
電気工事士とは?できることや仕事内容、資格の種類、第一種と第二種の違いを解説
電験三種(第三種電気主任技術者)は、合格が難しい国家資格のひとつです。この試験は2022年度から一部が変更されることとなりました。
年2回の実施やCBT方式の導入は、そのひとつといえるでしょう。
資格を取得するためには、変更される点と従来通りの部分をしっかり把握することが重要です。
本記事では「新しい電験三種」の試験制度やメリット・デメリットに加えて、合格するポイントも含めて解説します。
※試験の変更内容つきましては、随時、試験実施機関から発表される最新情報をご確認ください。
2022年度以降の電験三種試験には、重要な変更点がいくつかあります。
公表されている内容をもとに、変更される部分と従来通りの部分を確認していきましょう。
変更される部分には、受験機会の増加とCBT方式の導入が挙げられます。それぞれについて、詳しく確認していきましょう。
これまで電験三種の試験は年1回、8月に実施されていました。
しかし2022年度以降は、年2回に増えます。
電気技術者試験センターによると、2022年度の電験三種試験は以下の日程で実施されます。
試験の時期 | 試験実施日 | 受験申込受付期間 |
---|---|---|
上期試験 | 2022年8月21日(日) | 2022年5月16日~6月2日 |
下期試験 | 2023年3月26日(日) | 2022年11月21日~12月8日 |
引用:電気技術者試験センター「令和4年度電気主任技術者試験の実施日程等のご案内」
なお合格発表日は、電気技術者試験センターから公表される情報をご確認ください。
2023年度以降は、CBT方式の試験も導入されます。
これにより平日も含め、都合の良い日時での受験が可能です。ショッピングセンターなど、休日に需要が高くなる職場で働く方にとっては受験しやすくなるでしょう。
なお従来のマークシート方式も残されるため、どちらか都合の良い方法を選べます。
電験三種の試験制度変更では受けやすい環境を整える一方で、合格者に求めるレベルは変わらないことが特徴です。
ここでは変更されない主な2つのポイントについて、確認していきましょう。
科目合格の有効期限は、従来通り3年間のままとなります。
有効期限については、5~6年に延長する案も検討されていました。
しかし「合格者の質を下げたくない」「代わりに試験を年2回実施してはどうか」という意見が出されたこともあり、科目合格の有効期限延長は行われないこととなりました。
合格すべき科目数も、以下の4科目で変更されません。
従って2022年度以降も、合格に向けてやるべき準備は変わらないといえるでしょう。
今回の変更は、以下の観点で実施されています。
このため、試験の難易度は変わりません。受験の機会は増えても、しっかりした対策が必要。
スキルのある方は資格を取りやすくなる一方で、スキル不足の方は何度受験してもなかなか合格に至らないことでしょう。
試験制度が変更された理由には、電気保安人材の不足が挙げられます。
特に電験三種の合格者のうち、外部委託業界に入職した方は2%。ビル管理や電気など関連業界に就職した方も3割にとどまります。
この状況を打破するためには、合格者の増加が欠かせません。
一方で優秀な方には合格して欲しいものの、求めるスキルに達しない方まで合格にすると電験三種の価値が下がります。このため優秀な方が受験しやすい環境を作り、合格者を増やす方向で制度変更が行われました。
2023年度以降に電験三種を受験する方は、CBT方式をうまく活用することが合格の鍵となります。
ここではすでに実施されている他の試験をもとに、どのような試験なのか確認していきましょう。
CBT方式は、会場に備え付けのパソコンとマウスを使って実施する試験です。
画面に表示される問題を解き、マウスで選択するなどの方法で解答します。
このためパソコンやCBTの試験方式に慣れることも、試験対策には欠かせません。
テストセンターの運営会社によってはピアソンVUEなど、CBTのデモ画面を用意する場合もあります。
あらかじめ慣れておくとスムーズかつ緊張せずに試験を受けられ、実力を発揮しやすくなるでしょう。
資格試験の多くは大学の大きな講義室など、広い空間で行われることが多いです。
一方でCBT方式は、試験を実施する曜日や時刻を幅広い選択肢から選べることが特徴。
一度に受験できる人数を多く取る必要がないため、試験会場は狭く感じるかもしれません。
また従来の試験では、都道府県単位でしか会場を選べませんでした。
しかしテストセンターは大都市圏を中心に、数多く設置されています。都合にあわせて会場を選べることは、大きなメリットといえるでしょう。
CBT方式の試験では問題がすべて画面での表示となるため、問題用紙・解答用紙ともに用意されません。
このためどのような問題が出たか、また選んだ回答が合っているかどうか、自宅でチェックすることはできません。
CBT方式は以下のとおり、幅広い試験で活用されています。
上記のとおり著名な試験で使われている、実績のある試験方式です。
電験三種の試験制度が変わることで、3つのメリットが得られます。それぞれのメリットを確認し、合格へつなげていきましょう。
1年に2回受験できるようになることは、大きなメリットに挙げられます。
不合格になった方は、1年が長く感じるもの。これからは待つ期間が半年となりますので、やる気を切らさずに再受験へ挑みやすくなります。
また8月が繁忙期の方は、常に受験できないという悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
2023年からは3月にも受験のチャンスがあることは、見逃せないメリットに挙げられます。
受験のチャンスが年1回から年2回に増えても、科目合格の有効期限は3年のまま据え置かれます。
科目合格の積み重ねによる合格がしやすくなることもメリットといえるでしょう。
たとえば以下のとおり科目合格を積み重ね、資格を取得することも可能です。
受験の回数 | 合格した科目 | 受験した年月 |
---|---|---|
初回 | 理論 | 2021年8月 |
2回目 | 機械 | 2022年8月 |
3回目 | 電力 | 2023年3月 |
4回目 | 法規 | 2023年8月 |
CBT方式の採用後は、会場を選びやすくなることもメリットといえるでしょう。以下の要望にこたえることも可能です。
たとえば漢検の場合は、47都道府県に150以上もの会場が用意されています。電験三種でも、受験者のニーズにあわせて会場を選べるようになることが期待されます。
試験制度の変更は、よいことばかりとは限りません。ここからは3つのデメリットや注意点を取り上げます。受験する際の参考にしてください。
試験の回数が年1回から2回に増えることにより、過去問の数も2倍に増えます。しっかり実力を試し、誤答をチェックして自分のものにしたかどうかが合格を左右するといっても過言ではありません。従って過去問の重要性は、一層増すことになるでしょう。
CBT方式を選んだ場合は、ペーパーテストにはない3つのデメリットや注意点があります。
合格を勝ち取るためにも、以下の項目をチェックすることが重要です。
なお2022年3月現在、CBTを実施するテストセンターの名称は公表されていません。今後の情報をご確認ください。
CBT方式で実施される多くの試験は、主催する団体ではなくテストセンターの運営会社に委託して実施されています。
はじめて使うテストセンターの場合は、試験自体の申し込みに加えてテストセンターへの登録も必要。アカウントの作成は、代表的な項目です。
初回だけの手続きとはいうものの、2つの手続きを行う必要があります。この手間に対して、煩わしさを感じる方もいるかもしれません。
「問題用紙はないため持ち帰れない」の項目でも解説した通り、CBT方式では試験問題が紙で用意されないため、持ち帰ることができません。
このため試験後に自己採点を行い、合格ラインに達しているかどうか判断する対応は取りにくくなります。
CBT方式で受験する場合は試験そのものに加えて、試験会場のルールにも従う必要があります。
たとえばピアソンVUEのテストセンターで行われる試験では、以下のルールに従わなければなりません。
試験会場に到着できたものの、受験できなかったという事態はぜひとも避けたいもの。
事前にテストセンターのルールを確認しておくことで、このような事態を防止できます。
CBT方式の試験が始まった場合、問題は従来の方式とは異なることが想定されます。またCBTでの出題分は、非公開となる可能性が高いでしょう。
これまでのように、すべての過去問をチェックすることは難しくなると考えられます。
このため過去問から、試験の傾向をすべてつかみきれるとは言い切れません。
試験対策の問題も、予想で作成する場面がこれまで以上に増えることでしょう。
従って今後は、用いる教材により合格のしやすさ・しにくさが顕著になる可能性があります。
テキスト作成部門に優秀な専門家を揃えているかどうかが、受講者の合格を左右するともいえるでしょう。
電験三種の試験制度が変わっても、おすすめの学習方法に大きな違いはありません。
合格につながる3つのポイントを、しっかり確認していきましょう。
電験三種を学ぶ際には、以下の順で進めると効率的です。
理論は他の科目を学ぶ基礎になること、法規は他の科目を学んでからでないと理解しにくいことは主な理由に挙げられます。
詳しい解説は「電験三種に独学で合格できる?勉強方法やスケジュール感、勉強時間も解説」記事をご参照ください。
これまでの試験は1年に1回の開催でしたので、勉強を始めるタイミングによっては次回の試験まで1年後という場合もありました。
全科目を一度に受けた方も、多いのではないでしょうか。
一方で2022年度からは、半年ほど待てば次回の試験日がやってきます。
このような状況では科目合格制度を上手に活用し、2~3科目に絞って学習を進めると効率的。合格にも近づくことでしょう。
但し科目合格は、合格の翌々年まで有効という点に注意してください。
不合格になる可能性を考えると、毎回1科目に絞って受験する方法はおすすめできません。最低でも2科目準備し、受験するとよいでしょう。
電験三種は、合格が難しい資格です。またCBT方式の導入後は、合格しやすい教材・しにくい教材が分かれることも考えられます。
このため通信講座など、専門家が監修した教材の活用がおすすめです。
技術的な観点はもちろん、試験の傾向も踏まえた対策を取れることがメリット。
もちろん日本建設情報センターの「電験三種」講座も対応しています。
電験三種を目指すなら、日本建設情報センターの「電験三種」講座がおすすめです。受講により、以下のメリットが得られます。
上記のとおり、最短の時間で合格を目指せます。お持ちのスキルや学習にあてられる時間によっては、一発で4科目に合格することも可能です。
2022年度から電験三種の制度が変わりますが、合格に求められるレベルは変わりありません。
一方で職場との調整が難しいなど、実力がありながらなかなか受験できなかった方には朗報といえるでしょう。
受験のチャンスが増えるとはいえ、限られた回数で合格を目指す必要があります。
できるだけ少ない回数で、合格を目指したいもの。日本建設情報センターの「電験三種」講座を活用することにより、合格へ大きく近づけます。
ぜひ活用をご検討ください。