
電験三種の科目別合格とは?合格していく順番や2回化制度を活用した合格ルートも紹介
電験三種が難しくて勉強が続かない…
モチベーションを保つには?
「電験三種を勉強しているけど難しくて心が折れそう」
「電験三種の勉強のモチベーションを保つ方法について知りたい」
とお考えではありませんか?
電験三種は、例年の合格率が9%前後の難易度の高い資格です。
合格率が40%~50%ある第一種電気工事士と比べて30%近くもの差があるため、難易度のギャップに心が折れてしまうことも少なくありません。
そのため電験三種の試験に合格する上でモチベーションの管理が重要となってきます。
本記事では、電験三種のモチベーションが続かない理由や維持するための方法について解説します。
現在、モチベーションが低下しがちの方はぜひご覧ください。
目次
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電験三種は「第三種電気主任技術者試験」と呼ばれる国家資格です。
第一種から第三種に分類されている電気主任技術者試験の1つで、高圧電気設備における保守・監督業務を取り扱います。
中でも電験三種は、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5,000キロワット以上の発電所を除く)に従事可能です。
多くの高圧電気設備は6,600ボルトで受電しているので、電験三種だけでも多く取り扱えます。
また電気主任技術者の仕事は、資格保有者しか従事できない業務独占資格であることも特徴です。
そのため非常に需要が高く、取得することで自身の技術者としての価値を高めたり仕事の幅を広げたりできるでしょう。
電験三種は、電気系の中でもトップクラスに難しい資格に位置します。
理論・電力・機械・法規の試験にそれぞれ合格する必要があり、各資格の難易度も高いためです。
電験三種の過去5年間の合格率について以下の表をご覧ください。
実施年度 | 全体 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|---|---|
令和3年度 | 11.5% | 6.7% | 24.8% | 13.8% | 14.1% |
令和2年度 | 9.8% | 19.2% | 12.2% | 6.7% | 12.6% |
令和元年度 | 9.3% | 13.7% | 13.7% | 20.1% | 9.6% |
平成30年度 | 9.1% | 11.6% | 17.8% | 13.8% | 6.6% |
平成29年度 | 8.1% | 15.5% | 9.1% | 11.6% | 9.3% |
参照:電気技術者試験センター
表を見ると全体の合格率は毎年9%前後で推移していることが分かります。
各科目の合格率を見ても10%〜20%の間で推移し、低い年は10%を下回る年度があるのも特徴です。
電験三種は科目合格制度がある資格ですが、それでも十分に対策していなければ1回の受験で1科目も合格できなかったといった事態になりかねません。
そのためモチベーションの維持・管理をしながら、長い期間かけて計画的に対策することが合格するために大切です。
電験三種のモチベーションが続かない理由として主に次の3つが挙げられます。
それぞれの内容について詳しく解説します。
電験三種を受験する方の多くが電気工事士を取得した後に挑戦します。
まずは第二種・第一種電気工事士を取得して、その後に電験三種を受験する流れです。
その際、電気工事士試験と電験三種との難易度の差を痛感することでモチベーションが低下します。
こちらの表をご覧ください。
資格 | 電験三種 | 第二種電気工事士 | 第一種電気工事士 | ||
---|---|---|---|---|---|
筆記試験 | 実技試験 | 筆記試験 | 実技試験 | ||
合格率 | 11.5% | 67.0% | 59.2% | 53.5% | 67.0% |
上記は、令和3年度における電気工事士試験と電験三種の合格率を比較したものです。
表を見ると40%近くの合格率の差が開いていることが分かります。
電気系の資格では電気工事士試験と電験三種の間に丁度良い資格がないため、電験三種に挑戦した受験者の多くはこの難易度の差に直面します。
過去問と類似した問題が登場しない、どの科目のどの分野から手をつけたら良いか分からないなど電気工事士の時には生じなかった問題が浮上し、結果としてモチベーションの低下につながるというわけです。
電験三種は、理論・電力・機械・法規の4科目で構成されています。
電験三種は4科目全てに合格することで取得できる資格です。
ただし各科目においても試験範囲が広く設けられています。
加えて、1科目だけで見ても合格率が低く問題の難易度が高いことも電験三種の特徴です。
「電験三種の難易度」と先ほどの項目でご紹介した合格率の表を見比べると、各科目の合格率単体が第一種電気工事士筆記試験の合格率を下回っていることが分かります。
これまで勉強してきた資格との難易度の差に加えて、試験の範囲が広くなり対策期間が長引くことがモチベーション低下の理由の1つです。
電気工事士試験では、参考書を勉強した後に過去問題を繰り返すことで徐々に解ける問題が増える傾向にありました。
電験三種においてもこの勉強方法は有効ですが、対策して間もない頃は解ける過去問題が少ないです。
電験三種では、過去に出題された問題と全く同じ問題は出題されません。
問題を解くためには、基礎知識と応用能力の両方が必要です。
そのため参考書から問題集に切り替えてすぐの頃は解けない問題の方が多くなります。
1年分の問題を解いて2割ほど正解していれば良いくらいでしょう。
ただし、解ける問題の方が少ないことを知っていなければ「せっかく頑張ったのに全然問題が解けない」と心が折れる可能性が高いです。
結果、試験勉強に対するモチベーションを失い、対策が続かなくなります。
モチベーションを維持するためのポイントは、主に次の3つです
共通して言えるのは、長期的に見てモチベーションを維持する方法を考えることです。
短期間で合格を狙うのではなく、計画的に時間をかけて徐々に合格する力を身につけましょう。
それぞれのモチベーション維持のポイントについて詳しく解説します。
電験三種を対策する際、まずは短時間の勉強から習慣づけるのがおすすめです。
いきなり長時間の勉強をスタートすると継続が難しくなり途中で挫折する可能性があります。
最初は5分程度でも問題ありません。
徐々に勉強時間を長くすることで電験三種の対策が日常になり、モチベーションが長続きしやすくなります
また集中力を持続するために「ポモドーロタイマー」の利用をおすすめします。
ポモドーロタイマーとは、25分集中+5分間休憩の合計30分を1セットとする集中力アップの方法です。
このセットを繰り返すことで1時間~3時間は集中して勉強しやすくなります。
YouTubeなどの動画メディアでポモドーロタイマーのBGMが用意されていますし、スマートフォンのタイマーでもすぐに実践可能です。
短時間の勉強からスタートした後はポモドーロタイマーなどを活用しつつ、勉強の質を高めていきましょう。
電験三種のモチベーションを高めるためには、資格を取得する目的を明確にすることも大切です。
目的を明確にすることでゴールがはっきりと決まり、モチベーションが低下した時でも合格後のことを想像して維持しやすくなります。
上記のように目的をはっきりと決めましょう。
加えて「〇年以内に」「〇歳までに」など、期限を決めておくとよりモチベーションがアップします。
また合格までの間に細かく目標を決めておくのもおすすめです。
「〇月までに理論の過去問で80点以上を安定させる」など設定して、達成したら自分にご褒美を用意するといった方法を実践するとモチベーションがより維持しやすくなるでしょう。
電験三種は電気系の資格では有名ですが、一般的に名の通った資格ではありません。
そのため周りに受験する人が少なく、受験仲間ができづらいのも特徴です。
対策しているのが自分一人だとモチベーションが低下した時に「明日から頑張ろう」など、自分に対して甘く考えがちになります。
結果「明日から」を繰り返して対策を怠ったまま本番をむかえるといったことも珍しくありません。
そこで一緒に受験するライバルや仲間を見つけておくのがおすすめです。
SNSを閲覧すると、自分以外に電験三種を受験している方の呟きや進捗状況が閲覧できます。
「自分以外にも電験三種の対策を頑張っている人がいるから自分も頑張ろう」と奮い立たせることができれば、電験三種に対するモチベーションも自然とアップするでしょう。
現在、電験三種を勉強している方で「参考書に書いてある内容が分からない」「勉強方法ってこれであってる?」といった状態で対策している方は一度見直すのがおすすめです。
自分に合ってない参考書や効率の悪い勉強方法で対策しても力は身につかないのでモチベーションは継続しません。
参考書や勉強方法を見直す際は、以下のポイントを参考にしてください。
項目 | 見直すポイント |
---|---|
参考書 |
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勉強方法 |
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上記のポイントをおさえて、勉強方法や教材を見直すことで電験三種を対策するための土台部分での環境が完成します。
自然と対策に集中できる環境を作ることで、モチベーションを維持しやすくすることが可能です。
一度、自身の勉強方法や使用している参考書の見直しを行ってください。
本記事では、電験三種のモチベーションが低下する理由と維持するためのポイントについて難易度を踏まえて解説しました。
電験三種は毎年の合格率が9%前後と低く、電気工事士試験と比べて30〜40%近くの差が開いているため難易度の違いからモチベーションが低下しやすくなります。
また合格するまでには長期間計画的に対策を継続することが必要です。まずは短時間からでも良いので勉強する習慣を徐々につけていきましょう。
資格を取得する目的を明確にすることでモチベーションを高めつつ、身近な同僚やSNSを通じてライバル・仲間を見つけてください。
本記事で書いてある参考書・勉強方法の見直しのポイントも踏まえて、合格するまでの環境作りを実践しましょう。