。特に外国人労働者の場合、交通機関の利用に不慣れなことから迷ってしまうリスクもあり、さらに運転免許を持っていない場合には企業側で送迎を手配する必要が生じることも考えられるでしょう。
次に挙げられるのは、講師を事業所に招いて実施する出張講習です。
受講者は移動する必要がなく、安心して講習に臨める点がメリットです。ただし、講師の交通費や宿泊費が発生する場合があり、コスト面での負担が大きくなることもあります。また、受講人数が少ない場合は出張講習の依頼を断られるケースもあるため注意が必要です。
受講者・事業者の双方にとって受講しやすい方法が、Web(オンライン)講座です。
Web形式であれば、受講者は自分のペースで学習できるだけでなく、現地までの移動や送迎手配、出張にかかる追加費用なども発生しません。負担を軽減しつつ効率的に受講できる点が大きな魅力です。
さらに、英語を含めた複数の言語に対応した講座であれば、外国人労働者でも安心して受講できます。CIC日本建設情報センターでは、英語・ベトナム語・インドネシア語に対応したWeb講座もご用意していますので、ぜひご検討ください。
外国人労働者がチェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育を受講する際、受講できるかどうかは、主に以下2つの基準に基づいて判断されます。
1. 日常生活に必要な日本語の理解力がある | ・講習に関する読み書きや会話において、日本人労働者と同程度の日本語力があること |
---|---|
2. 専門的、技術的な事項に関する日本語の理解力も十分ある | ・講師の説明のうち、専門用語以外の内容を概ね理解できること
・ひらがなやカタカナを読むことができる程度の日本語力があること |
これらの基準を満たしていないと判断された場合、受講途中であっても退席を求められたり修了証が発行されなかったりする可能性があります。
そのため、日本語力に不安がある場合は、Web(オンライン)講座の受講を検討するのも1つの方法です。Web講座であれば、事業者の管理下で受講・修了することで、修了証の取得が可能になります。事前に外国人労働者の日本語理解度を確認し、適切な受講方法を選択しましょう。
なお、多言語対応のWeb講座は、あくまで一定程度の日本語能力を持つ受講者(上記表①に該当)を対象としたサポートであり、翻訳内容の完全な正確性を保証するものではありません。
日本語を理解できる外国人労働者がチェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育を受講する場合、Web(オンライン)講座の活用がおすすめです。Web講座には、次のようなメリットがあります。
各講習機関の講習などは、たとえ日本語をある程度理解できても、講師の話すスピードが速いために内容の理解に時間を要したり、聞き逃しが発生したりすることが考えられます。
その点、Web講座であれば、再生の一時停止や視聴の繰り返しなどが自由です。受講者のペースで学習を進めながら、理解を深められます。
また、通勤時間や休憩時間など、空き時間を有効に活用できる点も大きなメリットです。
ただし、労働時間外での受講を事業者側が一方的に強制することはできません。時間外に受講を行う場合は、時間外手当の支給など、適切な対応が求められます。
チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育を外国人が受講する際の注意点は、主に以下のとおりです。
それぞれの内容について詳しく解説します。
日本語で実施されるチェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育を受講するためには、受講者に一定レベルの日本語読解力・記述力が求められます。
「特定技能」の在留資格を持つ方の場合、日本語能力試験N4以上の合格が条件となっていることから、基礎的な日本語能力があると判断されやすくなります。N4に合格していれば、特別教育の受講要件をおおむね満たしていると見なされる可能性が高いです。
一方で、日本語理解が不十分だと判断された場合、受講が認められない可能性もあるため注意が必要です。さらに、必要な日本語力を備えていない受講者を修了扱いとした場合、企業や事業者が責任を問われるリスクもあります。
受講前に日本語力の確認を行っている講習機関で確認するなど、柔軟に対応することが大切です。
日本語で実施される安全衛生教育では、通訳が同席できる場合もありますが、すべての内容を訳せるわけではありません。通訳が認められているのは基本的に専門用語に限られており、補足説明などは対象外となることが多いです。
また、通訳が付いていても、受講者の理解状況によっては受講が認められないケースもあります。そのため、必要に応じて他の受講方法も検討しましょう。
外国人労働者向けの講習を実施している教育機関はありますが、すべての言語に対応しているわけではありません。
英語に対応している機関は比較的多いものの、フランス語やイタリア語、中国語の方言(北京語・上海語など)まで対応しているケースは少なく、希望する言語で受講できない可能性があります。
そのため、講習を申し込む前に、受講者が理解できる言語に対応しているかどうかを確認しておくことが重要です。
CIC日本建設情報センターでは、外国人労働者の方でも受講できるチェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育のWeb講座を提供しております。ここからは、CIC日本建設情報センターのWeb講座の特徴を詳しく解説します。
日本で働く外国人労働者の多くは、ベトナムやインドネシア出身の方が中心です。CIC日本建設情報センターが提供するWeb講座では、これらの国の言語に対応しているため、受講者の母国語で学習しやすくなっています。
また、人によってはベトナム語やインドネシア語よりも英語での受講が理解しやすいケースもあります。そのため、英語字幕にも対応しており、外国人労働者の多様なニーズに配慮した字幕対応講座です。
CIC日本建設情報センターのWeb講座なら、一人ひとりに専用アカウントが付与されます。学習の進み具合や履歴は管理画面でいつでもチェック可能です。自分のペースで無理なく学習を続けたい方にもおすすめします。
CIC日本建設情報センターのWeb講座は、「受講者が画面の前で本当に受講してるの?」と不安に感じる事業者の方も安心できるよう、顔認証システムを使った仕組みを導入しています。受講者が画面の前にいないと講座が進まないため、修了時にはきちんと受講していたことが証明されます。
CIC日本建設情報センターのWeb講座を修了すると、チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育の修了証がもらえます。修了証の形式は、「PDF版」と「カード版」の2種類から選択可能です。
PDF版はすぐにダウンロードできる一方で、カード版はコンパクトで持ち運びやすく、現場で提示が求められたときにも安心です。お申し込みの際にご希望の形式を選べるので、ご自身の使い方に合った修了証を選びましょう。
この記事では、チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育を受講する方法について解説しました。
安全衛生教育の受講方法には、各講習機関の講習会への参加や出張講習の依頼などがあります。ただし、日本語の理解度が足りないと受講できないだけでなく、必要に応じて送迎の必要性が出てきたり交通機関で迷ったりするリスクがあるのもデメリットです。費用面での問題なども考慮した上で安全衛生教育を受講する必要があります。
デメリット面をクリアできる受講方法として、Web(オンライン)講座があります。
Web講座は、日本語が聞き取れなかった箇所や分からない部分を巻き戻しや一時停止するなど、自由な視聴が可能です。多言語に対応した講座であれば、外国人労働者一人ひとりの理解力に合わせてじっくりと理解を深められます。
CIC日本建設情報センターでは、英語・ベトナム語・インドネシア語字幕に対応したチェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育のWeb講座を用意しております。外国人労働者の方でもモチベーションを維持しながら計画的に学習を進められる内容となっておりますので、ぜひ受講をご検討ください。